【風呂酒日和46-2】 想い出マグロ(おもいでまぐろ)

【風呂酒日和(フロサケびより)】
どこかで銭湯を見つけると、つい寄り道したくなる。
銭湯から出ると、つい一杯飲みたくなる。
そんな私がふらりと立ち寄った、心と体とお腹を満たす、銭湯と居酒屋をまとめたマガジン。

【風呂酒日和】〜ついでのお風呂、のついでのお酒〜｜日野笙 / Sou Hino｜note

さてどこへ行こう。

大満足の一の湯を出てから、駅前の方に歩いていくと、ぽつぽつといい気配の小さな居酒屋が見えてきた。

よい。
だが、どこもこじんまりとしている分、中の様子があまりわからない。
相変わらずの逃げ腰モードを発動させつつも、どこかないかな…とうろついていると、ある文字が目に止まった。

「歓迎！一人マグロ！」
木製の看板に魚の絵と共に私を誘う魅惑の文言。
魚好きお一人様の私はその一言に背中を押され、はい！一人マグロです！と言わんばかりに扉を開けた。

扉を開けてすぐ目の前のカウンターには、常連と思わしきお兄さんが一人。
その向こうから「いらっしゃい」と店主の声がする。
お好きな席にどうぞとのことだったので、端っこのベンチ席へ。