彼が映す世界
私の夫、海人はカメラマン。私はヘアメイクとしていつも一緒にお仕事をしている。今日も前撮りの撮影で、夫婦で北海道札幌へ向かっている。夫は映像も写真も両方撮影するのだが、今回の出張は、前撮りの写真撮影と、イベントの映像撮影の両方だ。
私は、海人の撮る写真がとても好き。写真を撮り始めてものすごく長いキャリアがあるわけじゃないし、一緒に仕事し始めてまだ1年くらいでもある。でも、私は海人の、なんのフィルターもかけずにそのままの被写体を見る、その力を心から尊敬する。そしてその瞬間を逃さずにカメラにおさめる。多くの人が好きになるだろう写真や、SNSに挙げたくなる映えた写真は、基本撮らない。
海人は写真を撮っているんじゃない、その瞬間瞬間に撮らされている。撮らずにはいられないのだ。シチュエーションや、小道具など、作り込んだものは写真として残す必要はなくて、その一瞬一瞬にしかないものを、もう2度と来ないかもしれない今というものを、写真として目に見えるものに残すから意味がある。
海人は、自然とそんなものを撮っている。
海人の写真を見ていると、どの一枚もその瞬間がどれだけ素敵なものなのか、もう2度と来ない貴重な「今」なのか、そして、その今がどんなものであってもどれだけ素晴らしいのかがひしひしと伝わる。
何が良くて何が悪いか、そんなものは彼の世界には存在しない。ただただ、そのままを撮る。そのままを伝える。でも、それがすごく心地いい。
海人はおしゃべりでもなければ、人に気も使わない。(使えない。)そして言葉で表現するのがとても苦手。だからこそ、彼が彼の見える世界を表せるのは写真というものを通してのみ。そこから感じるものが、私は好きなんだな。
▼撮影詳細はこちら▼
https://bewithw.wixsite.com/wada
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