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《毒親サバイバル中のあなたへ》上も下も見ないで。幸せかどうかは自分の気持ちだけが基準だよ。

私は毒親サバイバーです。
何十年も不眠に苦しみ、睡眠薬を使わずには眠ることができないままです。


私は心療内科だけでなく福祉施設にもお世話になっていた時期があります。

(まだ再就職先が決まっておらず、私はこの頃『実家住まい』でした。父からの暴言や無神経な行いに苦しみ、車内で仮眠をとって生活していました。)

施設の利用者さんは私も含めて見た目からはわからない障害や病気を抱えています。
家庭環境に課題があることも多いです。

私は過剰な支配や干渉、暴言暴力を受けて育ちました。

単純に虐待を受けて育ちました。

それでも私は不眠と人間不信がひどいものの、愛想がよくて身綺麗なため『恵まれて育ったひと』『お嬢様育ち』に見えてしまいます。
もちろん、華美にならない程度のお洒落はしているわけですし、いままで接客業をしてきたので身なりを整えるのはもはや習性です。


福祉施設にいると、どうしても他の利用者さんと自分を比べてしまうものです。
いや、比べられてしまいます。
病気の種類、病気の程度、家庭環境、年齢、貧富、身なり等々。

それこそ、生まれたときから孤児のひともいますし、お家のないひともいます。
私は中学まではしっかり通学しましたが、学校にいったことのないひともいます。
働いたことがないひともいます。
働けないほど症状の重い人もいます。


私は虐待を受けて育ちました。
両親は(おそらく)存命です。
私は30歳を過ぎて車の免許を取りました。
運転ができます。
正社員の経験はありませんがパート従業員として働いてきました。
身なりを綺麗にすることに意欲があります。
きちんと洗濯をし、髪を整え、お化粧ができます。


福祉施設のなかでは、私は『恵まれたひと』です。
『家を出たい』という私の望みは『恵まれたひとの贅沢な考え』というポジションになってしまいます。

「親から虐待を受けていた」のと
「親に棄てられ孤児になった」のを比べても仕方ない。
どちらも辛いことです。

どちらが辛いかと比べるものではないんです。


それでも「親がいるだけマシじゃない」と言われてしまうこともあります。
「早く実家を出たい」とつぶやけば、
「家があるだけマシじゃない」と言われてしまいます。
「そんなに綺麗な格好をして、なんて贅沢なことを言うのか」と嫌味すら言われます。


私が幸せになるために家を出たいなら、「家を出たい」と望むしかなかったんです。
望んで安全な住まいを手に入れるしかなかったんです。


私より恵まれているように思えちゃうひとはたくさんいます。

穏やかな家庭で育ち、恋愛に恐怖を抱かずに生きていられるひと。

正社員で働けるひと。

高校や大学に行けたひと。

新卒として就活に参戦できたひと。

人間が怖くないから友達を作ることに抵抗がないひと。

自分を醜いと思っていないから、ラフな格好ノーメイクで出掛けられるひと。

私にとってはどれも憧れです。


……だけどね。
上(とされる環境のひと)を見て萎縮していても仕方ないんです。

下(とされる環境のひと)を見て「私は彼らに比べたら恵まれている…幸せを望むのは図々しいかな…」と遠慮するのも違うんです。



福祉施設内に限ったことではないけれど、福祉施設内だとこの「アナタはマシよ」に遭遇しやすいのも事実です。

『マシかどうかなんて知らないわよ』
『幸せかどうかって話してんのよ』
そう心で毒吐いて。


虐待経験を持ちながら生きていくことが『マシかどうか』なんてナンセンス。
幸せなわけないだろ?

「いま幸せ♡」と思えないなら、幸せじゃないんですよ。

自分よりひどい環境に置かれているひとと比べて『私は恵まれているから、これ以上望んではいけない』と心にブレーキなんかかけないで。

自分が幸せになるには、上も下も見てはいけないんです。
『幸せになりたい』という気持ちにフタをしちゃうくらいなら、上も下も見てはだめ。
自分が『いま、幸せか』『いま、気持ちは楽か』それだけを基準にしてくださいね。

毒親サバイバルをしているひとが『幸せ』なわけないんですから。
『幸せ』を感じられるとしたら、サバイバル状態から少し距離を置けて、『毒親サバイバー』を名乗れてからなんだもの。

だから、上も下も見ないでくださいね。
自分の気持ちだけを基準にして。

私は「親が存命のくせに」、「家があるくせに」と親から逃れることすら「贅沢だ」と言われるのが辛かった。


図々しくなんか絶対ないですから。
そもそも、毒親育ちは『我慢慣れ』しているから、ひとの5倍ぐらい図々しくて丁度いいんですからね(笑)。


 


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