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近江商人の「三方よし」をこの時期に再考してみる

昔、法人の会社を立ち上げたときのことです。
私は今後のお取引先となる企業へご挨拶に回っていました。
これからの仕事の詳細について打ち合わせが中心でしたが、中には年配の方より事業に対する御指南をいただくこともありました。

とある会社の部長さんからは御指南だけではなく、手土産として「三方よし」と書かれたシールをいただきました。

「三方よし」

『売り手よし、買い手よし、世間よし』

琵琶湖周辺で発祥した近江(おうみ)商人より、商取引においては当事者の売り手と買い手はもちろん、その取引が社会全体の幸福につながるものでなくてはならないという意味を込めて「三方よし」という言葉が生まれました。


【売り手よし】
商売なのだから、売上第一!
まずは自分が儲けること!
・・・と捉えてしまいがちです。

近江商人のいう売り手とは、従業員満足のことでした。
従業員への利益の配分に気を配ること。
丁稚奉公で質素な生活を送っている従業員には月に一度はすき焼きをふるまいおなかも満足させることもあったようです。
(近江のすき焼きというと・・かの高級近江牛でしょうか!
羨ましいです。)
(*´ω`)

【買い手よし】
これは現代語訳をするとズバリ「顧客満足」ですね。

近江商人は物品を売る行商で全国各地を新規開拓していました。

新しい地に入り込んだ際には、その地で「信頼」を得ることが大切でした。
信頼してもらえなければ、品物は買ってもらえず商売はできません。
信頼を得られると、新しい地で商売を始める(支店を出店)こともできます。
信頼を得るためには、自分の利益よりも相手の利益を優先する姿勢があったようです。
また、自分の人間性を磨くことも信頼を得るための大切なことだと周知されていたようです。

【世間よし】
これも現代語訳をすると、企業では「CSR」(企業の社会的責任・社会貢献)ということろでしょうか。
また、「SDGs」に取り組む企業も「世間よし」を実践していると言えるのでしょうね。
(^^♪

***************

近江商人が「三方よし」を信条にして商いをした結果が、息の長い企業発展につながっているようです。
・伊藤忠商事
・ふとんの西川
・日本生命
ほんの一例ですが、近江発祥には名だたる企業が本当に多くて驚きました。


「三方よし」は当たり前のように思えますが、この当たり前を具体化していくことが難しいと思います。

儲かると驕(おご)りや欲が出る。
商売の環境が悪くなると、環境のせいにしたり自己防衛が現れる。
人間の本質からするとこのような気持ちが湧くのはよくあることだと思います。
しかし、これでは衰退に向かうのでしょう。


近江の地では、多くの商人たちが商売の本質を共有する場があり、スローガンとして「三方よし」が生まれました。
いまだにその本質が損なわれないどころか、今後はさらに原点回帰しようとしてるようにも思います。


大きな商いをしているわけではなくても、自分を「売り手」と捉えてみる。
自分と関わる「買い手」に対してどれだけ貢献できるか?
そしてその関係が「世間よし」にまでつながる可能性があるのか?


過去にいただいた「三方よし」のシールは大切にとってあります。トップ画像がそのシールです。まだ一枚も使っていません。
というか、どこに貼ればいいのかさっぱりわからなくて観賞用になっています(笑)。

記事を書いていると、近江牛のすき焼きとデザートには近江の銘菓をいただくコースもいいな~、と妄想が始まりました!
(*´ω`)

近江の和菓子銘菓はこちらです↓↓↓(^^♪


「三方よし」の再考から、個人的な食欲に走ってしまいました!
お許しくださいませ!!
ヽ(^o^)丿


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