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著…北大路魯山人『春夏秋冬 料理王国』

 料理は芸術だ! 料理についての自分なりの美学を持ちたまえ! 自分の好物について説明する時ろくな表現が出来ないような奴は料理人としてなっとらん!

 …という叫びが聴こえてきそうなエッセイ。 

 わたしはちょうどお腹が空いている時にこの本を読み始めてしまい、ページを捲る度にお腹がキュルキュル鳴りました。

 しかし、この本が面白いので、ついついお腹をそのままにして読み進めてしまいました。

 著者はラジオで放送された病人食について「異議あり!」と物申したかと思えば、

 「ある晴れた日の午後であった。と、こう書き出しても、芥川賞をもらうつもりで、文学的に書き出したのではないから心配しないでくれ給え」

 (著…北大路魯山人『春夏秋冬 料理王国』 P30から引用)

 と冗談を言い出したり、そうかと思えば、

 「さて、何を言おうと思っていたのかな。そうだ。ある晴れた日の午後であった…のつづきだ」

(著…北大路魯山人『春夏秋冬 料理王国』 P31から引用)

 と伏線を回収したりするので、読んでいてちっとも飽きません。

 意外と茶目っ気のある方なんですね。

 次は何を言い出すかな? と気になって、ついいつまでも読み進めてしまい、わたしのお腹は鳴り続けていました…。

 さて、この本は、ご馳走の写真が掲載されているわけではありません。

 しかし、食材や調理方法や調味料のことなどが仔細に描写されているため、普通のグルメ本を読むよりかえって「味覚だけでなく視覚や嗅覚などあらゆる面で心を満たし、季節の移ろいをも感じられるような料理を堪能したい…」と、空腹を刺激されました!

 なお、わたしの好物は鮎やイワナの塩焼きなのですが(串打ちして、しかも炭火で塩焼きにしたものが最高)、この本にも鮎の食べ方が載っていて…(P122~P126)。

 …ああ!! お腹が空いた!!

 しかしなかなか鮎やイワナは手に入らないので、今日はサンマを焼いて食してみます。

 サンマも美味でございます!



 〈こういう方におすすめ〉
 美味しいものに目がない方。

 〈読書所要時間の目安〉
 1時間〜1時間半くらい。

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