見出し画像

影で教員が自腹を切っている場面

教員の仕事には、納得できない点が多くあります。その一つは自腹を切らされることが多々あることです。学校やクラス、授業は、見えないところで教員の自腹で成り立っていることがあるかもしれません。そこで、私が知りうる限りの教員が自腹を切るシーンを紹介します。なお、財政や自治体の方針によって状況は異なると思います。

部活の登録費や用具

生徒が大会に出るためには、顧問自身も日本◯◯協会などに登録しなければなりません。そして、登録には数千円のお金がかかります。部活顧問は仕事として割り振られ、大会出場も求められています。しかし、大会に出るために支払う登録費は、顧問の自腹です。チームスポーツだと顧問が審判をする事が多く、審判資格取得費用や審判登録費用、審判に必要な用具等もかかります。これらも自腹になります。また、部活で生徒に指導する際に使用する用具も必要です。これも自腹です。

実際に、事務室に顧問の登録費を出して欲しいと掛け合ったことがあります。その時は、管理職より『顧問登録費は皆さん自腹で支払っている。顧問は仕事だが、自腹でお願いしたい』との話がありました。顧問は教員の趣味の扱いだからだそうですが、その一方で、管理職に都合のいいときだけ部活は職務として命令されることにもなっています。

クラスに関わる費用

文化祭や教室整備の際に、自腹を切らざるを得ないことがあります。文化祭では学校から各クラスに予算は配分されるのですが、雀の涙ほどのお金です。クラス生徒が様々な物品を購入したり熱心に準備をしている中で予算がオーバーすることが多々あります。最終的に、予算からオーバーした分は、担任の自腹になります。

また、マグネットや小物など、教室整備に関するものを支出しても、事務室では処理してくれません。その他にも、忘れ物をした子どもへ対応するための文房具を自腹で用意する方は多いです。

教員は百均で教室で使うものを自腹で買ってきていて、それらは決して少なくないです。教室整備は生徒の学習環境を整える大事なものです。しかし、田中まさお裁判でも指摘されたように、『職務命令はしていない』という扱いだからのようで、支出は認められません。

ICT機器

『教員はICTを活用せよ。ただし、支給したPCはセキュリティの関係で教室に持ち込みを禁ず』

教室に仕事で支給されているPCを持ち込んで授業はできません。授業で電子黒板と接続したりしてICT機器等を使いたい場合には、学校に整備されている数限りのある数台のタブレットの取り合いになります。誰か他の教員が専有してしまっていると授業で使おうとしても計画通りに使えないことも頻繁に起こります。

そのため、結局はBYOD(Bring Your Own Device:個人の私物タブレットやスマートフォンを仕事に使うこと)をせざるを得ないことがあります。つまり、自腹で買ったタブレットやスマートフォンを授業で使うことになります。驚くべきことに、自治体によっては『予算がないので教員用タブレットは支給しない。BYODでICT活用をした授業をするように』と言われていることもあります。あなたが受けている授業で使われているICT機器は、教員が自腹で買ったものかもしれません。

まとめ

教員が影で自腹を切っている場面を紹介しました。よりよい教育のために、自腹を切らざるを得なかったり、皆がしているからという理由で自腹を切るように言われたりなどが理由です。生徒のため、と自腹を簡単に切る教員にも非はあるでしょう。しかし、予算がないという理由で自腹を求めるのは、教員の善意に甘えすぎてやしないかと、問いたい気持ちです。

この記事が参加している募集

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?