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詩たち

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#自由詩

詩📓「ダダコネ」

詩📓「ダダコネ」

20240930

うざったい愚痴を 仕事場でも 吐いてしまう人間になってしまったことを 後悔するよりも 今 ここで ストレスを溜めないほうが マシなのかも知れないから それはそれで ガス抜きの場所を 間違えないようにすれば良いとは思う ただ 自分の悪口が やがて首を締め付けるのだ その時になって嘆いたって 誰からも信用はされない 俺は誰かに 何かを言われたり やられなければ 何もしない そう み

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詩「」

詩「」

20240930

フラッペに殺された日常
不器用な夜を使いこなすために
スイーツを培養する液体を服用し
ニヤリと笑うしかない彼

パイの中に包まれて
眠っていた赤ん坊を抱いて
蛍光灯に掲げると
大変なことが起こってしまった

とてつもない泣き声が響き渡り
店のガラスが全て割れた
下にいた通行人の恋人たちが
ハート形に血を噴き出して死んでいった

なんの店だったのかも忘れた店内で
彼はフラッペと対

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詩「ぶつ切りのリオウ」👁️18

詩「ぶつ切りのリオウ」👁️18

20240916

「よう お前ら クソども 殺しちまうぞ
 どけ カナエって 女に 用が あんだよ」
リオウは村人たちを鋭く睨んだ
「カ カナエさんは 村の一番奥の家にいるよ」村人の一人が答えた

「うるせえ 俺の 顔を 見ろ! さあ お前ら 全員だ!」
そう叫ぶと リオウの身体中の火傷が紋様となり浮き出て来た
すると村人たちは一斉に叫び始めた
自身の内面の 最悪の悪夢が眼前に広がった

村人の

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詩「礫」

詩「礫」

20240917

ホームから見えたものが
鳥の礫死体だったのか 木の屑だったのか
コンビニのおにぎりの残骸だったのか
考えながら 電車を待っている

彼は目を閉じる 想像してみる
鳥が木の屑を咥えてコンビニに出かける
おにぎりを探すが好きな味がない
駅の反対のコンビニに向かう途中 電車に轢かれる

鳥は彼を見て(今日の予定が面倒だ)と思う
木の屑は彼を見て(良い服を着てやがる)と思う
コンビニは

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詩「切り札のジュン」👁️17

詩「切り札のジュン」👁️17

20240916

「想像よりも到着が早かったようですね
 一つ目の秘密は どうでしたか?」男は防護服を着ていた
「ああ 正直驚いているよ
 今までの人生は無意味だ」彼はモニターを見たまま言った

男が部屋の中に入っても 機械は何もしなかった
人間だとわからないように防護服を着ているようだ
この部屋の秘密を知っている人間 彼は興味を持った
誰であろうと 自分より物を知っている人間に話を聞きたかった

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詩「あほたれ」

詩「あほたれ」

20240915

あっそっすかって 右へ 右へ
傾けば左 促すピエロ
耳鼻科行けよ 聞こえてねえのか
この音 この声 この叫びがよ

あっそっすかって 痺れ 痺れ
蚊が刺したの 引っ掻く右手
しみったれたスーツ投げ捨て
この道 この顔 この瓦礫など

あっそっすか 良かったっすね
偉い 偉い 良く頑張りました
あっそっすか 凄いっすね
相槌だけ上手くなれば良いんだろ?

あっそっすか うざったい

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詩「幾つかのクロウ」👁️16

詩「幾つかのクロウ」👁️16

20240914

『生体認証を実行いたしました お帰りなさい クロウ』
遺跡の中から声が聞こえた
彼とジュンは辺りを見回してみたが
誰かが居る気配は無かった

洞窟の中にある小さな遺跡は 彼を確認すると動き始めた
民家ほどの遺跡が崩れ 中から鉄のパネルが四方八方に展開した
大きく開けた空洞を覆い尽くし 大きな鉄の部屋になった
その間 ずっと青白い光が放たれていた

「クロウが来たからこうなったん

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詩「ショートケーキ」

詩「ショートケーキ」

20240914

あと千円しかない彼は
娘にケーキを買ってやった
娘は大事に食べた
一口一口 いちクリームいちクリーム

一個が四百八十円くらいだった
まだ五百二十円あった
彼は煙草を買った
半日しか過ぎていないのに 今月の金がなくなった

次の日 娘は泣いた
お腹が空いて暴れた
暴れたら暴れるだけ お腹が空いた
彼はお腹を殴った 少しおとなしくなった

一週間 水だけ飲んだ
煙草はもうなくなっ

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