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イソップのクソ野郎が酸っぱい葡萄の寓話を書きやがったせいで、おれの抱く嫌悪は『嫉妬』『…

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イソップのクソ野郎が酸っぱい葡萄の寓話を書きやがったせいで、おれの抱く嫌悪は『嫉妬』『負け惜しみ』『反転した好意』などと他人から手前勝手な解釈をされるようになった

最近の記事

会話の健全性アセスメント概論

はじめに もはや言うまでもないことだが、会話は対人コミュニケーションの中核をなす営みである。 したがって、自分が相手に好印象を与えるか、または悪印象を与えて嫌悪されるかは、その時の会話がどれほど相手にとって好意的で、または健全なものであったか、といったことに帰着する。 とはいえ、その答え合わせがいつも即座になされるものとは限らない。 この世界には社交辞令というものがある。 つまり、たとえ相手が自分の発言で悪感情を抱いたとしても、表面上はそれを出すことなく、言葉や態度をも

    • 海へ行きたい

      なぜ人間は海を恋しがるか それはおれもおまえもあいつも  みんなそこから生まれてきたからだ 言ってみりゃおれらの地元なわけだ イクチオステガを知ってるか 祖先は海を泳いでたけども そいつは海から陸へ上がった 最初の脊椎動物なんだそうだ おれがもしイクチオステガなら 観光気分で陸に出かけはするだろうけど しばらくしたら海に帰るだろうな 『やっぱ地元が一番』ってなノリでさ

      • クリエイト系の世界、才能が非民主的なあり方をとるおかげで、才能を持たざる者が別の堅実な道を検討できるという点はあると思う 才能が民主化されたクリエイティブ業界としてYouTuberを挙げることができようが、たとえばSyamu_gameなんかがその悪しき帰結なのではないか

        • 無知を脱しても恐怖には効かないかもしれない

          恐れは常に無知から生ずるとは言うけども、それは恐怖は知があれば克服できる・あるいは無縁でいられる、というだいぶ荒唐無稽な理屈を暗に含んでるように思える 知というものをあまりにも買い被りすぎている、そう思うのは私だけか ありとあらゆる事象をどれだけ勉強したりリサーチしたってどこかしらに得体の知れなさは残り続けるものだ それが往々にして恐怖の芽になる 人間は自分自身のことさえ完全に解き明かせないというのに、それが自分以外の何か相手ともなれば尚のことだ 恐怖をかけらも抱かずにい

        会話の健全性アセスメント概論

        • 海へ行きたい

        • クリエイト系の世界、才能が非民主的なあり方をとるおかげで、才能を持たざる者が別の堅実な道を検討できるという点はあると思う 才能が民主化されたクリエイティブ業界としてYouTuberを挙げることができようが、たとえばSyamu_gameなんかがその悪しき帰結なのではないか

        • 無知を脱しても恐怖には効かないかもしれない

          ゲームきっかけで共通の友人の友情がぶっ壊れた話

          ゲームは友情を育むツールにもなれば、それをぶち壊すツールにもなる。 マリオブラザーズを遊んだことのある方ならお分かりいただけるだろう。 ヘマをした友人に腹を立て、いつしかクッパ城の攻略そっちのけで目の前の人間とボコスカド突きあっていた、といった具合だ。 人と人との間に勝ち負けが生まれるゲームなら尚更だろう。 私の高校時代の恩師曰く『スマブラでネスを使う奴とは絶交しろ』とのことである。 彼はそれきっかけで友達を一人無くしたらしい。 幸いにも、私はそのようにゲームで友人と仲

          ゲームきっかけで共通の友人の友情がぶっ壊れた話

          猫ミームが嫌いな理由を言語化する

          最近流行っている猫ミームだが、嫌いなのでなるべく目に入れないようにしている。 何となくで流行りに逆らう逆張りキショ野郎の謗りを受けるのは本意ではないので、その嫌悪感の理由を言語化しておきたい。 都合よく解釈される猫たち このミームの登場人物としての猫は、実際に存在する動物の映像からの切り抜きである。 それにダンスをさせたり喋らせて寸劇を演じさせたり、といったものがミームの基本様式になる。 そこでは、元になった動画における猫の仕草の文脈は捨象され、面白さを表現するという

          猫ミームが嫌いな理由を言語化する

          公立中学の話

          私の実家近辺にはたくさんのクリニックと法律系事務所と公立大学があり、太い県道に区切られた南側には古い団地街があった。 中学の校区はそれを跨いで広がっていたので、生徒の間では2つ以上の階級が混じり合う空間が形成された。 あえて俗な言い方で表現すれば『育ちのいい』ガキと『育ちの良くない』ガキのるつぼだった訳である。 それらが混じらう空間を統率する際の帰結としてなのだろうか、生活を縛る諸々の規則の内容や観念は『育ちの悪い』連中本位のものへと傾斜していき、先公連中はより権力を振り

          公立中学の話

          『やりたいことで社会にコミット!(キラキラと輝く眼差しで)』〜私なりの就活論〜

          大学生活3年目ともなると、就活の話がそこかしこから聞こえてくる、あゝ気が狂いそうだ。やだやだ 今日も今日とてハナクソでもほじくりつつキャンパスを歩いておりますれば…ほうら居ましたよ、『やりたいことを生かして社会で輝きたい!』と潤む瞳で熱弁する学生。 『やりたいことを生かして社会で活躍』…何度聞いても乾いた笑いしか出て来んフレーズですよ、はい。 包み隠さず言えば、やりたいことを仕事にして人生がバラ色のまんまの奴なんかほんの一握りでしょうに。多分これ、YouTuberとかが

          『やりたいことで社会にコミット!(キラキラと輝く眼差しで)』〜私なりの就活論〜

          Y字ドライバーを買え、そんでもって壊れたSwitchを分解しろ

          『剥がすと保証対象外になります』と書かれたステッカーをカバーに貼る、普通の家では見つからないような形状のネジを使う、接着剤や溶接での接合など、デバイスを破壊せずには分解できないようにする… このように、内部構造へユーザーがアクセスすることを拒む製品はままある。 分解したら不利益があるぞ、物理的に分解させないぞ、使い続けたいならお客様サポートセンターに電話しろ、それが手間取るなら新品を買え…といったふうに、ユーザー自身に『修理』をさせないためならば、あらゆる手段を使う。

          Y字ドライバーを買え、そんでもって壊れたSwitchを分解しろ

          『赤ちゃんは親を選んで産まれてくるんだよっ♡』

          親に熱湯を浴びせられて火傷を負い、苦しんでいる妹のために5歳の兄が近所に助けを求めに走った、というニュースを耳にした。 このような胸糞悪い虐待事案・毒親との確執のエピソードを聞くにつけ考えることだが、『赤ちゃんは親を選んで産まれてくるんだよ✨』といった言説は、クソ益体もないまやかしに過ぎない。 仮にそれが本当ならば、その虐待親は今頃不妊症に苦しみ、イーロンマスクは一億つ子くらいの子宝に恵まれた暮らしを送っているはずだろうが、当然のことながらそうはなっていない。 理不尽な

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          経口型宇宙船に乗って時空旅行 抗ヒスタミン剤と風邪薬とスト酎のカクテル号

          仰々しいタイトルであることは重々承知の上である。 要はストゼロと風邪薬(有効成分:デキストロメトルファン)と鼻炎薬のカクテルでキマったまんま寝た時に見た光景を記す、そんな夢日記である。 4本立てでどうぞ。 強制親離れ体験 ある日両親が、いやに改まった態度で俺に向かい合う。 親父がこう切り出した。 『お前はもう大人だ、だから我々にしてやれることはもうない。仕送りも今日を以てカットだ』 ショックで崩れ落ちる俺。この先どう生きればいいのやら。 『だが、我々はあなたのことを今

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          大学の入学式で貰ったパキラが枯れた

          大学入ってから私の学生生活を見守り続けてくれていた鉢植えのパキラが枯れた。 入学式の時に大学から貰ったやつだ。 何気なく本棚の上を見やると、茶色く変色してカリカリに干からびた彼の姿があった。 もういくら水をやっても、息を吹き返すことはない。 ああパキラ。私の学生生活のそばにいつも居てくれたパキラ。 友達を下宿に呼んで騒ぎ明かした夜。 訳のない希死念慮の海に溺れた夕暮れ。 免許試験に落ちて泣きながら発狂した昼下がり。 いつでも彼は私を無言で見守り続けてくれた。 コロ

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          STRONG ZERO

          酒は人を詩人に変える 酒に逃げた人間は逃避元の憂世に そして逃避先の桃源郷に詩を寄せる 飲んだ酒は喉から胃へと下る しかし悲喜交々は喉をせり上がり 溢れ出すその出口は唄うたいの口である ─────────────────────── また至らぬことを口にしたのではないか 目も当てられぬ醜態を晒したのではないか もはや取り返しは付かぬのではないか ならばもう死ぬしかないのでは 後悔と自己批判の夜が始まる予感 閉塞と陰鬱に取り込まれる悪寒 そんな僕に福音をもたらしたのは ス

          中秋の名月

          『月が綺麗ですね』 文字通り月を讃えるこの言葉は、益体もない文脈の付加により、今日では恋人への愛を語るイディオムと化している。 こうなったのは古の文豪の戯言のせいか、はたまたインターネットに渦巻く紊乱風紀の仕業か。 燦然と輝く月を眺め、野良犬のションベンの臭いを嗅ぎながら一服、神聖な光を俗な煙で穢す快楽を覚える。 初秋の夜風の中、秋の虫たちがリンリンとけたたましく鳴いている。 お前らの演出などなくとも、私の人生はいつも秋冬モノだ、馬鹿野郎め。 この中秋の月の下、一体幾人

          中秋の名月

          『いぃ〜!!にぃ〜!!りぃ〜!!ひぃ〜!!みぃ〜!!』

          阪急電車の車内での私の気持ちのいい午睡は、突如子供が上げた、上記のような奇声によってぶち切りとなった。 『にぃ〜!!ちぃ〜!!いぃ〜!!』 頑なにイ段に執着する子供の奇声は、治るどころか一層激しさを増していく。 電車は丁度西京極を発車したところで、私が降りる駅は京都河原町。 周囲の状況や残り時間からして、二度寝は絶望的だ。 『みぃ〜!ぢぃ〜!きぃ〜!』 肝心の親はというと、この小さきシャウトの主の声を窘めることもなしに、小鳥相手にそうするかのようにちゅちゅちゅと唇を鳴

          『いぃ〜!!にぃ〜!!りぃ〜!!ひぃ〜!!みぃ〜!!』

          自分の人生を生きることなんて出来んよ

          「他人の人生生きるなんてもったいない!みんな自分の人生を生きなよ!そしたら充実するよ!」 何とまあ鼻につく、歯の浮くような文言であることよ。 自分の人生を生きるということはすなわち「誰かの評価を気にしない」ということなのだろうが、そんなやり方を私は知らないし、実際問題不可能だとさえ思う。 承認欲求は人間に自然と備わる欲求であり、それを満たすために行動した人間は有史以来ごまんと居るのだろうが、SNSの普及した現代においてそれが急激に顕在化したのだと考える。 SNSは必ずしも

          自分の人生を生きることなんて出来んよ