詩たち

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詩「ジョウと彼女と大きな猫」

2020-07-08

巨大な塔のように聳える一匹の猫が居て
ジョウは家に帰ることが出来なかった
街は封鎖されて 猫が寝返りを打つたびに
高層ビルや 小さな家々が潰される音を聞いた

ジョウの恋人が その街に取り残されていて
そんな人々が まだ何百人も居て
ジョウは この猫が退くのを待って
猫を監視出来る 小高い丘の上の小屋に住んでいた

猫は 嫌でも目に焼き付いた
頭から離れず 夢にも出て来た

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詩「夏と彼」

2021-07-27

格好付けた夏服たちが
鬱陶しいほどに見つめてくる
彼はアロハシャツを着て
陽炎だけが見える道路を歩く

コンクリートに足を浸して
汗だくになりながら駅へと向かう
ホームでは やけに人が多くて
電車を三本ずらして乗る

線路がひん曲がって
空へと伸びて それから地面へと伸びる
飛んで宇宙へは行けないようだが
ジェットコースター代わりにはなりそうだ

登っては落ちて 積み重なる

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詩「アーティスト」

2021-07-23

秀才の 憂鬱食べる 天才を
食べるあいつは 枯れた凡才
嫉妬する 歯軋りの音 鳴り響く
屑の塊 それが大抵

履き捨てた ちり紙の山 燃えるゴミ
臭う生ゴミ それも凡才
嫉妬した 握り拳の 赤い痕
屑の悪びれ それで大概

秀才も 天才さえも 無駄遣い
凡才相手 疲れて死んだ
君だけに 向けた言葉が 寄り掛かり
屑だけの壁 崩して回る

「わかるだろ? 君にはきっと わかる

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詩「スクリーン」

信じても 信じられても 困るほど
人と人とは ほつれてしまう
脱獄の 容易な檻の 中でなら
寝そべる彼も 割と自由だ

投獄の 理由を聞けば くだらない
嘘をついても 信じる奴ら
泥棒の 懺悔を聞いた 泥棒は
次の盗みに それを実践

壁面の 映した野望 限りなく
鮨詰めの夢 膨らんだ欲
煙草吸い 張り付いたのは 唇と
苦い後悔 煙の涙

この檻の 部屋番号を 教えたら
誰か尋ねる 人はいるのか

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詩「ドラゴンの棲む森」

2020-12-20

ある日 僕は大きなドラゴンと会った
誰にも言ってはいけないと言われたので
誰にも言わないよう心に誓った
言わなければいけない誰かは元からいなかったけど

ドラゴンはとても退屈していた
最近は戦争もなくて 活躍する場所がないらしい
僕はそんなドラゴンの背中でくつろぎながら
平和がいかに貴重なものか話していた

次の日 ドラゴンに会いにいくと
そこには何もなくて ただ生い茂る草

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詩「ビデオ3の記憶」

2020-11-24

疲れ果てて迷い込んだ
着ている服はボロボロになった
複雑な迷路ではないはずなのに
あるはずの出口が見つからない

信じていたものから切り離された
彼は思い出を頼りに進んだ
見慣れていたはずの街並みが
歪んで 輪を描き 潰され 反転していた

ポケットから煙草を取り出して
咥えると 唇が切れていたことを思い出した
空気は冷たく澄み切っていて
火をつけると 煙の形が良く見えた

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詩「チャカとピストル」

2020-11-17

チャカはピストルを持って
ピストルに銃口を向けた
ピストルはチャカを持って
チャカに銃口を向けた

チャカのピストルには
弾が込められていなかった
ピストルのチャカには
5発の弾が込められていた

二人の間を張り詰めた空気が取り持ち
チャカとピストルはお互いを
古くからの友人のように知っていき
大切な存在にまで押し上げていった

しかし チャカは引き金を引いてしまった
撃鉄

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詩「彼がアンナに出来ること」

2020-09-22

水が滴り落ちて 地面に溜まっていく
ちゃぽんと鳴って 広がっていく
彼はその音を聞きながら 瞳を閉じている
ひんやりとした洞窟の中で 瞑想をする

しばらく経つと 一匹の鼠がやって来て
彼の太腿を一口食いちぎる
太腿の肉は鼠の腹の中で
彼を名残惜しく思う

鼠は洞窟から出て 素早く逃げて行く
彼の太腿の肉が消化される
鼠の脳に電流が走り 彼と繋がる
彼は鼠の姿になって 街へ

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詩「幸福な彼に祝福を!」

2020-09-22

彼は目覚めると 祝福を受けていた
父も 母も 妹も 弟も 拍手をしていた
全てのものが白く統一された部屋で
彼は 今日起こることに期待を寄せた

彼はまず コックの格好に着替えた
帽子のシワをピッシリと整えた
鏡を何度も見て 思わず笑みが溢れた
何にも変えられない 幸福を感じて

彼は家族と一緒に外へ出た
この街の摩天楼はみんなピカピカだった
一歩一歩を確かめるように
彼は

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詩「パグとバグ」

2020-10-30

パグは 窓の外の通りを見下ろした
車が 右と左に横切った
右と左に行った先に何があるのか
気になったが わからないので考えを捨てた

パグは 見下ろすのをやめて
馴染んだ部屋の中を見渡した
ソファの上に 一匹の小さな虫がいた
のそのそと近寄ると 前足で捕まえようとした

小さな虫は パグに余裕を見せながら
ぶうんと飛んでいってしまった
悔しくなって 飛び跳ねたり
駆け回った

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詩「シチメンチョウとハイビスカス」

2020-10-28

煌めく瞬きと フリルのスカート
シチメンチョウの羽毛は 気高く跳ねる
ハイビスカスは 彼女の頭の上で
羨ましそうに 不貞腐れている

水を飲み過ぎたヒヤシンスが
花瓶の中でもがいていても
そこらでたむろするパンジーが
何かわからないことを叫んでいても

ハイビスカスはいつまでも
シチメンチョウの上で揺れている
シチメンチョウの方はというと
ハイビスカスに気が付かない

しか

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