姫乃たま
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2024年3月7日〜13日 エルメスのツイリー
2024年3月7日
お正月から会っていなかった祖母はまた少し小さくなっていたけど、とても元気だった。あまり食欲がないと言って、好物の唐揚げばかり食べていた。いつもそう。90歳、もう好きなものだけ食べて生きてほしい。
昔はお酒とコーラが大好きで、二日酔いの日は酒屋の店番をするのが嫌だったと言う。もともとお酒を飲まない伯母は「酒瓶見るくらいなんてことないでしょ(自分が飲むわけじゃないんだから)」
2024年2月29日〜3月6日 こんにちは金太
2024年2月29日
久しぶりにゴールデン街で飲んでいたら、とっくのとうに朝になっていて、靖国通りからタクシーに乗って閏年の日を阿佐ヶ谷へ向かって走る。眠らないで迎えた朝はぴかぴか光って見える。
気絶するように眠って、起床した時点でまだ酔っ払っていて、二日酔いですらないという有り様。昼過ぎに嘔吐して、二日酔いが始まったので、高野政所さんたちと斧をぶん投げる予定をキャンセルする。原稿も諦める。
2024年2月22〜28日 憂鬱な時は酒を飲んで
2024年2月22日
京都に来てからずっと天気が悪くて、曇天と雨降りを繰り返していたけれど、今朝も喫茶店の近くを散歩していたら、久しぶりに晴れ間が見えた。太陽は久しぶりに見るととても驚く。梅雨が長引いたある年、久しぶりに太陽が顔を出した瞬間、文字通り腰を抜かしたことがある。
歩きながら、もう誰も話題にしてないと思うけど「マルハラ」について考えていた。若い世代が句点に恐怖心を抱くという新しいハ
2024年2月15〜21日 京都でカンヅメになる
2024年2月15日
きっと、春一番。ここのところ毎日着ていた分厚いダウンを脱いで、カーディガンを羽織って精神科に向かう。暖かくて重たい風がびゅうびゅう吹いている。
今冬、ダウンのポケットにはずっとフィギュアが入っていた。ダウンを着ているクトゥルフのフィギュア(クトゥルフオイド)で、シルバニアファミリーくらいの小さなサイズ。ポケットにフィギュアが入っていると、ふとした瞬間に指先に触れて気が緩
2024年2月8〜14日 31歳のつくりかた
2024年2月8日
ワインバルで深井剛志先生と数年越しに『地下アイドルの法律相談』(加除出版)の打ち上げ。こぢんまりとした店内なのに、天井まで届きそうなワインセラーがあって、ボトルがずらりと並んでいた。
初めて会った時からお酒が好きという話はお互いにしていたけれど、当時の私があまりに精神状態が悪かったこともあって、打ち上げのタイミングを逃してしまっていた。執筆していた当初は、出版したら地下ア
2024年2月1〜7日 ぜんぶ酒のせいだ
2024年2月1日
安来市のビジネスホテルは渋い雰囲気が居心地良くて、朝食がおいしい。窓際の席から庭が見渡せるところも気に入っている。しじみの味噌汁が若干残っている昨日の酒に効く。
今日は島根県立益田高校のかるた部に取材。安来から車で三時間の大移動になった(運転したのは今田さん)。
高校生たちはきらきらしていて、普段読んでいる本のことなど、いろいろと教えてくれた。高校生は眩しい。まだ二十
2024年1月25〜31日 別れても好きな人
2024年1月25日
布団に包まれて、目を開けるより先に、今日は「ハズレの日」だとわかってしまった。
ハズレの日は、長いこと鬱を患ってる友達と使うお気に入りの言い方。
心の底から、体の芯から、ひたひたに鬱に浸かってしまっているどうしようもない状況が、少しだけ軽く感じられる響きがある。ハズレなら仕方ないか、という感じ。
実際には苦しくて仕方ないけど、苦しんでも鬱は早く過ぎ去ってはくれない。
2024年1月18〜24日 禅のヒト
2024年1月18日
小明さんと新木場1stRINGで待ち合わせ。実はプライベートで会うのは初めてなんだけど、まさか最初がFREEDOMSの興行になるとは想像もしてなかった。
今日も試合は過激で、混乱したのか前の席のお兄さんが「あっ、そーなんだ!(?)」と大きめの独り言を発してて面白かった。小明さん大丈夫かなと思って隣を見たら、笑って楽しんでたので頼もしいなと思う。
デスマッチを見た後は、
2024年1月11〜17日 ドン・キホーテとペンギン
2024年1月11日
高円寺純情商店街の電気屋の前を通りかかったら、売り物のテレビに「細川たかし(73)一般人女性と結婚」のニュースが出ていて、普段全く細川たかしのことを気にかけていないのに、なぜか驚いて「えっ」と立ち止まってしまい、背後から知らないおばちゃんが駆け寄ってきて「死んだ!?」と大声で訊いてきた。死んでません。
2024年1月4日〜10日 ミモレットとワイン
2024年1月4日
数日前から『わたくしのビートルズ 小西康陽のコラム1992-2019』(朝日新聞出版)を読んでいるのだけど、前書き(にあたるのかな? 目次の前のたった一頁の文章)が眩しすぎて、そこからちっとも進まない。一頁読んではうっとりとため息をついて本を閉じて、また最初から読んで、ため息をついて閉じて……。私がこの本を読み終わる日は来るのだろうか。
旅先で時々茶葉を買う。今日は静岡
2023年12月28日〜2024年1月3日 シュトレンからおせちの日々
2023年12月28日
吉祥寺piwangのシュトレンを齧って珈琲を飲む。静かな朝。
今年のクリスマスは飛行機に乗っていたら時差で消滅してしまったけど、piwangのシュトレンを食べている時は、クリスマスを満喫している気分で心が浮き立つ。
精神科で主治医にアメリカで三週間断薬したら(あろうことか薬を忘れてしまったため)、躁鬱の波をはっきり自覚したと話す。とにかく躁状態の時に物事を引き受け
2023年12月21日〜27日 クリスマスアグリーセーター
2023年12月21日
寝起きに熱いシャワーを浴びて、バスタオルで髪を拭きながら冷蔵庫の缶ビールを取り出してアトリエに行き、踊りながら飲んだ。
ロサンゼルスに来てからの私は、誰かと酒を飲んでいるか、ほとんど眠っている。アトリエのソファでうたた寝するのがお気に入りで、目を覚ますと大きな窓から空と庭が見えて、時々リスが走って横切る。
GR2 Galleryの仕事から帰ってきたエリックが、「そ
2023年12月14日〜20日 雨降りのサンタモニカ
2023年12月14日
昼過ぎにのそのそ起きると、アトリエのテーブルにEricとJames Jeanが差し入れしてくれたThe Apple Pan(老舗ハンバーガーショップ)のヒッコリーバーガーと大量のフライドポテトが置かれていた。そうだ、ここはアメリカだ。
2023年12月7日〜13日 ロサンゼルスのセブンイレブン
2023年12月7日
ロサンゼルスは12月6日。
アーティストのYoskay YamamotoさんがSawtelleにある画材屋さんへ車で連れて行ってくれた。広々とした店内には天井まで届く黒い棚が並んでいて、美術用品がずらりと陳列されている。ペンギンが店内を歩きながら個展用のキャンバスやパネルを選んで、塗料のボトルも次々とカゴに放り込んでいた。
私はレジ付近にある雑貨コーナーで見つけた
2023年11月30日〜12月6日 羽田空港の黒ビール/ロサンゼルスのIPA
2023年11月30日
英語でプロレスの魅力について書く。英語以前に日本語がうまく思い浮かばなくて、ただ時間が過ぎていく。
息抜きに『プロレス少女伝説』(文春文庫)をめくっていたら読み終わってしまった。改めてプロレスってなんなんだろうと思う。
女子プロレス勃興期の混乱(団体同士の交流がうまくいかなかったり、団体からの選手の独立が認められなかったりなど)を読んでいたら、自然と自分がテン年代の