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「私のコレクション~宝物のエコー写真で手作りした小物たち~」

子どもの頃から収集癖があり、集めたコレクションは数知れず…。例えば、ビックリマンシール、切手、シルバニア、リカちゃん、コミックや絵本、文房具、インテリア雑貨(特に100均のもの)、CD、音楽誌、ラルクHYDEグッズ、新聞、すみっコぐらし等々…。出歩くより、インドア派なので、物欲が強いのかもしれません。部屋に自分で集めたコレクションを飾っておくのが好きなんだと思います。ものが多すぎて、もはや飾るというよりはダンボールに詰め込んでいるというのが正しい表現ですが…。実家の自分の部屋は倉庫状態で、歩けるスペースは一畳未満かもしれません…。

傘のオブジェ1
傘のオブジェ2

物欲の塊のような私が今、コレクションしているものはエコー写真グッズです。
20代の頃、ふいに同級生からエコー写真を見せてもらった時は、何がそんなに感動的なんだろうとその写真を愛おしそうにみつめる同級生の気持ちがよく分かりませんでした。生まれた赤ちゃんの写真ならともかく、エコー写真は基本的に白黒で、影のようにしか見えません。親からすれば宝物の我が子の写真に違いないわけですが、第三者として傍から見ると、どうしてもただの影にしか見えないわけで…。特に週数が早いエコー写真だと、点にしか見えなくて、お世辞にもかわいいねと言えなくて、対応に困ったことがありました。
そんな薄情で、母性の欠片もなかった私が、まさかエコー写真命になるなんて、夢にも思いませんでした。

写真を撮る時に必要な、持ち歩いているハートプレートたち

最初に我が子のエコー写真を病院でもらったのは2022年1月25日のこと。まだ5週後半~6週だったため、ほとんど胎のうしか見えず、我が子という実感はありませんでした。その時は写真より、リアルタイムで見せてもらった胎児(まだ胎芽)の心拍に感動しました。不安や戸惑いしかなかったけれど、自分と違う心拍が自分の胎内で刻まれているという事実がものすごい奇跡の気がして、我が子の心拍から目が離せなくなったことを覚えています。
 
新たな命の鼓動を見てしまったものですから、産みたい気持ちも芽生えましたが、事情で産めない可能性の方が高かったため、私は複数の病院へ通い、他の妊婦さんよりは多くエコー写真を撮ってもらいました。すぐにお別れしなきゃいけないなら、我が子が生きている間の、生きた証の写真をなるべくたくさん残したいと思ったからです。(普通は、お別れする前提なら逆に、そんなにエコー写真を撮ろうなんて思わないんでしょうけど、私は普通ではないので…。)
静止画に留まらず、動いている心拍の動画も撮らせてもらいたいと本気で考えましたが、それはどこの病院でも言いにくくて結局、頼めなかったので、後悔が残っています。

冷蔵庫に貼っているマグネットたち

お別れするまでの約2週間の間に、計12枚の我が子のエコー写真が手元に残りました。特に鮮明で人型に見えるのは、最後の2枚。傍から見ればやっぱり影にしか見えない写真でしょうけど、私にとっては誰よりもかわいいし愛しいと思える我が子の写真です。
産めていたら、子どもの写真はどんどん増えて、日々成長が更新され続けるから、エコー写真なんて忘れてしまう人も多いかもしれませんが、産めなかった私には唯一の我が子の写真だから、その2枚がかけがえのない宝物です。
手術の後も、直には見せてもらえなかったし、当然触らせてももらえず、遺灰も何も持っていない私が触れられる唯一の我が子の命の痕跡は、エコー写真だけ…。
エコー写真はフォトアルバムにまとめて、どこへ行く時も持ち歩くようになりました。

供養のため、最初に飾った写真

しかし、エコー写真は感熱紙だから劣化しやすいと知り、プリンターでスキャンし、データ化した上で、プリントし、何枚も同じ写真を作りました。
最初は供養に使うため、ただの写真立てに入れてみました。部屋に置くだけでは物足りず、やっぱり持ち歩くため、次は車のキーとカバンにつけるハート型のキーホルダーを作りました。推し活ブームもあり、いろんな手作りキットが100均で売られているので、これなら何でも作れるかもしれないと他のグッズも作り始めました。

ハート型のキーホルダーたち

例えば、マグネットやスマホリングで作ったオブジェ等…。キラキラの缶バッジホルダーの中に写真を入れるだけでも、エコー写真の表情が変わった気がしました。
ハート型のオーロラデコプレートにエコー写真を貼って、その小さなプレートを持ち歩き、空や花など我が子に見せたかった綺麗な景色と一緒に、新たな写真を撮影したりもしています。元の写真は変わり映えのない写真のはずなのに、背景が変わるだけでも、ちょっと違うエコー写真に見えるから不思議です。美しい景色と共に新たに撮った我が子の写真は、自分の部屋に貼り続けています。

部屋の壁に貼っている写真たち(ごく一部)

リースやミニ神社も作りました。自分の部屋は亡き子の写真で作った小物だらけです。とは言え、2.2センチで成長を止めてしまった我が子の写真なので、実寸大にしても小さく、何枚飾っても、場所を取りません。おかげで、100均で新たに我が子をかわいく飾れそうなキットをみつけると、即購入してしまい、アイディアさえ生まれれば、何度でもエコー写真グッズを作ってしまいます。

銀色の鳥居
赤色の鳥居

たぶん供養と、病んでいるのと、我が子を愛しく思う気持ちを抑えられないのと、いろんな感情が共存している証です。純粋な推し活のようにキャーキャーはしゃぎたいわけでなく、はしゃげるわけもなく、決して成長することはない我が子のエコー写真をこの目に焼きつけたくて、忘れたくなくて、愛し続けたくて、写真を駆使して、小物を作り続けているだけです。

ハート型スマホリングに貼った写真

我が子のエコー写真グッズなんて、他者には1ミリも需要はなく、完全に自己満足のために作り、コレクションしているものです。グッズを作るため、2枚の写真を100枚以上、プリントしたと思います。ハートのキーホルダーやデコプレートを手に持って、景色と共に撮影した写真も含めれば、我が子の写真はさらに多いです。

スマホスタンドとたまひよアクリルを使って

エコー写真グッズで寂しさや悲しみを埋めたいわけではなく、私はエコー写真を使って、我が子と共に歩みたかった未来、一緒に増やしたかった二人の思い出、時間を今、集めながら生きている気がします。

産めなくて悲しかったし、悔しかったし、せっかく私の元へ来てくれたのに、育んであげられなくて、追い出してしまって、申し訳ないと心底思ったから、せめて我が子の存在を忘れず、心の中で生かして、我が子のことを弔い、思い、愛しながら生きていくと決めたから、エコー写真グッズは私には必要な収集物です。自ら別れる選択を選んだくせにおかしいと誰にも認めてもらえない収集かもしれないけれど、亡き子を生かすために必要なコレクションなんです。

シェル型紙皿や天体型折り紙や天使の羽を使って

過去に集めたコレクションはどうでもいいと思えるし、自分が死んでも我が子のエコー写真だけは残ればいいと思ってしまいます。本当は、写真や小物じゃなくて、我が子の命そのものを残したかったけれど…。

藤のクリアポストカードの中に

エコー写真グッズをコレクションしている人なんて、きっと他にいないでしょう。第三者にとってはただのモノクロの影、私にとっては宝物の命が存在した証の輝いて見える写真。亡き子を愛でながら、暮らしてゆきます。

机の上にもたくさん

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