私のオススメの小説〜東京會舘とわたし(辻村深月)〜

こんにちは。

新型コロナウイルスの影響で、なかなか外に出られない日々が続きますね。

noteに「好きな本について書きませんか?」みたいな誘導に乗せられるがまま、私も自分の最近読んでビビッときた本について紹介しようと思います。

なるべくネタバレが無いように、ざっくりとした内容(私が読んだイメージ)と心に残った一文だけ紹介します。ですので、すごくこの記事は短いです。

本書の舞台は本のタイトルにもありますように、東京會舘です。有楽町駅のすぐ前にありますね。

このお話は、1923年から2019年までに東京會舘が抱えた様々な人の思い出(しかし、フィクションです)が書かれたお話です。この本を通して知りましたが、東京會舘は戦前から今まである建物で、皇居の前という立地から多くの歴史的背景を持ちながら、多くの人の結婚式や直木賞、芥川賞などの文学賞、ちょっとした日に贅沢をするためのレストランとして、または会合帰りに立ち寄るバーとして利用されてきたそうです。

私が特に印象的だったのは第9章「煉瓦の壁を背に」です。この章の一節に「反発し合いながらも、やはり、息子のことを一番見ていたのはあの人たちなのだ。」とあります。本章は、本章の主人公が自分の夢を親から低く見られながらも、その反骨精神で実現するという内容です。本章の主人公はこの本全体で重要な役割を持っており、その人とその人の両親の不器用さが、リアリティを持って感じられたのが印象的でした。それはまた、私も同じ様に父から自分の夢を反対され今を歩んでいるからだと思います。

他の小説にはあまりない、フィクションなんだけれどもノンフィクションのような、しかもそれが現代であるから尚感じてしまうという、一冊です。

この新型コロナウイルスの自粛ムードが明けた暁には、私もぜひ東京會舘に立ち寄りたいと思います。

ぜひ、みなさんも家で過ごす際の一冊として、いかがでしょうか。

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