見出し画像

仕事ができるからといって、他人を攻撃・貶めても許されるのか?

『だけど仕事はできるから』

こんな記事のタイトルが目にとまった。(会員登録していないので、イントロダクション部分までしか読めなかったが)最近、会社でこの手のキャリア相談が続いていたので、思わずリンクをクリックしてしまった。

「だけど仕事はできるから」 同僚に攻撃的な人を許しているのは誰?:朝日新聞デジタル (asahi.com)

攻撃的な言動で他人を不快にさせる人。それが同僚ならまだしも、上司だったら、本当に最悪である。
そういう人のことを、そもそも『仕事ができる人』『優秀な人』と呼んでいいのか?という問題。。。たしかに、その通りだ、とあらためて思った。組織において、また、部下を持つ人間の【仕事】とは、一体何ぞや?ということでもある。


部下から見て、上司のどんなところが尊敬できない・信頼できないかといえば、周囲で散見されるものでぱっと思いつくのは、こんな↓感じだろうか。

(1)仕事(実務)
指示を出さない、指示が曖昧、最初に言ったことを簡単に翻す、どうでもよい枝葉末節にこだわる、揚げ足を取る、現実的でないスケジュール・分量で仕事を投げる、部下を振り回す、等

(2)管理職としてのスキル
決断力やリーダーシップの不足、部下の意見・アイディアを聞かない(聞けない)、目先の数字(結果)だけ見ている、部下・チームを育てる気が無い、自分の上役の顔色ばかり窺う、褒めずに叱ってばかり、等

(3)人間性
暴言・暴力行為、感情的でその場の気分で動く、私情を持ち込む、人としての常識・マナー欠落、明らかな人間性の欠陥、等


(3)はもってのほかだと思うが、実は今の会社では暴言被害者が結構多く、これには転職してから驚いた。難しいのは、『教育・指導』という名目のもとに、暴言が許容されており、会社自体にマイルドにブラックな雰囲気があること。社内の価値観・パワハラ(モラハラ)基準がちょっと狂っているなあと感じている。恵まれた大企業ゆえに転職経験者も少なく『自分たちの職場(会社)がちょっとおかしい』ことに多くの社員が気づかないまま。(いやいや、それでもちゃんとしてる会社の方が多いはず。)
そして、偉い人達も同様、社歴20年以上の人ばかり、ずっと同じメンバーで固定化しているため、なあなあ&コンプライアンスチェック機能が事実上働いていない。(コンプラ研修は行われているはず。一体どうなってるの??) 結果的に、全社的にパワハラ・モラハラ行為が許容されているという、大企業ではいまどきレアなケース。

上司の上司、あるいは人事部門に訴えると、さらにひどいことがあると社員が何となく分かっているため、問題解決への行動を起こしたがらないのである。人材会社での仕事と自身の複数回の転職を通じて、多くの職場と労働者を見てきた私の立場としては、相談者の話を聴きながら心の中で叫ぶ。

『いや、それ、普通の会社ではパワハラ(モラハラ)って呼ぶから!』

すぐにでも改善できるよう導いてあげたいという気持ちでいっぱいだが、『今は、必要ない』『まだ誰にも言わないでほしい』と言う社員が少なくない。被害を訴えた場合のリスクを危惧して我慢しているらしい。この会社にきて、まだ日も浅いが、メンタルを病んで休職している社員は、割合的はやはり多めだと感じている。(残業の非常に多い職種であることも原因しているが)

仕事で優秀な上司が、人間的にも素晴らしければ申し分ないし、そういう人ももちろんたくさんいる。が、残念なことに、人格に問題ある者も一定数いる。そういう輩が出世してるのもタチが悪い。

好待遇の給与や条件に恵まれても、不幸にもブラック職場・上司にあたってしまった場合に、それでも簡単には転職を選べない気持ちもまた、分からないでもない。転職先の会社では、今よりも条件が劣る場合がほとんどだろう。一流と呼ばれる大企業社員であればあるほど、我慢して留まり、病んでしまうのかもしれないとも思う。

誰にも言わないでくれと言う社員に、カウンセリング最後に、またいつでも相談してねと言いながら、せめて、最後に必ず伝えるようにしていることがある。『あなたの尊厳と、健康、命を守れるのはあなただけ』だよ、と。

私は、自身の尊厳を貶めたり、傷つけようとする者を許したくない。
もし、自分だったら…と、いつも考えてしまう。