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気候変動問題の盲点④:電気自動車(EV)が環境に悪いって?ウソつけ⁉

全自連の会長として豊田章夫トヨタ社長が、日本の車両400万台がEVに代わったら原発10基か大型火力発電20基を増設しなくてはならないことを冷静に報道してほしいと訴えている箇所に動画を合わせていますので、是非、ご覧になってください。

✅電源構成で違うEVの環境貢献度

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二酸化炭素の排出を削減するためにガソリン車から電気自動車にという動きが加速しています。

既にイギリスでは2035年以降にガソリン車・ディーゼル車の販売を禁止することを決定しています。ドイツは2030年、フランスは2040年の禁止です。

電気自動車の方が環境に良いという風にみんな感じていると思うのですが、これもいろいろな考え方があり、多様な意見に耳を傾けてみる必要がありそうです。

これは、国立環境研究所を出所にした電気自動車に変えた場合の二酸化炭素排出削減効果のグラフです。

このグラフを見て「どうして、国によって二酸化炭素の削減率に差がでるの?」と思いませんでしたか?

このあたりが環境問題を考えるときのややこしさです。

「電気自動車の方が環境にいいんでしょ?」それは間違いないと思うのですが、ガソリン車と比較してCO2排出が「90%削減」の国と、「15%削減」の国では事情が随分違いますよね。

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この資料は2008年の情報で随分古いです。国によってどうしてガソリン車を電気自動車に変えた時の効果が異なるのかの解説として見てください。

電力の源が何から来ているのかで、二酸化炭素の排出量が異なります。

水力発電、原子力発電は、二酸化炭素の排出が少ないので原子力発電の依存度が高いフランスは単位電力当りのCO2排出が少なく、水力発電が多いカナダも排出原単位が低くなっています。

2008年の時点では、イギリスやドイツは日本よりも沢山排出していましたが、今では日本を下回っています。

日本は、2011年3月の福島第一原発事故で一時期原子力発電を電源構成から失い火力発電を増やして電力を賄いましたから、非情にCO2原単位の高い国になっています。

化石燃料を燃やす火力発電においても、使う燃料によって排出量が異なります。

石油は、天然ガスよりも二酸化炭素排出量が多く、石炭は石油よりも多いのです。

✅もはや電源構成後進国の自覚が必要

石炭火力発電の依存度が高い中国では、電気自動車の充電に使う電気を作るのに沢山二酸化炭素を排出するので、フランスに比べて電気自動車への切り換え効果が出ないのです。

電気自動車は、走行しているときには、充電されたリチュウムイオン電池からの電力で走行しますので、ガソリン車のように二酸化炭素を排出することはありません。

だけど、充電する電力を作るときには、二酸化炭素を排出します。

示したデータが2008年と福島第一原発事故前の数字だったので中国の火力発電比率が日本よりも高いと示しましたが、最近のデータで見れば、日本の方がよほど遅れた国になっています。

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このグラフは電力供給力なので、再エネの能力通りの電力が供給できているかというと、再エネは不安定(太陽光なら夜は発電できない、風力なら風が吹かないと発電できない)なので蓄電のしくみがないと能力どおりには電力供給ができません。

そのため中国も実態としての火力依存度が10%ほど増えるのですが、いずれにせよ日本は負けています。

次回は、生産から廃棄まで車のライフサイクル全体(Well to Wheelの考え方)を見ていきましょう。

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