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【風呂酒日和19-2】 居酒屋せんて

【風呂酒日和(フロサケびより)とは】
どこかで銭湯を見つけると、つい寄り道したくなる。
銭湯から出ると、つい一杯飲みたくなる。
そんな私がふらりと立ち寄った、心と体とお腹を満たす、銭湯と居酒屋をまとめたマガジン。


金春湯から目と鼻の先、大通りから少し入ったところにある大きくひらがなで書かれた「せんて」の文字。

入口の引き戸は網戸になっていて、中からは気の良さそうなおじさんたちの声が聞こえる。おそるおそる戸を開け「一人です」と言って入場。
これだけ一人で飲み歩いているのに、未だにこの入店の瞬間はおどおどと挙動不審になってしまう。

席に着かぬうちからおしぼりが現れ「はい、何にする?」と奥さんに聞かれる。
またいつものノールック瓶ビールパターンである。
荷物をおろしていると、秒速でビールとお通しが運ばれてきた。早い。

L字のカウンターの一番手前側、短辺の席を陣取る。カウンターの短辺は近くに人が来ないことが多く、なんちゃって貸切を味わえる。私のようなすみっこ暮らしタイプには嬉しい席だ。

長辺側のカウンターには「俺らイツメンだから」と調子よく話す数名のおじさん。一人だけ若めの人が混ざっていて、おじさんたちからなんだかいじられている。
彼も含め、おそらくイツメンなのだろう。

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