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「創作」と「芸術」と「商売」について…?

本記事では、この重なり合いつつも
違いがある三つの言葉について、
私が考えたことを書いてみます。

まずは、カタカナ英語ですので
元の英語から考えてみましょう。

◆クリエイト:create
◆アート:art
◆ビジネス:business

◆クリエイト:create

「create」は、ラテン語のcreatusから
派生して生まれた言葉です。
作る、生み出す、引き起こす、という意味。
神が新しいものを「創り出す」。

crescere「成長する、増大する」にも
関わりのある言葉です。
クレッシェンド、という
音楽の記号がありますけれども、
これは「だんだん音を強くする」です。

createのイメージとしては、
何かが「生み出されて」「増えて」
「成長していく」
感じでしょうか?

◆アート:art

「art」は、ラテン語のarsから
派生して生まれた言葉です。
「技術」「資格」「才能」の意味。
このうちの技術には、
「人の手を施して装飾する」
という意味が含まれているそうです。

ただ、当初のartとは、
「人の手を施すこと全般」の意味。
ゆえに、美術や芸術だけでなく、
医術・建築・学問、
すべての意味が含まれていたそうです。

『リベラル・アーツ』という
言葉がありますけれども、
これはヨーロッパの大学で
「すべての人に必要とされた学問」
という意味。
(教養、とも訳されがち)

リベラル・アーツの7科目はこちら!

◇文法学「言葉を正しく使う方法」
◇修辞学「他人を論破する方法」
◇論理学「思考のつながりの表現方法」
◇算術学「計算の方法」
◇幾何学「図形や空間の性質」
◇天文学「宇宙の性質や法則」
◇音楽学「音の性質や理論」

…ただ、このように
元々は「技術」「方法」の全般を指した
artと言う言葉が『産業革命』によって、

◎「technology」:特に実用的な技術
◎「art」:technology以外のもの

というように「分かれて」いきます。

そのため、artの意味が狭まった。
どちらかと言えば「art」は
すぐには実用性がわからないような
美術、芸術、そういった
表現を中心に表すことになりました。

artのイメージとしては、
やわらかい創作や表現の全般、
あからさまな実用ごりごりではなく、
「これはどんな意味があるんだろう?」と
人に考えさせるような、
曖昧模糊とした自由で複雑な表現、

という感じでしょうか?

◆ビジネス:business

「あっ、これ、知ってますよ!
忙しい(busy)が語源ですよね!」

と思った方もいらっしゃるかもですが、
必ずしもそれだけではない。

古代英語の「bisignisse」が元です。
「care(ケア)」「anxiety(心配事)」
という意味合いの強い言葉でした。

誰かをケア、お世話する。
誰かを心配、心を配る。
自分のことだけではなくて、
他人のことを考える…。
ここから、business(仕事)という
意味の言葉に派生していった、
と考えられています。

『That's none of your business.』

この文章は「あなたの仕事じゃない」
と捉えられがちなのですが、
語源から考えていけば、

「あなたが心配するようなことではない」
つまり「あなたには関係ない」
『つながりがない』と突き放す意味です。
「余計なことはせずに当事者に任せろ」
「関係ない人は口を出すな」という意味。
仕事じゃない、というよりも…。

businessのイメージとしては、
他人をケアして、その対価として
報酬を得る、漢字の日本語では
「仕事」「商売」
というイメージに
つながってくるように思います。

…さて、ここまでが、
元々の英語の語源を元にして
私なりに考えた
三つの言葉の意味やイメージ。

いかがでしょう?
読者の皆様におかれましては、
元の英語・語源とカタカナ英語の
微妙な違いを感じたでしょうか?

…元々、直訳できずに
日本語ではしっくりこない言葉を
カタカナ英語として使っているので、
ずれがあって当然、とも思います。

ではこれらも踏まえた上で、

クリエイトとアートとビジネス、
「創作」と「芸術」と「商売」の
関わり
について考えていきましょう。

『漫画』がわかりやすいので
そこから考えてみます。

何かしら得体の知れない創作意欲が湧き、
とにかく描き散らす漫画家、
「クリエイター」がいたとします。

これが、何の役にも立たないと思われる、
他人にはわからないようなものならば、
「アート」と言われるかもしれない。

しかし、誰かがそこに意味を見出して、
他人に伝えることで
何らかの影響を及ぼすことができる…。
そう考えれば「ビジネス」が生まれる。

たくさんの部数を誇る名作漫画は、
最初は漫画家の衝動、創作意欲に基づき
「生み出された」ものかもしれない。
それはもしかしたら、最初は
「何の役に立つか分からない」
ものだったかもしれない。

それが編集者や出版社など
「他人」の手や目を通して
「ビジネス」として注目され、
紙に印刷され、たくさんの他人に
広がっていき、影響を及ぼしていった。


…これが、以前の名作漫画の
ヒットの方程式、基本ルートです。

ただ、現在ではSNSなども発展してきて、
漫画家個人が「直接」発信するケース

たくさん出てきています。

「クリエイト」したものを
「アート」としてなのか
「ビジネス」としてなのか
必ずしも決めない「生のまま」で
世の中に発信していることもある…。


(もちろん、決め打ちして確信的に
発信することもあるでしょうが)

そのうち、バズった(注目を集めた)
漫画を、出版社などが目をつけて、
「商品」にしていくこともある…。

それを考えた時、現代とは、

「クリエイト」「アート」「ビジネス」
の既存の垣根が徐々に溶け出している、
とても複雑で曖昧な時代ではないか、

と私は思うのです。

それもそのはず、元々、
「アート」=役に立つ立たないの線引き
「ビジネス」=他人をケアして慮る心配
は、「人それぞれで違う」のだから。

自分に、他人に、関係あるかどうか、
影響を与える、与えたいと思うかどうか、
つながりを持ちたいかどうかは、
まさに個々人が決めること、ですから。

そう考えた時、お仕着せの枠にはまった
アートやビジネスではなく、

「自分なりの」
「自分が望む他人に届くための」
アートやビジネスが
生まれて発信して育てられる時代
だと
私は思うのです。

最後に(まとまりませんが)
まとめて終わります。

本記事では
クリエイト、アート、ビジネスという
三つについて考えて書いてみました。

※こちらもご参考まで↓

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