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キャリアプランは必要ない?一歩踏み出す勇気を持つ。【アラフィフ幸せ図書館】

『その幸運は偶然ではないんです!』
帯には『キャリアプランはもういらない!」と書かれています。
邦題がスピリチュアル系?テイストになってしまったのが残念だなあ~とは思うのですが(笑)。私の好きな【計画的偶発性理論】(プランドハプンスタンス)に関する書籍から。

アメリカの心理学者・スタンフォード大学教授でキャリアカウンセリング理論の第一人者であるJ.D.クランボルツ氏、その弟子であるA.S.レヴィンによる『Luck Is No Accident』の日本語翻訳(意訳)版です。


クランボルツの計画的偶発性理論(プランドハプンスタンス)という言葉は、心理学やキャリコン学習者には説明不要でしょう。
この本は、計画的偶発性理論を知らない一般の人であっても、自身のキャリアを考え、この理論を活用できるようにと書かれたもの。多くの『普通の人々』の事例を紹介し、それぞれがどのようにして目の前に訪れた『偶然』を転機として活かし、行動し、学び、現在のキャリアに至ったかということを、エピソードを振り返りながら解説しています。計画的偶発性理論に関する難しい記述は一切なく、ひたすら何十人もの事例を紹介・解説する本です。エピソードの合間には、読者へ質問形式で、自身について考えさせるワークがいつか挿入されています。それにより、読者が本書を読み進めながら、自分自身の状態を確認し、一歩前へ踏み出させるような構成になっています。

事例紹介が延々と続くため、私は、長いなあ~と苦痛を感じてしまい(笑)、途中を飛ばしながら読んだのですが、多種多様な職業や環境下でのケースを参考にしたいと思っている方には、サンプル数がとても多く役立つとことと思います。また、ワークでは『やらない言い訳』を突き詰める効果があるので、もやもやとしていた方には行動する勇気を与えてくれそうです。
アメリカと日本では転職をとりまく環境やカルチャー、企業・労働者の価値観が同じではないので、日本国内ではなかなか『そうはいかないでしょう』という事例もあり、そこは翻訳書ならではの欠点ではありますが。

何が起こるか先の見えないこの時代において、計画したとおりに滞りなくキャリアを形成し、予定した通りの職業人生を終えることは、もはや誰にとっても困難な時代になったといえます。だからこそ、ある日何かが起きたときに、常にオープンマインドでポジティブに対応すること、行動してみること、そして、それらに備えるために好奇心をもって学び続けることの大切さを教えてくれています。

私自身、クランボルツに出会うずっと以前に、『計画された偶然』によって、全く予想もしなかった道を歩んできました。大変な出来事も、たくさん経験してきましたが、過度に悲観的にならず、予定変更したり、一歩踏み出すことにはあまり躊躇しなかったなと振り返っています。
それらの経験があるからこそ、学びや仕事に対して『まずはやってみよう。ダメだったらそのとき考えよう』と、いつも楽観的で柔軟な自分でいられるのだと思います。これから先も、きっと色々なことが起こるでしょう。その時々、『なるようになるさ』の精神で、人と比べずマイペースに歩みたいと思っています。




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