【ネタバレ】ナギサさん最終回感想

ドラマ『私の家政夫ナギサさん』が最終回を迎えた。
元・春ドラマ、実質夏ドラマの中では最初から最後まで観たドラマの一つである。

ちなみに、ちょいちょい（唐突に？）挟み込まれる『北斗の拳』ネタについては、男性にも視聴者層を広めるためだったらしいが、僕自身は元ネタを一切知らないので、最後まで「???」だった。

50歳男（ナギサさんと同い年）なので、こういった若い女性向けキュンキュンドラマは基本的に苦手なのだが、それなりにハマった理由を探る。

以下ネタバレ。






【全員善人】
メインシナリオライターが『おっさんずラブ』と同じであるためか、それとも原作がそうなっているのか、このドラマには悪人は出てこない。多少当たりの強い人物は出てくるが、あくまで仕事上のことであり、根に持つまでには至らない。

このほのぼのとした雰囲気が、現実の世の中の一連の騒動を忘れさせてくれ、安心して観ることができた。

【多すぎる偶然】
主人公メイのライバル兼恋人候補田所が、同じマンションの隣同士に住んでいた――という設定からしてそうだが、とにかく偶然が多い。
家の中でけつまずいたメイをとっさにナギサさん（50）が抱き締めるなんてのは序の口。メイが街を歩けば、どこからともなく田所が現れるという、エスパーかストー●ーかという展開。

あまりにも偶然が多いドラマはあざとくて好きになれないのだが
途中から慣れた。

【出番が少ないナギサさん】
タイトルに名前が出るぐらいだから、メイが主人公にしてもナギサさんは本来準主役のはずである。
ところが、メイや同僚、田所たちと比べて、めっきり出番は少ない。

この扱いについては、正直不満だが、本来ナギサさんは「家政夫」であり、いわば赤の他人である。メイが無理やり泊まらせたり、トライアル結婚を申し込んだりしたので、多少出番が増えた程度。

【ナギサさんに頼りすぎるメイ・言いなりのナギサさん】
第一話からして、メイの手を一晩中握っているナギサさん。家事サービスからはかなり逸脱しているし、モラル的にも「どうなの？」と言いたくなるようなシーンではある。
ただ、この「困って言いなりになる（役柄の）大森氏」はこれまで見たことがなく、極めて新鮮でもあった。

それ以降も、「突然母親が来たから部屋に隠れていろ」「田所には『自分（メイ）の父』ということで口裏を合わせてくれ」などなど、多部さんだから愛らしく見えるものの、まぁ、度が過ぎるワガママ女、と言えなくもない。

【それで大丈夫なの？　ナギサさん】
僕の予想では、最後のどんでん返しで、メイは田所と結ばれると思っていた。
田所は積極的にメイを愛しているのに対して、ナギサさんは家事もトライアル結婚も、雇い主のメイに言われたから従ったのであって、そこに恋愛感情は感じられなかったからだ。
しかし、ナギサさんにもメイへの恋愛感情が芽生え、結局二人は結ばれる。

これって……
家政婦（夫）を雇うと、恋愛感情が芽生えるってこと……？

かつ、同居後も二人の関係は、相変わらず「雇い主と家政夫」のままで、メイがお金を払わなくても良くなった分、メイだけが得をしているようにも見えるのだが……。
ナギサさん、ストレスが溜まらなければいいけど……。

あと、メイとナギサさんの設定年齢は22歳違うわけだが、「いろいろと」大丈夫なのだろうか

とは思ったが

茶さんの例もあるし、本人たちが良ければいいのかもしれない。



全体としていまどきの「口当たりの良い」恋愛ドラマで、コメディ寄りとみなせば、深く矛盾を追求するほどではないのかもしれない。

ただ、僕はいまどきの女性ではないので、もうちょっとドラマドラマした展開のほうが好きではある。
「楽しいだけのドラマ」も確かに（特に今の時代）必要だが、時には、心を揺さぶる真摯なドラマ（シリアスに限らず）観てみたい。



ところで

この世界の中では、雇い主と家政婦（夫）が結ばれるのであれば、
最終回、田所の家に来た家政夫を演じるのはなんと、ドラマの料理担当でもある栗原心平氏。（女の家政婦はいないのか……？）

もう一度確認するが、メインシナリオライターが『おっさんずラブ』と同じである。


ほぅ……。


数か月後、こちらの二人がどうなっているか、ぜひ続編を観てみたい。


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