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【短編小説】れもニキ2/5
翌日も大八木抄造は一日中図書館で、うかりそうにない国家資格の勉強をして、それでも一応一生懸命にはやったので、脳がぱんぱんになった。夜にはまた例の公園のベンチに座っていた。夜気に当てて、疲れを取るのである。この時間が今の抄造には唯一の安らぎなのだ。
この時、虫を泳がせてぐるぐるの視野の右端に、すうっと、滑り込んで来るものがあった。
自転車であるらしい。
運転しているのは、七十代くらいに見える
翌日も大八木抄造は一日中図書館で、うかりそうにない国家資格の勉強をして、それでも一応一生懸命にはやったので、脳がぱんぱんになった。夜にはまた例の公園のベンチに座っていた。夜気に当てて、疲れを取るのである。この時間が今の抄造には唯一の安らぎなのだ。
この時、虫を泳がせてぐるぐるの視野の右端に、すうっと、滑り込んで来るものがあった。
自転車であるらしい。
運転しているのは、七十代くらいに見える