見出し画像

【風呂酒日和131-2】みず穂(みずほ)

【風呂酒日和(フロサケびより)】
どこかで銭湯を見つけると、つい寄り道したくなる。
銭湯から出ると、つい一杯飲みたくなる。
そんな私がふらりと立ち寄った、心と体とお腹を満たす、銭湯と居酒屋をまとめたマガジン。


よし、今日はここに行ってみよう。
荒井湯を出た私はいつものようにマップを見てお店の狙いを定める。雨足は強くないが、降り止まなそうな雨。うろうろせずに近くにすらっと入りたい。

道を曲がると、お店の灯りが見えた。よかった、やってる。
カラカラと扉を開けると、いらっしゃいとご夫婦が優しく迎えてくれた。

「一人なんですが...」

「はいはい、じゃあこちらにどうぞ。傘はここね。結構降ってました?」

「いえ、パラパラくらいですね」

「あらそう〜」

奥さんに促され入口手前のカウンター席に座る。
店内はカウンター席が6.7席と、その後ろに一つだけ小上がりのテーブル席。奥のカウンターには先客のおじさんが2人。赤ら顔でなんだか楽しそうだ。

「飲み物、何にしますか?」

ここから先は

3,304字 / 1画像

この記事が参加している募集

#ほろ酔い文学

6,049件

サポート、嬉しいです。小躍りして喜びます^^ いただいたサポートで銭湯と周辺にある居酒屋さんに行って、素敵なお店を紹介する記事を書きます。♨🍺♨