haruaki
「未来があるよね」とか「近未来っぽい」とか、こういう言葉をよく聞く。 僕は毎回、これらの言葉を頭の中で「新しいね」と置き換えてしまう。 じゃあ、未来って何なのか。もう出来上がってしまえば未来ではなくなるのだから、これはとても難しい問題だと思う。つまり「これは未来だ」と言っているさなか目の前に存在しているのであれば、未来ではないということである。 例えば、文明があまり進んでいない国の人が、とても文明の進んだ国に行くと「未来だ」と思うのだろうか。それぞれの国が、それぞれの文
少し前、「心ってめんどくさい、心が無くなってくれればいいのに」と思っていた。 なにかあると、すぐに反応してしまう私の心は、とても邪魔だった。 例えば、突然音がなると「ビクッ」として心臓がバクバクする。自分ではない誰かが怒られていると、自分が怒られているように感じてしまう。誰かが自分ではない誰かに「これ、この人傷つくんじゃないかな」というような言葉を発していると、ハラハラする。といった具合である。 客観的に見ても、不健康極まりない心である。その当時は、本当に心が無くなるま
「何考えてんの?」 華は唐突に私に声をかけた 「へ?」 私は生暖かい春風が漂う中、それと同調するように間抜けた返しをした。 「いや、溶けたソフトクリームが指についているのに、慌てるでもなく拭こうとするでもなく、ずっとグラウンドの方を「ボケー」っと見てるからさ。」 そういわれて自分の手を見てみると確かに、ぽたぽたと溶けたソフトクリームが、三角コーンの頂点から滴り落ちていた。その様子を見てようやく指先に滑っとした溶けたソフトクリームの間隔が伝わる。嫌な手触りを拭うために、私
こんにちは。 連休ですね。 私は、申請書だの研究だので明確な休みがなく、そろそろ心が死にそうです。 家で作業ができる、研究ができるというのはいい反面、悪い反面もあります。 特に、学生という性質上、労働基準法に守られているもなく、永遠と出来てしまうので困ったものです。 件名にもありますように、毎日更新することが難しいなと感じています。 結構ネタはあるのですが、やはり書いて文を推敲するとかしていると2〜3時間は最低でもかかってしまいますね。 やるべきことの間に、ゆる
こんばんは。 COVID-19(新型コロナウイルス)で大学や高専、高校などの授業が遠隔になった、ところも多いのではないでしょうか。 中には「スマホは持っているけど、家にWi-Fiがない。パソコンはあるけど、インターネットを契約していない。」というご家庭、下宿先の学生さんも多いかと思います。 私も研究者見習い(大学院生)で、月数万円の奨学金と全額の授業料免除、大学の寮に住むという運良く合せ技で生活する身ですので、人ごとではないなと思い書きました。私は幸いなことに寮にWi-
前回のお話は上で見られます。以下、前回の続きです。 1. 雲の下 バスが速度を落としたときに感じる慣性力で目を覚ました。高速道路を降りると、降車のアナウンスがあった。僕は目的地の成田空港第二ビルで降り、身軽な小さなスーツケースを引きずりながら中へと入っていく。成田空港へは帰省をするときによく利用するが、国際線はめったにこない。空港の中は、同じ日本の建物とは思えないほど綺麗で、照明も明るく、光が上からも下からもスポットライトのように当たり、目がチカチカした。入口近くの電光掲
皆さん生活にもなれてきたでしょうか。 春先、暖かいな−というときに「小春日和だね」と使いたくなりませんか。 しかし、件名にもあるように、「小春日和が春ではない件について」、あまり国語に強くない私は非常にびっくりしたことです。 したがって、小春日和というのは「春先、暖かくなってきたなー」という意味では無いということを、つい昨日知ったところです。 では、本来どんな意味で使われるかというと 初冬のいかにも小春らしい穏やかで暖かい日和。(小学館 大辞泉より) だそうなんで
こんばんは。 もうすぐゴールデンウィークですね。 しかし、どこにも出かけられない、そんな人が大半だと思います。 一方で医療機関に従事されている方、スーパーや薬局など人の命をつなぐ職業に就かれている方もいらっしゃるかもしれません。 全てのみなさんが、本の物語の中だけでも、安心していられるような、没頭していられるような、そんな時間が提供できればいいなと思います。 さて、今回オススメする小説は朝井リョウさんの「星やどりの声」です。 海の見える町で「星やどり」という喫茶店
新学期、入社などなど沢山の「はじめまして」がある時期です。 残念なことに、新型コロナウイルス(COVID-19)の影響で、大手を振って授業を受けたり、仕事をすることだけではなく、新生活をまだ楽しめていない人も多いのではないでしょうか。 高校から大学へ入学された方、もしくは就職された方は初めて地元の文化とは異なる人と出逢う機会となる人も多いと思います。 あなたを指導してくださる先生、上司の方はあなたが取り組んできたことに、意見をしたり、指導したり、時には否定されることもあ
こんばんは。 この記事をご覧いただいたということは、私へのお仕事依頼を検討していただいている、もしくは値段感はどんなものだろうという興味を持っていただいていることかと思います。ご覧頂きありがとうございます。 私の専門は工学や情報になります。 しかし、お話を書いたり記事を書くという仕事にも大変興味があります。本記事ではあくまで書く仕事をメインに受けたいので本名ではなくペンネームでの受付になります(ですので、工学系の仕事もペンネームで受け付けています)。 以下、私がいまお
魔法というのは、いいイメージがあるけどアバダ・ケダブラみたいに呪いのようなのも魔法ですね。 「当たり前」というのは本当にたくさん存在しているのです。「あなたなら、これができて当たり前」とか「男性ならこれが出来て当たり前」とか逆に「女性ならこれが出来て当たり前」とか。 しかし、不思議で恐ろしいことに、そういう「当たり前」とか広く言うと「常識」というものは、私達人間が作ってしまったものですよね。 私は「あなたにとって小さなことは、私にとっては大きなこと」をモットーに
こんにちは。 新型コロナウイルスの影響で、なかなか外に出られない日々が続きますね。 noteに「好きな本について書きませんか?」みたいな誘導に乗せられるがまま、私も自分の最近読んでビビッときた本について紹介しようと思います。 なるべくネタバレが無いように、ざっくりとした内容(私が読んだイメージ)と心に残った一文だけ紹介します。ですので、すごくこの記事は短いです。 本書の舞台は本のタイトルにもありますように、東京會舘です。有楽町駅のすぐ前にありますね。 このお話は、1
1.雲の下熊田直樹 もう二月も終わりに近づいているというのに、最低気温が零度を下回る日だった。雲は重く、暗く、いつもより空が低く感じる。今にも雪が降りそうな空だ。そんな空の下、高度経済成長期に敷かれただろう凸凹したアスファルトの上を、僕の気持ちとは対象的に、軽いスーツケースを弾ませながら最寄り駅の茗荷谷へと向かう。茗荷谷は学生時代から住んでいる場所だ。なぜ、ここに住んでいるかというと自分が通っていた大学まで電車で一本で行けるし、夜は他の街よりも静かでいい。そんな理由で住み
もう冬至はとっくに過ぎたが、寒さが厳しい。そんな日に出張で北海道へ行った。羽田空港には、平日だからか人はまばらであったが、それでも人同士がぶつからないように、言葉を一言も交わさずお互いの進む方向を姿勢だけで主張していた。人がそれほど多くないのにも関わらず、自分の行く道を主張できないでいる僕は、時々人とぶつかりそうになり、申し訳なく顔を伏せるので、すぐ後ろにいる人にもぶつかりそうになる。ここにいるすべての人は、どこかへ行くからここにいるのだ。預け入れ荷物をチェックインカウンタ
ダーウィンの進化論が基となっていると思うのだが、ドーキンス博士が「今、地球上に存在している生物は、今までの地球の環境に生き残ったというだけであり、決して進化しようと思い進化したわけではない」と言っていた。(記憶からたぐり良さたので、一字一句合っているわけではないが、おおよそこんな感じだったと思う。) 自然は物理的な環境に左右されることが多い。例えば、地球温暖化が進行することで絶滅する生物が現れたり、一方で新たに発現する生物が現れたりする。つまり、進化の過程が今まさにこの
人生というのは人それぞれにあるもので、私が思っていることを押し付ける気はさらさらない。しかし、私は自分自身の人生をRPGであると思っている。 大人の皆さんであれば、誰もが小さい頃「こんな大人になりたい」という理想を思い浮かべたことはあるだろう。そこまで無くても、「こういう職業に就きたい。」や「あ、この職業かっこいいな。かわいいな。」と思ったことはあるだろう。 私達は、その職業になりたいと思ったときに真っ先に「ごっこ」遊びをするのだ。つまり、真似事をするのである。例え