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【講演レポ】フェミニズムへの歩み@笛美さん

ひとりの日本女性がフェミニズムを知り、実践していくまでの歩みをまとめました。「フェミニズムって何?」という方も、ぜひお読みください。

※本記事は、オンラインイベント「笛美さんと考える!フェミニズムのこと」の講演レポートです。
主催:プラン・ユースグループ(2022年10月8日)
ご講演内容の発信について、笛美さんとプラン・ユースグループさんともにご了承いただいております。


\そもそもフェミニズムとは?/
「女性の生きづらさの解消を目指す運動」のことです。
○仕事での給与・待遇の格差
○家事育児・介護の負担
○妊娠や出産・避妊や中絶の選択肢のなさ
○性犯罪・セクシャルハラスメント

こうした問題に対して、さまざまな活動が行われてきました。ジェンダー格差が激しい日本ではまだ一般的ではありませんが、平等な社会に近づけるために必要なものです。

\笛美さんって、どんな人?/
日常にある女性の生きづらさをSNSで発信されています。
さまざまなイベント・メディアでも、ご活躍中です!
▼noteはこちら

それでは、笛美さんのこれまでと現在の活動に至るまでを見ていきましょう。


就職後のモヤモヤ

大学卒業後、笛美さんは広告代理店にクリエイターとして入社しました。憧れいっぱいに仕事をはじめますが、次第に”女の子扱い”に悩むようになっていきます。"若い女の子"として注目される一方で、「女の子らしく」というプレッシャーを受けることが増えていきました。

「なんか肌荒れていない?」
「女捨ててる」
「○○したら彼氏ができるんじゃない?」

そんなプレッシャーと過酷な長時間労働で、心身ともに追い込まれていきます。

また、広告で描かれる女性像にモヤモヤするようになりました。
「出てくるのは若くてかわいい女の子ばかり・・・」
「ほかは、家族に尽くす”お母さん”しか描かれない」
「中年以降の女性というと、女らしさを捨てた”オバちゃん”扱い」
「体のパーツが強調されている・・・」

そんなモヤモヤを抱えながらも、「自分の力で何とかしたい」と葛藤する日々が続きました。

海外の広告イベントで感じた格差

あるとき、海外の広告イベントに参加しました。
そこでメディアの取材を受けたのですが、「うちの会社では男女格差はないです」と何の疑問もなく答えました。それに対し、インドネシア女性は「わたしの国では不平等があります」と答えたのです。

しかし、インドネシアのジェンダーギャップ指数が世界92位であるのに対し、日本は120位とさらに深刻な状況だったことを後に知ります。(※)
不平等に気づけないほど深刻な日本の現状を感じる出来事となりました。

※ジェンダーギャップ指数の順位は、2022年時のものです。
広告イベント当時の調査ではありませんが、日本がフィリピンよりも低いことは変わりありません。

海外のインターン先で驚いたこと

そんな中、海外にインターンする機会がめぐってきました。
インターン生活で驚いたのは、その国と日本の”がんばり”の違いです。インターン先では理不尽なことを我慢しないために行動しますそれに対し、日本では理不尽を我慢するためにエネルギーを費やしてきました

また、フェミニズムをはじめ、さまざまなデモやパレードに自然に参加する周囲の姿も印象的でした。

インターン生活の中で、日本で感じた格差・モヤモヤは社会の仕組みによって作られたものだと考えるようになりました。
仕事や私生活でうまくいかないことについて「自己責任」と言われたこともありましたが、「そうではない。社会の中で仕組まれた運命だったんじゃないか」との思いに至ります。

フェミニズムを学んで

帰国後、日本の現状やフェミニズムについて学び始めました。その中で日本のジェンダー格差をまざまざと感じるようになります。たとえば、日本男性の平均年収は545万円に対し、女性は302万円(※)というデータを目にし、250万円もの差があることに衝撃を受けます。

※参考:国税庁「令和3年 民間給与実態統計調査」
笛美さんが見た年の調査ではありませんが、男女で大きな差があることは変わりありません。

さらに、フェミニズムの歴史についても調べてみました。

▼フェミニズムは大きく分けて、4つの波があります。
①第1波|19世紀後半~20世紀初頭
 ○女性の参政権がテーマに
 ○日本では平塚らいてうが活躍

②第2波|1960~70年代
 ○中絶の権利がテーマに
 ○日本では「ウーマン・リブ」と呼ばれた

③第3波|1990~2000年代初め
 ○「Girl's Power」がキーワードに
 ○“女の子らしく”ではなく、“自分らしく”という考えが広がる

④第4波|2010年代~現在
 ○SNS発信が大きな力に
 ○「#MeToo(わたしも)」というハッシュタグが世界的に広まる

日本社会の現状とフェミニズムを知り、日本のジェンダー格差を再認識しました。

現状を変える行動へ

それから、「現状を変えるために、人びとが違和感に気づき行動するきっかけを作ろう」と考えます。
実生活でのアクションが難しかったため、ネット上で活動をはじめました。

大きな転機となったのが「 #検察庁改正法案に抗議します 」というハッシュダグをつけたツイートでした。
2020年5月のコロナ禍で、法案の審議が進められていました。
「この法律が通ったら『正義は勝つ』なんてセリフは過去のものになり、刑事ドラマも法廷ドラマも成立しなくなる
そんな危機感を覚え、Twitterに投稿します。

結果、その投稿は思いがけず広がり、「#検察庁改正法案に抗議します」というハッシュダグが1000万以上もツイートされるほどになりました。
その後、法案は見送られ、最終的に廃案になりました。

また、2022年7月の参議院選挙では「 #女性に投票チャレンジ 」というハッシュタグをつけ、女性候補者への投票を呼びかけました。投票後、女性参議院議員比率は23%から25.8%とわずかながら増加しています。

地獄で生きのびつつ地獄を変えよう

こうした活動を経て、ジェンダー格差の激しい日本でも少しずつ変わっていくと感じるようになったそうです。
講演の最後に語られた、「地獄で生きのびつつ地獄を変えよう」という言葉が印象的です。厳しい状況で生きる参加者へのエールでもあり、仲間としての声かけのようにも感じました。

▼笛美さんの活動についての心がけはこちら
【講演レポ】バッシングからの心の守り方@笛美さん|ほんがたり倶楽部|note

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笛美さんのこれまでの歩みと思いが詰まっています。仕事や恋愛・婚活で悩み、試行錯誤していく心情が胸に迫ります。

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書店発売日 2021年

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