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関西から片道3千円ちょいで北海道に行ってきた②【釧路グルメと湿原編】

ただいま片道3760円(運賃2500円+α)で釧路に向けて飛行中。
霜降り肉のような雪化粧を施した本州の山々が眼下に広がっています。

関空から飛び立ち、本州通過中


新型特急はるかで大阪駅に停車
したり、
関空で大阪のおっちゃ……神様に出会ったりした前回の記事はこちら⇩


◆初めての釧路訪問


本州を越え、太平洋に出た頃には雲海が一面に広がっていました。
やがてその雲海も抜け、遠くに見えていた北海道の大地と釧路の街が近づいてきます。

雲海を抜けると
青い海


さて今回の旅ですが、北海道に来たのにはいくつか目的がありました。

その一つがSL冬の湿原号に乗ること。

こちらは1~3月の冬期限定運行のSLで、釧路が誇る日本最大の湿原「釧路湿原」を縦断します。

ちょうど北海道を訪れたかった時期と運行時期が重なったので、せっかくなら冬のSLも乗ってみたいと思い、予定に組み込みました。
切符も運よく確保、乗車が楽しみです!


①釧路のタンチョウ


たんちょう釧路空港

飛行機は無事、正午前に「たんちょう釧路空港」に到着しました。

SLの乗車は翌日。
今日の午後からはSLが疾駆する釧路湿原を見物しにいく予定です。

空港からバスに乗り、湿原を一望できるという湿原展望台を目指します。

バス車内
3月の北海道はまだまだ雪が残る

ぼちぼち春を迎えはじめた関西と違い、3月の北海道はまだまだ雪景色。
気温も本州の冬並で、肌寒い……。

美しいはずの雪景色……。
ただ2ヶ月前に「ボージョレ級の大雪」に散々な目に遭ったせいで、いつもは雪景色に心ウキウキになる私もこの日ばかりはグロッキー

しかし広大な敷地に放牧されている馬を窓外に見つけると、本州とは明らかに違う大地に来たのだと実感。否応なく気分は高揚していきます。

ちなみに釧路湿原の野生動物といえば「たんちょう」。
釧路空港の名前など、釧路の街のあちこちにその名やシンボルがあしらわれています。

バスのリネンの柄も「たんちょう」

まぁ、いくら有名といっても野生動物です。
遭遇できたらラッキーぐらいに思って展望台を目指し

……ん?
おるわ

普通におったわ

まるで地元の田んぼや川でザリガニや魚を食うアオサギぐらいなノリで現れました。

早すぎる一瞬の出会いにシャッターを切れたのが奇跡でした。

②釧路湿原で「大滋賀」を感じる


途中でバスを乗り換え、釧路湿原の西端に位置する釧路市湿原展望台にやってきました。
有料の屋上からは釧路の街を含め、ぐるりと周囲を一望できます。

釧路市街地方面
釧路湿原方面
ただここからだと、肝心の湿原は手前の丘に隠れて少し見づらかった印象

建物から出て、そこから続く遊歩道を歩きます。

遊歩道

すると景色が開け、
無料の展望台へとやってきました。

北斗展望台
釧路湿原

釧路湿原を一望です!

湿原から時折聞こえてくる「クルゥオーゥ、クルゥオーゥ」という特徴的な鳴き声。
初めて聞く声なのに、不思議とたんちょうの声だとわかりました

帰りのバスの時間が来たので、展望台を離れます。

……と、何やら海のほうから壁が迫ってきます

海から迫る壁

何かと思ったら、そう、昼前に飛行機で追い越した雲海です

壁の正体はこの雲

そういえば翌日の天気は雪または雨
やがてあと数時間したらあの雲海が釧路を覆うことになります。

バスの車内から

空の端から雲が壁のように迫ってくるという、本州では珍しい光景。
あらためて遠い場所に来たのだと実感するとともに、不思議な親近感に包まれました。

というのもそののような姿が、故郷滋賀県の西に屹立する「比良山地」に何となく似ていたんですよね。

滋賀県の湖西に屹立する壁「比良山地」
琵琶湖から比良山地をのぞむ

まったく無関係なこじつけに思うかもですが、実は滋賀県の琵琶湖と釧路湿原はラムサール条約仲間でもあるんです。


琵琶湖の水鳥
水郷
近江盆地

多様な動植物が生息し、豊かな田畑や自然が残る琵琶湖や近江盆地の姿に、「まるで小さな北海道に来たみたいだ」と言った人もいるとかいないとか。

実際私も、湿原展望台からの光景を見て最初に思ったのが、
地元に似ているな」だったんですよね。

だけど北海道はさすがにスケールが大きい。
そんな異国の地で「大きな滋賀」を感じつつ、バスで夕暮れ時の釧路市街へと向かいました。

この記事で興味を持たれた方はぜひ滋賀県にもいらしてください。
歴史ある古刹、豊かな自然、おいしい食べ物が盛り沢山です!

◆釧路グルメ巡り


しまった。
話が脱線しすぎて青函トンネルを通って本州に戻ってしまっていました。

北海道へ引き返し、話を釧路駅に戻します。

釧路駅

まず駅の観光案内所に寄り、釧路の名物を尋ねます。
(名物は事前に調べず、地元の人に聞くのが私の最近のスタイル)

おすすめとして挙がったのが、

炉端焼き
ザンギ
つぶ焼

そしてスパカツ

おっと、全然想像がつかない料理が現れましたね

とにかく教えてもらった料理をメモし、駅前の宿へ。
チェックインし、飲食店などで使える全国旅行支援のクーポンを発行します。やった、これで2000円分ご飯代が浮きました!

さて何を食べよう。

すっかり雲海が空を覆った冬の釧路の街。
雪が残る危なっかしい道を寒さに身を震わせながら歩きます。

3月の釧路市街


①ザンギ


「北海道といえば海鮮だけど、炉端焼きは明日行くしなー」
「寿司……? いやそれも違うな」

と繁華街を歩きまわりつつ夕食を何にするか即決できないでいた私の目に前に、メニューどころか何屋さんかよくわからないお店が
いい匂いがしたので、思いきって入ってみます。

鳥松さん

ザンギ屋さんでした。
ひとまずお通し代わりにザンギとビールを注文。

「骨なしザンギ」を「骨ありザンギ」と間違えて注文。
「ザンギ(骨あり)」食べてみたかった……

さくさくあっさりとした衣のザンギを味わいつつ、ビールをグビリ
ところがこのザンギの油とビールが燃料になったのか、私の中で変なエンジンがかかりました。

ようし、今日は揚げモンの気分だ!!

夕飯の方針は決まりました。
ボリュームたっぷりのザンギを平らげ、次のお店に向かいます。

そう……「カツ」を食べられるお店に。

②スパカツ


やってきたのは「泉屋本店」さん。
観光案内所で教えたもらったここの名物は……

\ ドンッッ!!!! /

スパゲティのトンカツのせこと、「スパカツ

昭和35年にこちらの泉屋さんで考案されたという、
釧路を代表するB級グルメです!

実際に運ばれてきた食べ物って、メニューの写真よりも量が少なく感じることってあるじゃないですか。

でもここは真逆のスタイル
想像を超えるボリュームたっぷりの一皿がテーブルにドカンと着地

唸る鉄板
はじけたソースが傍に置いたコップに血しぶきのようにこびりつく!

いただきます!

カツは薄めでありつつもこってり歯ごたえ。
パスタはもっちり太麺、鉄板で焼け焦げた部分はカリカリでご飯のおこげみたい!

できる限りゆっくり味わい、そして完食

おいしかったー……

満足感に浸りながらぐるりと店内を見渡します。

どことなく昭和を感じる調度品や装飾で彩られた店内。
暗い寒色に沈む窓外の街とは対照的にここは暖かくて。
暖色に満ちた店内で談笑しながら食事を楽しむお客さんたち。

この「泉屋」さんは、たとえるなら砂漠の泉
寒空の中、みんながほっと一息つける北国のオアシスなのかもしれません。

釧路の夜

店を出てホテルへと帰ります。
これで釧路グルメも今夜のところは満足です。

釧路の街を歩いていると、気持ちいい外気とともに様々なものが温まった体に吹きつけてきます。

関西では聞いたこともなかった街頭ラジオの声――

ああ、古めかしくて趣があるなぁ……。

漂ってくる磯と醤油の香り――

ああ、これも古めかしくて趣が


③つぶ焼き


シメは海鮮といこうか!!!

香りの元凶である「つぶ焼」の店に飛び込みます。

「かど屋」さん


はるばる北の大地にまで来た私にもはや恐れるものなんてありません
怖いのは預金残高ぐらいです。

つぶ焼
サザエのように身をねじってほじくり出します
貝の中に残る出汁もいただく

運ばれてきたつぶ焼の殻は熱いので、紙ナプキン越しに押さえながら爪楊枝でほじくり出します。

身はプリコリ
肝はもちザラ甘にが

出汁も余さずすすり……

ごちそうさま

満足です!

この後はまっすぐホテルに戻りました。
無料のドリンクバーでしっぽり飲みつつ今日のことを振り返り、明日の行程を確認した後、ぐっすりと眠りました。

ホテルのウェルカムドリンクバー
ビール以外のアルコールはだいたい揃っていました。

今回はここまでです。

次回は早朝に味わった釧路グルメと、そしていよいよSLです!

釧路名物「炉端焼き」
※今回一緒に紹介するつもりができませんでした……
SL冬の湿原号

次回⇒ 

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ここまで読んでいただきありがとうございました。
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