【風呂酒日和140-3】 いなほ

【風呂酒日和(フロサケびより)】
どこかで銭湯を見つけると、つい寄り道したくなる。
銭湯から出ると、つい一杯飲みたくなる。
そんな私がふらりと立ち寄った、心と体とお腹を満たす、銭湯と居酒屋をまとめたマガジン。

【風呂酒日和】〜ついでのお風呂、のついでのお酒〜｜日野笙 / Sou Hino｜note

「いらっしゃいませー！お一人ですか？」

「はい」

そう言うと入ってすぐ左手のカウンターに促される。

さて、どうやら今夜もやってしまった模様です。帰るぞ帰るぞと思って城家を出たというのに、賑やかな灯りに誘われて斜向かいにあった「いなほ」に吸い込まれてしまった。

だんだん自分の癖がわかってきたぞ。やはりロビールがよくないのかもしれん。というか、きっと飲むスピードだ。
最初の一杯をごくごくと結構な勢いで飲んでしまうとどうやら次の一杯もはずみでサラサラと飲んでしまうらしく、そうなるとほどほどに酔っ払っているというのに心だけがもうちょっと飲みたくなってしまう。
空腹の時にスーパーに行くとなんでも美味しく見えてしまう「目が食べたい」の状態と近いかもしれない。

「おしぼり、あったかいのと冷たいの、どっちがいいですか？」