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障害持ちの元美容部員が伝えたいこと。

障害者雇用で美容部員をしていた、コスメコンシェルジュの革ジャン♡ほっこり〜ぬです。

今回は私が美容部員になったキッカケを書きたいなぁと思っています。

(すっごく長いです。お時間のあるときに)

いつも『毒親サバイバー』『虐待サバイバー』であることにばかりフォーカスしてしまいますが、本日は毛色を変えて(こほん)。


私は自分の容姿に自信のない女の子でした。
自分が大嫌い。

今は自分をこれ以上嫌いにならないように、せっせと髪をとき、お肌を保湿して、爪を整え、口紅をひいたら『んっ、綺麗だよ』と鏡を見ながら唱えます。
マスクの下はいつもお気に入りの口紅をしています。
成分分析もぬかりはありません。

自信がないということは、逆に『身だしなみに気を遣おうとする心意気』の源です。

いまは30代半ばですが、きっといまが私にとって一番華やかな時期だと思っています。

幼い頃からの生育環境を考えれば、『自信のない女の子』になるのは当たり前です。
ただ、ここを掘り下げちゃうと、いつもの『毒親ネタ』になってしまうので、今日は置・い・と・い・て。

たまたま4~5年前にテレビをつけたとき、出ていた子役さんを見て『自分は親から“醜い女の子”だと思い込まされていた』ことに気付きました。
確かに素朴な感じの女の子だけど、目を細めてはにかむ演技。
お母さんに習った歌を歌ってみせる声。
そっくりだった。
…え、普通に可愛らしい女の子じゃないの。


ちょうど、この頃。
私は全国チェーンのレストランでホールスタッフのパートをしていました。
(このときは途中から障害をカミングアウトして、障害者雇用のひととして在籍していました。)

ものすごい回転率の、お客さんが何百人単位で押し寄せる人気店でしたので、休日や夜なんかはお客さんに絡まれていたら手が止まってしまいます。
それは困る!!
ですので、ある程度愛想を振りまけるような営業日は『ふんわり眉毛にコーラルピンクの口紅』でほっこりキャラに。
行列をさばきまくる怒涛の営業日は『キリッと吊り眉、赤リップ』と強気キャラに。
とメイクの使い分けをするようになりました。
お客さんや先輩に叱られたら、こっそりトイレに行って違う色の口紅を塗り直していました。

叱られたことは反省するけれど、家に帰ってから反省しないとお店が回らない(忙しいから)。
気持ちの切り替えに口紅を使っていました。
口紅は私にとっては変身ベルトみたいなものでした。


上手にお化粧できた日は、笑顔も2割増しになっている気がしていました。
そして、2割増しになった笑顔に、お客さんが(たいていはご年配の)『アンタはニコニコしとってええね』と孫娘にするみたいに話しかけてくださる。

お化粧の力ってスゴイんだな。
そう思っていました。


その後、私は手術を受けなくてはならないという事情もあり、レストランは退職しました。


…はぁ、手術…怖い。
入院中、退屈かしら…?
身動き取れないんだもの。
退屈だろうな…。

そうだ、お勉強しよう。


手始めに化粧品検定2級のお勉強をすることにしました。

もともと勉強は得意な方なので難なく受かり、その次の試験日に1級も取りました。

うーん、こういった検定とか資格とかはお金がかかって当然だもの…えーいっ!

と、コスメコンシェルジュ資格も取ってしまうことにしました。

とくに国家資格でもないですし、自己満足ではあったのですが。

化粧品メーカーはこの資格は必須だったりします。
というか『取らされる』らしいです。
身近なところではイ〇ンリテール株式会社の化粧品売り場の人にも求められる資格です。
ちなみに登録販売者資格ももっていると強い!

お勉強中に私は肌荒れがひどくてアピ〇の化粧品売り場でアベンヌやらラロッシュポゼやら『やさしい系基礎化粧品』をうろうろ見ていました。

そして、そこの美容部員さんが、
『いまは花粉の時期ですから、きっと何を使ってもボロボロだと思います…
急に基礎化粧品かえたりするのも負担ですし。
お肌にも、お金にも。
サンプルを差し上げますから、一度お試しになってからお買い上げされたほうがいいと思います』
とアベンヌのサンプルを渡してくれました。

もちろん、それは接客なんだけど、とっても嬉しくて。
それは仕事なんだけど、とっても嬉しくて。

その美容部員さんは花粉の時期はご自身もボロボロだと言ってみえました。



この、嬉しい気持ちは大切にしたいなぁ。
そう思いました。

その後、外資系の化粧品メーカーの障害枠での面接を運良く受けられました。
結果としては私は不採用でした。

ですが、もし
『私…障害があるけど、美容が大好き!
化粧品のおねーさんになりたい!』
って人がいたら、私は伝えたい。

障害者枠、あります。

数は少ないです。

狙うなら外資系です。

だけど、枠は存在します。

それだけは伝えたい♡



私は結局、ドラッグストアで美容部員をしておりました。
(もともとはほぼ清掃員でした)


まぁ、結局は無理が祟って退職になってしまいましたが、私は確かに美容部員でした。

障害者雇用の美容部員でした。

もう少し、自分の体調を把握できていたら続けられたかもしれません。

後悔はしていません。

いい経験でしたし、知識もつきました。
また挑戦したくなったら挑戦すればいい。
違う職種に活かしてもいい。

だって、清潔感のある見た目を保つこと。
できれば華やかでいることって根性がなければできません。

根性だけでもできません。
自分に合う化粧品を成分表示を見て選び出し、続けやすい美容方法を身に着け、普段の食生活も少しは気をつけて、うまく手を抜く方法を編み出し、できたら続けてゆくために低コスト化できるところはする。

要は上手くロジカルにサボる。

全部、知識と経験が必要なことです。


そして、このスキルは人目につく仕事をすれば求められるスキルです。

ハッキリ言って、レストランだってそうでした。

来るんですよ?クレーム。
名指しで。

清潔感がないことが直に自分の首を絞める仕事には間違いなく活かせます。


『美容が好きだ』
そう思える自分に自信を持ってほしい。




そして諦めないでほしい。

障害は私の一部です。
だけど、一部なんです。


あなたに障害があっても、あなたが障害なわけじゃない。


誰にだって『望み』があっていい。
誰だって『口紅塗って』いい。


自分の唇に『口紅』を。

自分の心に『口紅』を。





最後まで読んでくださった方、ありがとっ♡





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