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寂しさの正体

BGM : Eitetsu Hayashi and Honeymoon : Cosmos
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ここ数日、ある一つのことを考えている。
それは年末に日本に帰るかどうか、と言うこと。
先日この記事 ( 家で、一週間の振り返りを〜 ) に書いたように。
それは迷いとして、ずっとずーっと僕の頭を占めている。

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朝、アラームの音で目を覚ます。
外を見るとまだ暗い。
ジョギングに行かなきゃ。

中々ベッドから出られない。
二度寝に落ちるか落ちないかのところ。
意識の中でぐるぐると色々なことを考える。
その時に、また日本に帰ろうか、どうしようかと考えた。
無性に家族に会いたいし、犬に会いたい。

その時に僕は "ハッ" とあることに気がついた。

『これは、ホームシックだ。 』

ホームシックに掛かるのは、始めてだった。
モントリオールに行った時、僕には遠距離恋愛をしていた彼女がいた。
その遠距離恋愛が楽し過ぎて、ホームシックに掛かる隙が無かったのだ。

そうか、これがホームシックか!なるほど!
原因が分かったぞ!
三ヶ月毎に帰るってか?そんなはずないよね!

原因が分かったからには対峙するだけだ。
負けないぞ!
僕はベッドから飛び出して走り出した。

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お昼過ぎに、Cafe OTO へ行く。
今日はファッションデザイナーの Ana が Cafe OTO に来ると言っていた。

Cafe OTO に着いて wifi に接続する。
Ana からメッセージが届いていた。
ついさっき、Cafe OTO を出たらしい。
なんだ、残念。
ちょっと遅過ぎたか。

気を取り直して。
今日は何を飲もう。
朝、コーヒーを解禁したけどまだ本調子じゃないから紅茶にしよう。

カウンターに行って紅茶を頼む。
いつもの女の子だ。
「今日もボランティアするの?それなら半額だよ」
「え、そうなの!?」
「多分・・・うん、多分そう」
そうだったんだ!? 初めて知った。

「ありがとう」
えーと、彼女の名前は・・・あれ、なんだったっけ。

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紅茶を受け取って席に着く。
あ、Mark がいる。
相変わらずテキパキとレコードを整理している。
僕はボーッとそれを眺める。

昨日 ( それぞれが、それぞれの人生を〜 ) 一月になったら Mark の仕事を手伝えないかって話しかけようって思ったんだ。
でも、なんかもどかしいな。
明日、もしまた彼がここにいたら、もう聞いちゃおう。

Instagram を開くと、先日僕が Lion Coffee + records で撮った写真がお店にリグラムされていた。
"リグラム" って、言うんだ。
初めて聞いた。

嬉しいな。また行きたいな。
そうだよ。
Cafe OTO に限らないで、どんどん音楽関係の友達を増やしていこうよ。


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Cafe OTO の閉店時間になった。
僕は今夜も Cafe OTO でボランティアをする予定。
でも、 ボランティアが始まる時間まで2時間ある。

僕は暗くなった街を少し散歩した。
新しいカフェが、無いかな。
でも、今日は土曜日だから、5時を過ぎるとどこも閉店している。

あ、となりのカフェが開いていた。
ここに入ろう。

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さて。

ここでも、僕はまだ悶々としていた。
今朝の気づきを経てもまだ、日本に帰るか帰らないか。
考えがぐるぐるしていた。

家族に会いたい。

例えホームシックだとしても、 何故それを我慢する必要があるんだろう。
60を超えた親、いつ死んでもおかしくない老いた愛犬。
彼らが死んだ時、僕はこの決断に後悔しないだろうか。

そもそも、僕は誰と闘っているんだ。

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決めた。
僕は一時帰国をしよう。
目の前のテーブルに Mac を開く。
以前から見ていたチケットを再検索した。

この時、僕の頭には一つの言葉がずっと漂っていた。
" Control your destiny or someone else will "
僕は、きちんと自分で決めて動こう。
自分の運命を、自分で動かそう。

何度も確認して慎重に、チケットを選ぶ。
一つ、" これ " というものを決めた。

決済の画面を進み、カード番号を入力した。
と、ネット決済のパスワードを間違えてしまった。

あ、また間違えてしまった。

あ、また。

何度も間違えたせいで、僕の決済はできなくなってしまった。




やっちゃった。




どうしようかな。




あれ。
僕の中にある思いが。
これは、安堵だ。
なんでだろう。



あ。


言い訳ができたからだ。
" 僕の決断じゃない " って言える口実ができたからだ。






おい。






危機感を持て。
そんなんじゃ一生自分の運命のコントロールなんてできないぞ。 

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