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【前編】エンドレス24時間パックが生んだマルゴの悲劇


私は学生時代、漫画喫茶とゲームセンターが合体したような複合型アミューズメント施設でアルバイトをしていた。

女子高生のパンチラをわんさかとプリントアウトする輩がいたり、下半身丸出しでトイレの清掃に来るスタッフを待ち構えているおじさんがいたり、とんでもないアミューズメント、いやアクシデントが巻き起こる施設だった当時の話を先日ここにも書いたが、そういえばもう1つ、ある大きなミッションを遂行した日のことを思い出した。
それは施設を家化するお客さんを出禁にした話である。


その施設には、様々な料金プランがあった。
基本的には15分の基本料金で自動で加算されていくのだが、ある程度滞在するのが決まっている場合はちょっとお得なパック料金がある。

3時間パック、5時間パック、12時間パック、そして24時間パック。
24時間パックって。丸一日じゃないか。
働いている私達だってそんなに長い時間いない。
私は一体誰がそんなパックを利用するんだろうと思っていた。

店には数人で来店し、卓球やカラオケ、ビリヤードなど色々と遊ぶものを変えて楽しむ人もいれば、1人で来店してインターネット利用や漫画を読む、映画を見る、または始発を待ちながらちょっと寝るなど、深夜に入店し朝退店していく人もいる。
それでもさすがに24時間滞在する客はなかなかいなかった。


そんな中「24時間パックの客」はある日突然やって来た。
女性の2人組で、ちょっとふっくらした女性と、痩せ型の女性。
年は20〜30代くらいだっただろうか。化粧っ気もなくなかなか年齢不詳な服装や髪型だ。

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