【エッセイ】根拠のない大丈夫が欲しい
ありとあらゆる手段を使って
セックスの相手を探す。
出会い系アプリと、複数の掲示板。
別に凄くセックスがしたい訳では無い。
ただ人の温もりを感じたい。
言ってしまえば手を繋いで
一緒に寝てくれたらそれで十分。
でもそれをするには少し時間がかかる。
セックスの方が肉体的な
繋がりは深いのに心の繋がりは浅い。
だからお手軽。
手を繋いで一緒に眠ることは
肉体的に浅い繋がりなのに
心は深く繋がらないと出来ない。
少なくとも私には。
*
恋人は要らない。
面倒だから。
でも本当は甘やかしてくれる
パートナーみたいな人が欲しいのだと思う。
私自身がゲイであることを
受け入れきれずにいるから
男性の恋人というものに
拒絶反応を示してしまう。
ゲイの知り合いや
友達すら増やしたいと思わない。
ゲイが嫌いなんだ。
その世界に染まりたくないと思っている。
かと言ってやっぱり
女性とは触れ合いたいと思わない。
この問題はまだしばらく解決しそうにない。
私はこの世界のどこにも存在していない。
*
一人で居るのが好き。
誰かと居るのも好き。
でも一緒に居てくれる人を探すだけの
気力も余裕もない。
一晩だけの関係の方が
手軽に温まれて楽なのだ。
会話もコミュニケーションも必要ない。
それで十分。
なはずなのに。
*
時々こんな自分に嫌悪感を感じる。
汚くて醜い存在に思えてしまう。
私の体に染み込んだ
汚いものを全部捨てて
綺麗だった頃の
まっさらな自分に戻りたいと思う。
死にたい訳じゃない。
ただ消えて無くなりたい。
それから元に戻りたい。
不可能なのは分かっているのに。
*
誰か私に根拠の無い「大丈夫」をください。
私の汚れた部分も全部愛してください。
わがままでしょうか。
誰かと心で繋がる努力もしないで
何も与えようともしないで
欲しい欲しいと自分の欲望ばかり。
他の何物でもない
ただの"私"として存在している自分を
全面的に受け入れて欲しい。
*
今日は心が少し重たい。
素直に誰かと愛し合えたら
もう少し生きやすかったかな。
好きな人にちゃんと
好きだって伝えられたら。
好きな人の温もりだけ感じられたら。
それで良かったはずなのに。
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