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CHROを目指す人に心から薦める漫画6選(+2)

ご無沙汰しています、細田です!

僕は小さい頃から本当に漫画が大好きで、様々な漫画を読んで来ました。「僕の思考回路や性格の大半は漫画で組成された」と言っても過言ではありません。

ただ、「組織」や「ヒト」について興味を持つようになってからは、「読み方」が大きく変わってきました。

将棋、アイドル、競馬、SF、、、どんなテーマの漫画にもほぼ確実に「ヒト」が登場し、「集団」になり、「組織」になります。

そうした時に、「その組織が上手くいっている理由」「その人が急成長する理由」(またはその反対)などに思いを馳せた時に、大きな学びを得られることがあります。

また、私は組織運営で大事にしていることの一つが「青臭さ」なのですが、漫画のキャラクターはとてもストレートな表現を使ってくれるので、より私の思考にズバッと入ってきてくれます。

今日は、僕がHRに携わる皆様に心からお勧めする漫画をいくつかご紹介します。もしまだ読んでおられない漫画があれば、是非手に取って頂けたら嬉しいです!

僕も「CHROを目指す身」であり、大それたタイトルを付けて恐縮ですが、ぜひ最後までご一読ください!

1️⃣ブルーロック

この漫画、テニスの王子様的なイメージを持っておられる方も多いですが、私が人生で読んできた中で最も「勉強になった」漫画です(テニヌから何も学べませんでしたが笑)。

原作の金城先生は、相当「ヒト」と「組織」に対して勉強されてきた方なのではないでしょうか。

この「ブルーロックが如何に素晴らしいか」については、すでに3本のnoteを執筆しているので、そちらに譲りますが、年末に4本目を執筆予定です。

というのも、最新刊の27巻が凄かった。「期待」という組織において最も難しい要素の一つに対して、素晴らしい解を示していただきました。

未読の方は、騙されたと思って読んで見てください!!

【過去のnote 3部作】(リンク埋め込み)
①「個人のエゴ」はなぜ大事なのか
②メンバーをFLOW(ゾーン)に導くにはどうしたらいいのか
③メンバーのFLOW(ゾーン)を組織全体に広げるにはどうしたらいいのか

2️⃣キングダム

先日参加した人事合宿でも「キングダムがいかに組織作りの勉強になるか」という話題で盛り上がり、自分の感覚は間違ってない、と確信できました。

まず、「本能型」「知略型」という区分が素晴らしい。世の中には色んな人間分類方法があり、そういった診断も無数にありますが、HRという立場で経営に約2年携わってみて、この2分はとても正しいと感じます。

例えば、「本能型本部長→本能型部長→本能型チーム長」のようにどちらかのタイプが縦に連続すると、大抵やばいです。

なぜかというと、同質性が高まりすぎ、同じ方向に偏った意思決定になり、死ぬ時は一瞬で死ぬからです。これを常にサンドイッチになるようにするのが、良い「タテ」の作り方だと思っています。

そして何より、「人の本質は光である」(嬴政・40巻)、「人の本質は火である」(李信・70巻)という最高の名言。この二つを読んだ時に、僕は涙が本当に止まりませんでした。

特に最新70巻の李信の、韓非子に対する回答は本当に素晴らしかった。ネタバレになるのでこれ以上は控えますが、40巻と70巻、そしてそこに辿り着くまでのストーリーは、最高の組織を作りたいHRの人全員に読んでいただきたいですね。

3️⃣ミステリと言う勿れ

この漫画は、とにかく「メタ認知」、そして「アンラーニング」を迫ってきます。

主人公の久能くんは、各登場人物が必ず持っている何かしらの固定観念や思い込みに対して、「いやいやそれって」と返してくる、現実にいたらめちゃウザがられそうなキャラです(漫画の中でも友達がいないようですが)。

しかし、この「いやいやそれって」が極めて本質的で、かつ、物事を本当に俯瞰出来ている人にしか言えない内容になっています。

特に第一話が秀逸なんです。

「真実は1つじゃない、2つでも3つでもない。真実は人の数だけあるんですよ。でも、事実は1つです。」

「あなたの真実はあなたにしかわからない、僕の真実は僕にしかわからない。でも、僕は子供を持ったことはないけど、子供だったことはある。この子供の立場でものを言ってます」

などなど、腹立たしいくらい正しいことを言ってきます。

そして、犯人に対する最後の言葉が素晴らしいんです!!(ネタバレになるので言えませんが)。

本人には絶対にその発想が無かったであろう角度からの「問い」を立て、本人に対する強烈な内省を促す。まさに、コーチングそのものです。

僕も最近社内でコーチング見習いのようなことを続けていますが、とても参考にさせてもらっている漫画です。

4️⃣ここは今から倫理です。

学生時代、まっっっったく興味のなかった「倫理」や「哲学」ですが、「ヒト」に触れれば触れるほど、この二つが極めて重要である、と分かってきます。

考えてみれば当たり前ですよね。表面的な要素や表面的な繋がりで「継続的に強い組織」が作れるわけもなく、人の奥底まで手を突っ込んで理解しての「HR」です。

とはいえ、日々激務を送る中で中々全方位に勉強することは難しい。でも、「漫画」というアプローチで倫理に触れる時間をくれたのが、この漫画でした。

過去、「ヒト」についてだけ考えた偉人たちの金言は本当に鋭く、そして強い。僕が人と向き合う時の大いなる羅針盤になってくれています。例えば、

・「欠乏しているものを欲するあまり、現にあるものを台無しにしてはならない」(エピクロス)

・「他者への没頭は、それが支援であれ妨害であれ愛情であれ憎悪であれ、詰まるところ自分から逃げるための手段である」(ホッファー)

「かつて熱望されていた自由が一旦保障されるようになると、人々はその自由の重みに耐えられず、そこから逃走し、あらたな権威への依存と服従を求めるようになる」(フロム

それぞれがヒトの本質をゴリゴリに射抜いてきます。

この漫画は毎話がハッピーエンドではなく、というか終わりすらせず、単に「放置エンド」なときすらあるのが現実的で、とても好きです。

5️⃣アオアシ

サッカーは、集団競技と個人競技のバランスが絶妙なのでしょうか、色んな書籍や漫画を読んでいても、スポーツではサッカーに関わるものが一番HRの勉強になります。

私のnote初期の頃に初めて書いたのが、この記事でした。まだ住友商事時代ですね、懐かしい。。。

ここのテーマも「エゴ」。でも、ブルーロックではまだ表現されていない、「自分のエゴをどう変化・進化させるとメンバーがより成長し、チームがゴールに辿り着けるのか」というテーマでした。

基本的にブルーロックでは「他者に合わせてエゴの形が変わる」ということは起きないので、ちょっと対照的でもありますね。

今読み返して、この発想は組織の「ミドルマネジメント」に特に求められる思考だと思いました。「リーダーシップとマネジメントのバランス」を取らざるを得ないポジションにいる時に、どうエゴを残しつつ、組織を活性化させるのか。

状況に迎合するのではなく、状況を使って自分がレベルアップする。それができれば、大企業の人材だってもっと強くなると思います。

このエピソードのみならず、福田監督の人心掌握術などもとても勉強になります。ぜひ読んで見てください。

6️⃣信長のシェフ

メインパートはこれが最後です。そして、かなり異質な漫画を紹介します。

信長のシェフ。僕はこの漫画が「考証力」「構成力」などを含めたら、これまで触れた漫画の中でNo.1だと思っています。そのくらい緻密に考えられて描かれている漫画。

一つ前のアオアシは「自己の中にリーダーとマネージャーをどう同居させるか」という話でしたが、これは「強烈なリーダーだけでは組織は大きくなれない理由」を示しています。

リーダーはもちろん、織田信長。彼は「自己の目指すもの」に対してとにかく突き進み、それに周りが付いてくる、という超王道のリーダーです。

しかし、その織田信長の発する言葉を、時として家臣は理解出来ない。理解できないから、不安になる。

そして、そんな不安を払拭してくれるのが森可成でした。森可成が通訳し、また最高のエンゲージメントを背中で見せることで、常に皆が心から織田信長についていくことが出来ました。

しかし、その森可成は石山本願寺法主・顕如の手によって彼岸を渡ります。その後、森可成不在の影響を描く描写が何度かありますが、最終的に「森可成がいれば、本能寺の変は怒らなかったんだろうな」と思わせる内容になっています(そうは書いていませんが、僕はそう解釈しました)。

圧倒的リーダーの存在「だけ」では、ダンバー数も超えられないし、一定以上のスケールも出来ない。まさにグレイナーの企業成長モデルを表していると感じました。

作品としてのクオリティも本当に高いので、ぜひ読んでみてください!!

番外編1️⃣課長 島耕作

僕が商社マンになった理由はこの漫画ですが笑、時代が古すぎて何の参考にもなりません笑

ですが、「ダメな組織」が大量に出てくるところは地味に「反面教師」として使えるところがあるので、そういう目線で見るといいかもです。

基本的に「島耕作が困る→女性が助けてくれる→解決する→その女性といい感じになるが、結ばれはしない」というテンプレが繰り返されるので、思考力なく読めるのもいいです笑

番外編2️⃣左ききのエレン

この漫画に登場する会社に「人的資本経営」はありません笑。もう「THE・広告代理店」であり、100%個人競技。職場は超ブラック。

ですが、どこの会社にも「スペシャリスト」の方がおられるはずです。当社にも沢山おられます。

そういう方々がどういうマインドで、どういう勝負をしていて、どこにモチベーションを持って人生を生きているのか、という点を感じるのにはとても良い参考書だと思います。

「結構デフォルメされてるんだろうな」と思っていたら、デザイナーの方などに聞くと「結構あのままだよ笑」という回答ですし笑

あと、シンプルに名言が多いです。「自分はどう生きるのか」という点で心にグサグサ刺さる言葉が連発され、読み終わった後は体温が上がっている気になるほどです。

漫画としても最高におすすめなので、ぜひ!!

終わりに

僕は、目に映るもの、そして5感で感じるもの全てがHRという仕事の役に立つと思っています。なので、もちろん漫画「だけ」ではありません。

ただ、他者に対して「あの漫画のあのコマ」というレベルの詳細度で共有出来るのは漫画の強みで、そこから色んな深い議論が広がることもよくあります。

ぜひ、これを読まれた皆さんと「あのコマのあのセリフ、どう思った?!」という話が出来るのを、心から楽しみにしています。

では、また次回お会いしましょう!


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