見出し画像

学校で勉強するCAD・CAMと、仕事で使うCAD・CAMというはなし

こんにちは、製造部の松田です。

今日の製造業においてCAD・CAMは必須
と言っても過言ではありません。

長年の手の感覚で旋盤を操り、
神業のような製品を造る
職人さんもいらっしゃいますが、

いわゆる工業化された運営管理を伴う
工場稼働ではCAD・CAMを活用した
NC機械加工が必ずからんできます。


念のため、CAD・CAMの定義のおさらいですが、

【CAD (Computer-Aided Design) 】
製品の形状、その他の属性データからなるモデルを、コンピュータの内部に作成し解析・処理することによって進める設計

【CAM (Computer-Aided Manufacturing) 】
コンピュータの内部に表現されたモデルに基づいて、生産に必要な各種情報を生成すること、およびそれに基づいて進める生産の形式

つまりザックリ申し上げると、

  • CADはコンピュータ上で仮想的に作られた製品データ(力学解析など可)

  • CAMは、CADに基づいてそれを加工する条件や順序を付与したデータ

みたいなイメージです。


CAD・CAMが登場して50年近くになりますが
社会実装されるにともなって、
教育現場でも必修科目となっています。

私は機械工学科を卒業しているのですが、
2年生のときに3次元CADを履修しました。
(PTC社のCREOというソフトを使用しました)

しかし残念なのが、その授業では
課題となる製品の六面図が与えられ、
そのとおりにCADを作成して終わりで、

それをベースにCAMを作りこんだり、
そのCAMを加工機に渡して実際に加工したり
といったステップはせず単位が取れてしまいました。

おそらく授業時間との兼ね合いや
学校が保有する加工機の台数など
CAM以降をやる都合がつかなかったのだと思います。
(高専など時間と設備がある環境であれば、
 CADから加工まで何度も回せるのでしょうが)


また学校でCADを習ったことがあるからとはいえ、
実際の製造現場でその知識がすぐ使えるわけではなく、

2次元CADなのか3次元CADなのか、

例えば3次元CADでもSolidWorksなのかFusionなのか、

品質や歩留まり向上のために
各社が独自にアレンジしている
CAD作図方法がどれほどあるのか、

CAM作成に使う工具には何があるのか、

NCプログラム化の際に注意すべき点は…

などなど、色んな要素を入社後に知るわけです。


もちろん、CADソフトを触ったことがある
という素地の有無により違いは生まれます。

とはいえ仕事のために勉強することなので
皆さんパッションはすごいですから、
(少なくとも学生時代の私よりも!)

素地の有無なんてスタートダッシュの
初速が10m/sなのか15m/sなのかくらいで、

長期的に見ればあまり違い無いように感じます


むしろ仕事を覚えてもらう側として嬉しいのは、
社内で当たり前と考えている=OJTする加工法よりも、

もう少しこう変えるだけで歩留まりが良くなったり
加工にかかる時間を何秒か短縮できるよ、といった
外部視点ならではの提案をしてくださる方です。

CAD・CAMソフトの操作というよりも
製造プロセスの視点にたった問題提起
とも言えます。


昔、高校の英語科の先生からよく聞きましたが、
「英語はツールとして使いはじめてナンボ」
みたいなかんじで、

CAD・CAMもツールとして使って、
製造プロセスの課題解決につながってナンボ
といった発想を忘れないようにしたいですね。


▼▼▼その他の記事も是非!▼▼▼

この記事が参加している募集

オープン社内報

企業のnote

with note pro

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?