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中山翼飛
2023年7月22日 21:28
以前から私の記事を読んでくださっているあなたはお久しぶりです。本作『コウレイシャカイ』を機に私を知ってくださったあなたははじめまして。中山翼飛です。 今回の記事はタイトルの通り、先日応募期間が終了しました創作大賞2023への私見と、私がイラストストーリー部門へ応募しました小説『コウレイシャカイ』のあとがきを一つの記事にまとめたお得なセットとなっております。そのため、「お前の小説なんか知らねえ
2023年7月17日 21:33
体術、技術、思考力。それらに長じるサラディンの攻撃は始皇帝を着実に追い詰めていき、彼は家康が遺した薬品を打ち込むタイミングを窺っているようだ。サラディンを妨害しようとする兵甲達は葛野が排除していく。(これを知られればやつの能力で燃やされるだろう。チャンスは一回だけだぞ、サラディン!) 始皇帝は既に息切れを起こし、市内各地に放っているせいか兵甲を新たに現出することもしない。サラディンの斬撃
2023年7月16日 22:49
「······敵はチャンスをあげるといいつつ街中で戦いを起こすことで人々の死への恐怖を煽り、自分達の目的を達成するつもりです」 フレイヤが言うと葛野は舌打ちし、「だがやるしかねえだろ。絶対に止めてみせる」 その言葉にサラディンは重々しい声色で、「私があのとき、あいつを止めていればこうはならなかった。だが私は不死などには興味が無いし、自由を与えられたなら戦わない選択だってできると思っ
2023年7月14日 15:57
「······logオと∫ジュリエットdxですよ。タイトルだけで面白いじゃないですか!絶対生で観たいって思ってたんです!だからいいタイミングで戻って来られました!」 助手席で興奮気味に話す赤髪の少女の話を、フレイヤはただ黙って聞くことしかできない。本当だったら、その少女だって友だちと一緒にその劇に出ていたはずなのだから。「監視役っていっても、わたし悪いことしないって約束します。だからフレイ
2023年7月12日 22:38
『世界中の人々が降霊者に、ですか······面白いことを仰いますね。使い方次第ではこの国が抱えている様々な問題を解決できるかもしれません』 アカツキ市が降霊者の位相間現象による戦乱に脅かされてから二日。電話の向こうの支倉が穏やかながらも一物ありそうな表情を浮かべているのを確信した富寿満は低い声で、「それで、審議の結果は?」『失礼、気を悪くしないでいただきたい。現状降霊研究は非常に有用性
2023年7月10日 23:13
銀の甲冑に身を包んだ騎士が和の鎧を纏った武士と鍔迫り合いを演じ、その脇から金の兜を被った戦士に斬られて霧散する。位相間現象同士の激しい戦闘から少し外れた場所、開戦地から数十メートル離れた道路の真ん中で銃を構える葛野は、引き金を引けずにそっと腕を下ろした。 あの金髪の研究者が掲げた『誰も死なせない』という理想はもう崩れた。元来葛野は、例え罪の無い被験者を殺してでも降霊者を止めるべきだという立場
2023年7月8日 23:59
階段を一気に駆け上がり、扉を開け放つ。デジャヴのような行動だが、今度は一人ではない。富寿満が派遣してくれた治安部隊の隊員達が赤い上着と白いビョルク帽の兵士達を倒し、いくつもの銃口でスレイマンを囲んでいるのだ。その中心に立つ鹿嶋は禿頭の男を睨みつけ、正面から言葉を突きつける。「ここに来るまでにいろんな人が死んでるのを見た。いろんな人が殺されかけているのを止めた······あんたの兵士にだ、スレ
2023年7月5日 17:16
「牛丼買ってきたんですけど、今何人いますか?」 美味そうな匂いが立ちこめる箱を両手で抱えているフレイヤが尋ねると、治安部隊の隊員達が歓声を上げた。彼女に続いて同じく牛丼の箱を抱えた鹿嶋も本部に入ってくる。「悪いな、バイフィールド博士、鹿嶋少年。今本部にいるのはわたしを含めて三十五人だ」「じゃあ余裕で足りますね。一応五十個買ってましたから」 富寿満に応えてフレイヤと鹿嶋はテイクアウト