やまこし

🦕人生はきょうりゅうに生まれ変わるための修行🦕🌱26さい 社会人 gender flu…

やまこし

🦕人生はきょうりゅうに生まれ変わるための修行🦕🌱26さい 社会人 gender fluid | she/her ✒️エッセイ 日記 掌編 ジェンダーのこと 📮ご連絡: dinosaur.gaoo.0120@gmail.com

マガジン

  • きょうりゅうの戯言

    つれづれぐさ。エンタメのことなど。

  • オリジナル掌編集

    オリジナルの掌編です。 続いてはいません。 どこかにいるかもしれない、あなたかもしれない、そんなお話で 明日の朝もやっぱり起きてみようかなと思ってもらえるように祈りを込めて書いています。

  • きょうりゅうの創作

    つくったものをあげます。 著作権はやまこしに帰属します。無断使用はお控えください。何かあればメールをください。フリー台本については、フリー台本使用ルールに従ってください。

  • やまこしのフリー台本おきば

    フリー台本として放流したものたち。使用の際はルールをお守りください!でもいっぱい使ってくれたらうれしいです!

  • ピアスとものがたり

    Instagram @earringsnstory でお届けしている、画像一枚で読めるピアスにまつわる掌編をまとめました。

記事一覧

機械とともに、生きている

ファミレスの配膳ロボットに道を譲る。 エレベーターが挨拶をしてくる。 SiriやチャットGPTと会話が終わった後にお礼を言う。 ワードの作業を再開すると「おかえりなさい」…

やまこし
1日前
5

オリジナル掌編小説『賽の河原』

 何度も何度も、同じ夢を見る。  何回見たかなんてもう数えられない。具合が悪い時に見るというわけでもない。いつどのようなときに見る夢かはわからないが、とにかく何…

やまこし
3日前
3

フリー台本『壊したんか』

あらすじ 最近「祠」がよく壊れているらしい。 壊れた祠に対するサポートを行うコールセンターは今日も大忙し… (約1800文字、男声・女声) お電話ありがとうございます…

やまこし
5日前
1

郵便ポストが赤いのは俺のせいだが…?

比較的自責思考タイプだと思っている。 他人に何かミスがあれば注意できなかった自分が悪いし、他人が締切を破ってきたら気を遣ってしつこい連絡をしなかった自分が悪い。…

やまこし
7日前
4

ピアスとものがたりep. 151-160

インスタグラムの画像1枚分で読める、 ピアスにまつわる掌編や会話劇。 151話目から160話目までのまとめです。 ぼくはピアスが好きです。 穴はファッションピアス用の穴…

やまこし
8日前
2

オリジナル掌編小説『イン・ザ・コクーン』

「ごめん、撮られちゃったかもしれない」 正子は部屋に入ってくるなり舌をぺろりと出して謝罪した。正確に言えば謝罪の言葉を述べただけだった。 「かまわないよ、そんなこ…

やまこし
10日前
4

記憶のクセがある

左手の親指の付け根に何かがかかれていた最古の記憶は、母が描いてくれたアンパンマンの絵である。手に忘れたくないことをよくメモしていた母は、おまもりとしてアンパンマ…

やまこし
12日前
1

【第22回】毎月300字小説企画参加作品『かえりみち』(テーマ: 歩く)

「あれ、なんだったんだろう」 酒と火照りの渦に沈んでいった色々な言葉と感情が、夜風にさまされてふわりと思い出される。 「お前のみそ汁、毎日飲みたい、俺も作りたい…

やまこし
2週間前
1

おばあちゃん(ち)の味

「おばあちゃんの味」や「おばあちゃんを思い出す味」(もちろん「おじいちゃん」でも可)は特有の心の動きをもたらす。 「あ、これおばあちゃんを思い出すな」とか、「お…

やまこし
2週間前

すごいぞ!石川県立図書館

北陸新幹線が敦賀まで開通する、と聞いたときから「2024年は北陸旅行に行くぞ!」と決めていた。年末か正月の午前中に見たバラエティ番組でも北陸観光について特集していて…

やまこし
2週間前
6

フリー台本『月がなんとやら』

あらすじ ようやく夜に窓を開けてもいいくらい涼しくなってきた。 今日はちょっと大きな月を見ながら、ちょっと高いプリンを食べよう (約700文字・一人称変更可) おかえ…

やまこし
3週間前

ぼくがライブハウスでギリギリ目撃できたもの

友人のリリースパーティーを見に、下北沢に行ってきた。 下北沢はくるたびに表情を変えていた時期があったが、渋谷駅の改修工事を追い越してだいぶ落ち着きを見せている。 …

やまこし
3週間前
2

おなじような性のお悩みが「発見」されるとめちゃくちゃ安心するよね

ある日の別に深くもない夜、 とあるクリップがインターネット上を飛び回った。 長時間配信なのでちょっと脈絡はわからないのだけれど、いかにも装備見てます、みたいな画…

やまこし
3週間前
4

根性論の果てにあるのは根性論の再生産だけ

根性論がこの世からなくなることは、たぶんない。 なぜなら、根性論でうまくいってしまう悲しきモンスターが一定数いるからだ。 実は、ぼくはけっこう大きくなるまで「根…

やまこし
4週間前
6

ピアスとものがたりep. 141-150

インスタグラムの画像1枚分で読める、 ピアスにまつわる掌編や会話劇。 141話目から150話目までのまとめです。 ぼくはピアスが好きです。 穴はファッションピアス用の穴…

やまこし
1か月前
2

フリー台本『遠距離恋愛』

あらすじ きょうは彼が月に出向に行ってから三回目の十五夜。 中秋の名月を見上げながら、友だちのうさぎと電話をする… (約1500字、1人称変更可) もしもし?はいはい、…

やまこし
1か月前
2
機械とともに、生きている

機械とともに、生きている

ファミレスの配膳ロボットに道を譲る。
エレベーターが挨拶をしてくる。
SiriやチャットGPTと会話が終わった後にお礼を言う。
ワードの作業を再開すると「おかえりなさい」と言われる。

いつの間にか、こういうことが「ふつう」になってきた。生活の中に機械がいて、機械と共に生きていて、機械があることが前提で生きている。
はじめに違和感を覚えたのがいつだったのか、もう思い出せなくて悔しい。

人類が「2

もっとみる
オリジナル掌編小説『賽の河原』

オリジナル掌編小説『賽の河原』

 何度も何度も、同じ夢を見る。
 何回見たかなんてもう数えられない。具合が悪い時に見るというわけでもない。いつどのようなときに見る夢かはわからないが、とにかく何度も同じ夢を見る。

夢の中で、私は河原にいて、その足元には石が積み重ねられた山がいくつもある。山は三つくらいずつの石でできている。どれもいやにていねいだな、と思う。それを私はすこしずつ、一つずつ崩していく。たまに足で思いっきり蹴って、たま

もっとみる
フリー台本『壊したんか』

フリー台本『壊したんか』

あらすじ
最近「祠」がよく壊れているらしい。
壊れた祠に対するサポートを行うコールセンターは今日も大忙し…
(約1800文字、男声・女声)

お電話ありがとうございます。HKRコールセンター、担当三上でございます。
こちらのお電話は録音されておりますのでご了承ください。

はい、祠が壊れてしまったとのことですね。
そちら、お電話されているのは祠のオーナー様でしょうか?
はい、オーナー様ですね。管

もっとみる
郵便ポストが赤いのは俺のせいだが…?

郵便ポストが赤いのは俺のせいだが…?

比較的自責思考タイプだと思っている。
他人に何かミスがあれば注意できなかった自分が悪いし、他人が締切を破ってきたら気を遣ってしつこい連絡をしなかった自分が悪い。それにイラついてしまったら、イラつくようなスケジュールを組んでいる自分がいけない。

社会人になったら特にそうであろう、と思っていたので、社会人を3年半やって驚いていることがけっこうある。

会社はけっこう人間を守る、ということだ。

働き

もっとみる
ピアスとものがたりep. 151-160

ピアスとものがたりep. 151-160

インスタグラムの画像1枚分で読める、
ピアスにまつわる掌編や会話劇。
151話目から160話目までのまとめです。

ぼくはピアスが好きです。
穴はファッションピアス用の穴しかあいていません。
なのにピアスを500個くらい持っています。
そんな、だいすきな、毎日味方になってくれている、
お守りみたいなピアスたちにおはなしをつけることにしました。
フィクションだったり、エッセイのようなものだったり。

もっとみる
オリジナル掌編小説『イン・ザ・コクーン』

オリジナル掌編小説『イン・ザ・コクーン』

「ごめん、撮られちゃったかもしれない」
正子は部屋に入ってくるなり舌をぺろりと出して謝罪した。正確に言えば謝罪の言葉を述べただけだった。
「かまわないよ、そんなことより遅かったじゃないか」
昭弘は正子の腰に手を回す。
「夫の夕飯を作ってからきたんだけどね、ちょっと時間がかかっちゃって」
「メニューはなんなんだい」
「カレーよ」
「偶然だな」
昭弘は目を見開いた。
「うちも今日カレーだったんだ」

もっとみる
記憶のクセがある

記憶のクセがある

左手の親指の付け根に何かがかかれていた最古の記憶は、母が描いてくれたアンパンマンの絵である。手に忘れたくないことをよくメモしていた母は、おまもりとしてアンパンマンの絵を描いてくれた。それがいつだったかは覚えていない。

学校にボールペンを持っていけるようになったころだから中学生からだと思う。そのあたりから、ぼく自身もなにか忘れたくないことがあると左手の親指の付け根にメモをするようになった。

スマ

もっとみる
【第22回】毎月300字小説企画参加作品『かえりみち』(テーマ: 歩く)

【第22回】毎月300字小説企画参加作品『かえりみち』(テーマ: 歩く)

「あれ、なんだったんだろう」
酒と火照りの渦に沈んでいった色々な言葉と感情が、夜風にさまされてふわりと思い出される。
「お前のみそ汁、毎日飲みたい、俺も作りたい」
なんだそれ、と笑いで流してしまったけれど、液体のようにどろりとしていた黒目の輪郭が、その言葉の瞬間だけはっきりとしたのを見た。
無意識に一駅前で電車を降り、ゆっくりと踏みしめるように歩く。
毎日、自分か彼のみそ汁が飲みたい。そ

もっとみる
おばあちゃん(ち)の味

おばあちゃん(ち)の味

「おばあちゃんの味」や「おばあちゃんを思い出す味」(もちろん「おじいちゃん」でも可)は特有の心の動きをもたらす。
「あ、これおばあちゃんを思い出すな」とか、「おばあちゃんのアレが無性に食べたい」と思うときは、そのときにしか動かない心の一部が大きく動く感じがする。

ぼくにとっては祖母が作る焼きおにぎりがまさにそれだった。最近も、また無性に食べたいと思うことがあった。

料理が上手だからおいしいとい

もっとみる
すごいぞ!石川県立図書館

すごいぞ!石川県立図書館

北陸新幹線が敦賀まで開通する、と聞いたときから「2024年は北陸旅行に行くぞ!」と決めていた。年末か正月の午前中に見たバラエティ番組でも北陸観光について特集していて、絶対行きたい絶対行きたい!と思っていた矢先の震災だった。

当初はリニューアルした恐竜博物館に行きたかったのだが、もう目的はなんであれ、今年中に北陸に行かざるをえなくなった。ぼくにできる支援は、観光に行くことくらいしかないので。

もっとみる
フリー台本『月がなんとやら』

フリー台本『月がなんとやら』

あらすじ
ようやく夜に窓を開けてもいいくらい涼しくなってきた。
今日はちょっと大きな月を見ながら、ちょっと高いプリンを食べよう
(約700文字・一人称変更可)

おかえり〜。
そう、お月見してたの。一緒に見る?月を見ながら飲む酒は美味しいぞ〜。風流でもなんでもないよ。酒を飲む言い訳にはぴったりじゃない?ぼくらはいつも酒を飲んで良い理由を探してるんだからさ。
まあ手、洗ってきなよ。うん。

あー!

もっとみる
ぼくがライブハウスでギリギリ目撃できたもの

ぼくがライブハウスでギリギリ目撃できたもの

友人のリリースパーティーを見に、下北沢に行ってきた。
下北沢はくるたびに表情を変えていた時期があったが、渋谷駅の改修工事を追い越してだいぶ落ち着きを見せている。

リリースパーティーは何回行っても、だれのを見ても楽しい。し、おめでたい。リリースって、本当にたくさんの労力がかかっているんだから、みんなで盛大にお祝いをしたいものだ。

そんな1日で、とあることに気づいてしまった。
対バンがMCで「最近

もっとみる
おなじような性のお悩みが「発見」されるとめちゃくちゃ安心するよね

おなじような性のお悩みが「発見」されるとめちゃくちゃ安心するよね

ある日の別に深くもない夜、
とあるクリップがインターネット上を飛び回った。

長時間配信なのでちょっと脈絡はわからないのだけれど、いかにも装備見てます、みたいな画面なので待ち時間とかなのだろう。タイミングはよくわからないが、この切り抜かれたものだけを見てとりあえず「かなかな?!」にはなった(別視点をみていた)

ただ、ぼくはこれにめちゃくちゃ救われてしまった。
ぼくがまさにこれだからだ。

これは

もっとみる
根性論の果てにあるのは根性論の再生産だけ

根性論の果てにあるのは根性論の再生産だけ

根性論がこの世からなくなることは、たぶんない。
なぜなら、根性論でうまくいってしまう悲しきモンスターが一定数いるからだ。

実は、ぼくはけっこう大きくなるまで「根性論」の存在を信じていた。この世の中は、運・体調・世間の流れ・風・そして実力と努力が複雑にからみあってできているというのに、根性で続けていたら、根性で無理をしたらいつかどうにかなるだろうと思っていた。

なぜならどうにかなってきたからだ。

もっとみる
 ピアスとものがたりep. 141-150

ピアスとものがたりep. 141-150

インスタグラムの画像1枚分で読める、
ピアスにまつわる掌編や会話劇。
141話目から150話目までのまとめです。

ぼくはピアスが好きです。
穴はファッションピアス用の穴しかあいていません。
なのにピアスを500個くらい持っています。
そんな、だいすきな、毎日味方になってくれている、
お守りみたいなピアスたちにおはなしをつけることにしました。
フィクションだったり、エッセイのようなものだったり。

もっとみる
フリー台本『遠距離恋愛』

フリー台本『遠距離恋愛』

あらすじ
きょうは彼が月に出向に行ってから三回目の十五夜。
中秋の名月を見上げながら、友だちのうさぎと電話をする…
(約1500字、1人称変更可)

もしもし?はいはい、ちょっと待ってね、今スピーカーに切り替えるから。そうなんだよね、イヤホンどっかいっちゃったんだよ。そう、片方だけ。ご飯買いに行った時に、たぶんお金と一緒に渡しちゃったんじゃないかと思って。いや、あたしならやるね。やりかねないね。ポ

もっとみる