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旅と建築探訪記

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2021年5月の記事一覧

【建築】アトリウムに緑があふれるフォード財団ビル(ケヴィン・ローチ)

【建築】アトリウムに緑があふれるフォード財団ビル(ケヴィン・ローチ)

普段はマイナーな場所ばかり訪れる私であるが、ニューヨークでは、建築はもちろん、有名観光地もたくさん訪れた。
なんてったってあのビッグ・アップルである。定番で何が悪い! 自由の女神もメトロポリタン美術館もセントラルパークも場末感のあるダイナーも、何から何まで存分に楽しんでいた。

そんなある日の午後、私は42nd Streetを東に向かって歩いていた。
マンハッタンの真ん中を東西に走るこの通り沿いに

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映画ロケ地巡り × 建築(ロサンゼルス編)

映画ロケ地巡り × 建築(ロサンゼルス編)

シカゴ編に続く映画ロケ地巡りの第2弾はロサンゼルス。
ロサンゼルスと言えば映画の都であり、当然ロケ地も数多い。しかし私の場合、そもそもそれが目的の旅ではないので、今回も、ロケ地・映画いずれにも偏りがあることをご了承頂きたい。

ゲティ・センター石油王のジャン・ポール・ゲティが設立したゲティ財団による美術館である。彼はケチだったそうだが、少なくともアートにはお金を惜しまなかったようだ。
この美術館、

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【建築】さすが名門校! フィリップス・エクセター・アカデミー図書館(ルイス・カーン)

【建築】さすが名門校! フィリップス・エクセター・アカデミー図書館(ルイス・カーン)

日常から離れることの出来る"旅行"。そこには、限られた日数の中でスケジュールを詰め込む人とノンビリ過ごす人の2種類がいる。私は前者だ。
ある時、ボストンを旅行中に難しい選択を迫られた。フィリップス・エクセター・アカデミー図書館か、ホエールウォッチングかである。もちろん両方行きたかったのだが、タイトなスケジュールの中ではどう調整しても難しかった。悩んだ末、私はフィリップス・エクセター・アカデミー図書

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【建築】村上隆 in アストルップ・ファーンリ現代美術館(レンゾ・ピアノ)

【建築】村上隆 in アストルップ・ファーンリ現代美術館(レンゾ・ピアノ)

2017年5月、ノルウェーでピーター・ズントー建築巡礼とフィヨルド観光を終えた私は、首都オスロまで戻ってきた。日本への帰国まではまだ数日あるので、このオスロでも建築や美術館を巡ることにしたのだ。

オスロの主要産業は海事・海運業である。以前は造船所や倉庫などの大きな施設もあったようだが、近年、市街に近い地区では再開発が行われ、現代的な商業施設やマンションが立ち並んでいる。
アーケル・ブリッゲはその

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映画ロケ地巡り × 建築(シカゴ編)

映画ロケ地巡り × 建築(シカゴ編)

数年前、シカゴを訪れる機会があった。
私のシカゴのイメージは”建築の街”である。シカゴは1871年の大火を機に都市計画が整備され、現在では数百棟の高層ビルが立ち並んでいる。フランク・ロイド・ライトが一時期シカゴを拠点としていたり、ミース・ファン・デル・ローエはイリノイ工科大学の教授を努めていたため、彼らの建築作品も多い。
あるいは、かつてのアル・カポネをはじめとした”ギャングの街”というイメージも

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【建築】とても居心地が良いアアルト大学図書館(アルヴァ・アアルト)

【建築】とても居心地が良いアアルト大学図書館(アルヴァ・アアルト)

フランク・ロイド・ライト
ル・コルビュジエ
ミース・ファン・デル・ローエ

近代建築において巨匠と呼ばれる3人の建築家だ。彼らが設計した建物は建築の世界で革命を起こしてきた。だがその素晴らしさは、一般の人に必ずしも理解しやすいとは限らない。

フランク・ロイド・ライトは比較的分かりやすいと思うが、

コルビュジエやミースは微妙だ。彼らの建築は画期的だったが、何が「画期的」であったのかは若干の解説を

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