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UtaMochi/詩餅
2024年9月22日 21:35
20240916「よう お前ら クソども 殺しちまうぞ どけ カナエって 女に 用が あんだよ」リオウは村人たちを鋭く睨んだ「カ カナエさんは 村の一番奥の家にいるよ」村人の一人が答えた「うるせえ 俺の 顔を 見ろ! さあ お前ら 全員だ!」そう叫ぶと リオウの身体中の火傷が紋様となり浮き出て来たすると村人たちは一斉に叫び始めた自身の内面の 最悪の悪夢が眼前に広がった村人の
2024年9月17日 22:12
20240917ホームから見えたものが鳥の礫死体だったのか 木の屑だったのかコンビニのおにぎりの残骸だったのか考えながら 電車を待っている彼は目を閉じる 想像してみる鳥が木の屑を咥えてコンビニに出かけるおにぎりを探すが好きな味がない駅の反対のコンビニに向かう途中 電車に轢かれる鳥は彼を見て(今日の予定が面倒だ)と思う木の屑は彼を見て(良い服を着てやがる)と思うコンビニは
2024年9月16日 19:20
20240916「想像よりも到着が早かったようですね 一つ目の秘密は どうでしたか?」男は防護服を着ていた「ああ 正直驚いているよ 今までの人生は無意味だ」彼はモニターを見たまま言った男が部屋の中に入っても 機械は何もしなかった人間だとわからないように防護服を着ているようだこの部屋の秘密を知っている人間 彼は興味を持った誰であろうと 自分より物を知っている人間に話を聞きたかった
2024年9月15日 21:05
20240915あっそっすかって 右へ 右へ傾けば左 促すピエロ耳鼻科行けよ 聞こえてねえのかこの音 この声 この叫びがよあっそっすかって 痺れ 痺れ蚊が刺したの 引っ掻く右手しみったれたスーツ投げ捨てこの道 この顔 この瓦礫などあっそっすか 良かったっすね偉い 偉い 良く頑張りましたあっそっすか 凄いっすね相槌だけ上手くなれば良いんだろ?あっそっすか うざったい
2024年9月15日 19:12
20240914『生体認証を実行いたしました お帰りなさい クロウ』遺跡の中から声が聞こえた彼とジュンは辺りを見回してみたが誰かが居る気配は無かった洞窟の中にある小さな遺跡は 彼を確認すると動き始めた民家ほどの遺跡が崩れ 中から鉄のパネルが四方八方に展開した大きく開けた空洞を覆い尽くし 大きな鉄の部屋になったその間 ずっと青白い光が放たれていた「クロウが来たからこうなったん
2024年9月14日 19:31
20240914あと千円しかない彼は娘にケーキを買ってやった娘は大事に食べた一口一口 いちクリームいちクリーム一個が四百八十円くらいだったまだ五百二十円あった彼は煙草を買った半日しか過ぎていないのに 今月の金がなくなった次の日 娘は泣いたお腹が空いて暴れた暴れたら暴れるだけ お腹が空いた彼はお腹を殴った 少しおとなしくなった一週間 水だけ飲んだ煙草はもうなくなっ
2024年9月12日 19:54
20240912「お前なぁ せっかく出られたのに何で戻って来ちまうんだ 歓迎するわけがねえだろ 一つ目の男なんてよ 気味が悪くて仕方ねえ この村ではな 昔から 一つ目は悪魔だって言い伝えられてるんだ」彼はそう言われて 黙って立っていたジュンは不安そうに 立ち塞がる村人と彼を交互に見た「しかも妙な小僧連れてよ 誘拐したのか? そいつを食うつもりなんだろ? 一つ目」生まれ育った
2024年9月12日 19:21
20240912朝 目覚めると外が騒がしかったホテルを出て村の様子を見ると ドラゴンを繋いだ建物に人だかりが出来ていた彼はジュンを起こさずに そのまま様子を見に行った村長が彼を見つけて言った「ああ! 昨日の若いの 名前はたしか……」「クロウだ」建物を覗きながら彼は答えた「そうかそうか クロウさん 大変なことになった」村長は慌てていた朝 餌やりに入るとウロが苦しんでいたらしい
2024年9月12日 15:29
20240911彼はウロに付けられた苔を取ろうとして服を着たままホテルのバスルームに閉じ籠っていたジュンはベッドに寝そべりながらトランプをいじっていたタロット占いでもするように並べたり混ぜたりした着替えにはバラクサ特有の民族衣装をいくつか買ってきたジュンとお揃いの帽子も買って来たお気に入りの服たちはしばらく使えないだろう苔とにおいをとった後にクリーニングに出すつもりだ目を閉
2024年9月11日 19:31
20240911バラクサの村長は陽気でご機嫌な老人だった「良く来た良く来た どうしたんだ? そんな暗い顔して! 若いのに! そういう時ゃあ うちの藻を食うと良い! 元気になるぞ」彼は少し押され気味に答えた「ああ 食って来たよそれ 美味かった そんなことよりもほら 約束忘れてねえよな? ウロってドラゴンと話して良いんだろ?」「もちろん! 好きなだけ話していけ! そこのちっこ
2024年9月7日 19:38
20240906(今頃 リオウはどうしているかな?)バラサクのホテルの一室でジュンは考えていた(エミリさんの復讐をするのは良いけど 無茶して怪我でもしてるのかな?)ドアが開いた「どうした?」彼は買い物袋をぶら下げていた部屋にある机に置くと「食料だ」と言った「どうもしないよ ありがとう」ジュンは上の空だった「ついでにマフィアの連中に電話をしたんだが ヤバいことになった」「え?
2024年9月6日 19:07
20240906リオウはジュンに別れを告げた後迎えの車を待っていた勢いで飛び出したのは良いが 時間がかかるのはわかっていたなので レストランの近くにある古びたホテルに泊まった何もせずに次の一日を過ごした 腹が減ったらレストランに行ったやきもきしながら 迎えの車を待つしかなかった彼とジュンは今頃バラクサにいるだろう(一言でも謝っとけば良かったかもな)と 少し後悔していた二日目
2024年9月6日 13:30
20240906「ダメじゃない……リオウ 約束だったでしょ? 早く金を返してって言ってるの わかる?」冷たく言い放ったエミリはまだ十代だったリオウは借りた金を返せずに責められていたその頃のリオウは まだ火傷を負っていなかったギャンブルに溺れて 女に溺れて 酒に溺れて自暴自棄に過ごしている若者だったリオウはエミリを見つめると 弱々しく言った「いや 少し待ってくれよ あと少しな
2024年9月5日 19:12
20240905エミリの負った傷は想像より深く入院することになってしまった流石に部下たちへ言い訳をしなければならなくなり「短いが海へと旅行に行く」と伝えた病室で外を眺めた 街がよく見えた「アイツら大丈夫かな」独り言をそっと吐き出した「失礼 エミリさんはここに居るかな?」振り返ると そこには若い男が立っていた「はい 私ですが?」エミリは答えた咄嗟に悪い予感がした 男は笑った