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作…宮部みゆき 絵…吉田尚令 編…東雅夫『怪談えほん (1) 悪い本』

 「みんなと仲良くしましょう」とか、「苦手なものも好きになる努力をしましょう」と書いてあるような作品とは明らかに異質な絵本。


 ※注意
 結末までは明かしませんが、以下の文にはネタバレを含みます。


 「いつか どこかで あなたは だれかを きらいになります だれかが いなくなればいいと おもいます」

 「あなたは なにかを  きらいになります なにかが なくなればいいと おもいます」

 「かならず かならず」

(作…宮部みゆき 絵…吉田尚令 編…東雅夫『怪談えほん (1) 悪い本』から引用)


 こんなことを書いている本にはそうそう出会えません。

 背筋がぞわぞわします。

 けれど…。

 考えてみると、その通りですよね。

 世の中の全員を好きになることも、全てのものを好きになることも、実際には難しいです。 

 「大好き」「好き」「普通」のどれかに必ずしもカテゴライズ出来るとは限りません。

 どうしても「嫌い」に、下手をしたら「大嫌い」にさえ当てはまってしまうこともあるはず。

 でも、そういう気持ちを否定して、「どうにかして好きにならなければならない」と無理をしてしまうと、自分の心に嘘をついて作り笑いをしているような感じを自分に強いることになりかねません。

 だから、自分の負の部分をありのまま受け入れてくれるようなこういう絵本も、子どもたちの心には必要なんでしょうね。

 きっと、大人の心にも。

 「いい子」過ぎたり、「いい人」過ぎたりすると、心が壊れてしまうから。



 〈こういう方におすすめ〉
 毒のある絵本が好きな方。

 〈読書所要時間の目安〉
 15分くらい。

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