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感想

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本、映画、観劇など、感想をまとめてます。
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鳥の演劇祭15 「老貴婦人の訪問」の感想。

鳥の演劇祭15 「老貴婦人の訪問」の感想。

屋外の特設ステージで行われた「老貴婦人の訪問」をみた。
19:00 開演、この時期はもうすでに辺りは暗い。
道標の灯りにたくさんの虫が集まっていた。

正義とか罪とか、大衆の力について考える。

クララが 17歳の娘だった時にこの町でみつけた美しさと失ってしまったものを、お金の力で取り戻そうとする姿は、歪んでいるけど純粋であるように感じた。後半、森の中でのイルとの会話の場面でそう感じた。町や周囲の

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ジグシアターで見た「セノーテ」と「カナルタ」の感想。

ジグシアターで見た「セノーテ」と「カナルタ」の感想。

数日前にジグシアターで見た「セノーテ」と「カナルタ」。
シャワりながら急に感想が浮かんだので書き留めとく。
思い浮かんだままであまり推敲もせずなので雑な言葉で失礼します。

『異国の他文化を映像作品にする』という意味では似ているのかと思ったけど、結論ぜんぜん違うものだった。

セノーテの感想セノーテは現地の人の記憶や伝承も合わさって、抽象的な映像と音に「あらゆるものの視点」を見た感じがした。

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鳥の劇場で見た「イワンのばか」の感想。

鳥の劇場で見た「イワンのばか」の感想。

鳥の劇場で演劇「イワンのばか」を見た。
タイトルは知っていたけど、原作を読んだことはなかった。
話の概要も知らないまま足を運んだ。

感想一幕はコミカルでテンポもよく楽しく見ていた。休憩時間にスキップなんてしてしまったけど ( 私が )、二幕になってシリアスさが顔を出す。

ひどい仕打ちに、老婆の『どうして…』というセリフが虚しく響く。
一幕の楽しい雰囲気との落差で、悲惨さが一層強くなる。

みん

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子どもの宇宙 つづき

子どもの宇宙 つづき

「子どもの宇宙」で言いたいと思っていた続きを思い出した。

(文章を書いたり、喋ったりしていると、結局何を言いたかったのか分からなくなることがよくある…)

5 年前、この本を読む至った経緯は「自由について考察せよ」というような課題が出たからだったと思う。

けど、なぜこの本を手にとったのか。

子どもは自由だと思っているのか?
というと、そうじゃないと思う。
それは、自分が歳を重

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子どもの宇宙

子どもの宇宙

梅酒が美味しくて、1 人で夜な夜な飲んでいる。

古い HD から 5 年前の課題をみつけて、当時読んでいた河合隼雄さんの「子どもの宇宙」(1987 年第 1 刷発行)を読み返した。
冒頭を引用。

この後、文学書や実例などを用いて、話が進む。
正直、第 1 刷が 1987 年だったので、古い本だと思っていたけど、今でも全然違和感なく読める。(実際 2017 年 2 月に 第 53 刷)
違和感な

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日本のいちばん長い日

日本のいちばん長い日

1967年公開の映画「日本のいちばん長い日」をみました。

あらすじ

昭和天皇や閣僚たちが御前会議において降伏を決定した1945年(昭和20年)8月14日の正午から宮城事件、そして国民に対してラジオ(日本放送協会)の玉音放送を通じてポツダム宣言の受諾を知らせる8月15日正午までの24時間を描いている。 (wikipedia日本のいちばん長い日 より)

内容はぜひ映画をみてください。
ノンフ

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『この生命誰のもの』感想

『この生命誰のもの』感想

開演して真っ先に目に飛び込んできたのは、天窓越しに見える青々とした木。その下に静かにベッドに横になる男性。
その2つが静かな白い空間で対照的だなと思っていると、2人の女性が入ってくる。

口を開くと、案外男性は明るく、毒も吐く。その中に絶望のようなものも潜む。

前半、江間先生と早田のやり取りに違和感があり、『時代設定はいつだ?』ということが気になった。現代の日本なら江間先生の治療の進め方

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