ポータブルレコードプレイヤーの思い出
田舎町の夏休み。
長い期間を過ごしていたのは祖父母の家。田舎町からさらに田舎に分け入ったその先にある祖父母の家は、圧倒的な自然に囲まれていたし、圧倒的に時間の流れもゆっくりでした。
北海道の夏は晴れが多く、青い空に白い雲、山並みや木々の緑がそれに映え、風ものんびりと。鳥が鳴き、トンボが飛び、夜にはカエルが合唱をする。
遊び盛りの年頃。そういった場所ではいわゆる娯楽が無く、周囲にあるものをつかって遊んでいたものの、それに飽きると今度は室内散策。それなりに大きな面積のあった家で押入れの奥や、奥の部屋には冒険心をくすぐるものがあり、さながら宝探しのような感覚で、室内を散策していました。
そこで、ある日。
押入の奥の方に見つけたのが、古いレコードと、これまた古いポータブルレコードプレイヤーでした。
レコードはたしか、ウルトラマンタロウ。
ウルトラマンタロウといえば、
ウルトラマン・タロウ
なのか
ウルトラ・マンタロウ
なのか
迷った記憶も懐かしい。
さて、発見したのはいいけれど、どうにもこうにも使い方がわからない。レコードは分かるがプレイヤーを触るのは初めて。どうやらレコードをプレイヤーの穴にさして回転させるのだろうということはわかり、回してみる。
何も起こらない。回転するだけ。
少年は大人に助けを求める。すると、針が無いことがわかりました。
針。
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