マガジンのカバー画像

トピックス(小説・作品)

8,427
素敵なクリエイターさんたちのノート(小説・作品)をまとめています。
運営しているクリエイター

2021年6月の記事一覧

読切りよりみち「僕はこの時、この人の普段の顔が見てみたいと思いました」

※長編小説「よりみち」シリーズの番外編です。時系列は「よりみち」と同時期になります。 「僕はこの時、この人の普段の顔が見てみたいと思いました」  この際だから、彼の正直を持ち出すとしよう。  彼は当時の仕事に何の不満も抱いていなかった。元々特筆した長所もなければ社会的地位も欲していない彼は、月々の仕事への対価がそれなり口座へ振り込まれて、休日には会社から解放され自分の時間を謳歌できるのであれば、仕事の中身には大した執着も持ち得なかったからだ。にも拘わらず、大学を卒業時に、

まんが&販売物・・^^;

身体が不自由となり身体二級 難病認定となり大変ですが頑張ってます(時々ダウン)生活はあるので^^; 生活って大変ですね(TT) ご支援して頂ければ幸いです よろしくお願いします💛 漫画です ↓

2005年夏、新宿の夜

「ファッションとか音楽とか映画だとかのカルチャーはもう、卒業するべきだと思うの。」 「そう、大人だしね。」 大学時代からの友人である加藤とは、大学を卒業し、社会人になったばかりの20代の頃によくそんな話をした。 2000年代の終わり頃のことで、スマートフォンもSNSも使っていなかったような時の話だ。 加藤と出会ったのは、バイト先の新宿三丁目にあるチェーン系居酒屋だった。 私よりも先に働いていた加藤は、新宿にある服飾系の女子大に通っていて、私と同じ3年だった。パツンと切

【ガンはメッセンジャー 2】静謐な暮らしとは真逆の生活が私を壊していった。

「汗問題」は解決しなかった。「自律神経の乱れ」が原因ではないかといわれ、そうかもしれないなとぼんやり思う。2014年~2015年は私の人生で最も忙しくハードな期間だったからだ。(レディースクリニックに初めて相談に行ったのが2015年10月) 酒蔵取材で全国を飛び回るほか、学生の就活向けに関西の中小企業を1000社掲載した本に携わり、このボリュームがとにかくすごかった。それ以外にも、女性の定着支援、若者の定着支援、知的障がい者支援、中小企業の処遇改善など行政の事業に関する制作

【ガンはメッセンジャー 1】とにかく汗が止まらない!

きっかけは、「汗」だった。 と言っても、もちろん「汗」でガンが判明したわけではない。もともと汗っかきだったのだが、ある時から異常に汗をかくようになった。もう頭、顔、脇、お腹、太ももの裏、足の裏まで、全身が一気に水でも浴びたように汗だくになるのだ。 ああ、ついに来たか……と思った。更年期だ。45歳。ちょっと早いけどなくはない。よく聞いたことがあった。更年期になると汗をかくと。それに、もうここ数ヶ月生理が来ていない。これは若くして閉経するタイプなのかとちょっと落ち込んだ。

涙の行く先

産婦人科の受付という仕事は、ものすごく気を使う。他の仕事は気を使わないということではなくて、女性の性を扱うということに関しては、やはり気を使いすぎるくらいがちょうどいいみたいだ。 いつもの通り、流れに身を任せてみたら、こんな仕事をすることになっている。ちゃんと考えることができないのはわたしの欠点だと思うけれど、そのおかげで予想もできないものに出会うこともある。もちろん、いい方も悪い方も、だ。 今日のお昼、書類を持って入院しているママさんのお部屋に入った。生まれたての赤ちゃんと

ライトなラストランチ。

それから、初めて会うある日。 離れることがお互いわかりながら会うというのは、目を合わせるタイミングも考えてしまうくらい、むずそわする。いろんな事務的なことの話し合いをしましょうという今回だったけど、マネージャーの方から「ランチでもどうですか?」と連絡が来たので、なんの躊躇もなく「是非しましょう!」と返信した。 食べることが大好きだった私たちは、メニューを開いて「あ、デザートも美味しそう」となる。ランチからの、後でデザート注文だなという暗黙のコースが決まる。マネージャーが「煮

‘光と影の探求者’ へのアプローチ

日めくりルーヴル 2021年6月28日(月) 『ダヴィデ王の手紙を持つバテシバ』(1654年) レンブラント・ファン・レイン(1606-1669年) レンブラントのことは まだ好きになれていません。 好きではない → 資料を読まない → 新たな発見がない → 良さがわからない → 好きになれない…という状態が続いています。 しかし、 「ルーヴル美術館で どの作品の前に一番長い時間立っていたか?」 と質問されたら、「バテシバの前」と答えるかも知れません。 画家本人のことはも

キラキラさせながら大学のキャンパスを歩いたらいい

「なんかさあ、大学生ってみんな大人やねん、キラキラしてんねん」 と、シュンとした様子で息子は言う。緊急事態宣言が解除されて、大学の対面授業が再開したのだ。通信制の大学生である私も、週末はじめての対面授業があった。 ついこないだまで、友達ところころサッカーボールを蹴っていた息子にとっては、大学生はみんな大人っぽくて、キラキラしているように見えるらしい。 「なんか、行きたくないわ大学」 お、五月病か? 六月だけど。緊急事態宣言明けだからね。オンラインに慣れてしまったらそれ

東京の休日 #76 〜王妃マリー・アントワネットのアフタヌーンティーを愉しむ初夏〜

初夏に咲く美しい薔薇。 その薔薇の似合う王妃として思い浮かぶのが マリー・アントワネットです。 現在、ふたつの麗しき場所で彼女をイメージした
 アフタヌーンティーが開催されているので ご紹介したいと思います。 その場所は、 グランド ハイアット 東京(六本木)と ラデュレ(渋谷、銀座、京都)です。 まずは、グランド ハイアット 東京 2階にある フレンチ キッチンの 『マリー・アントワネット アフタヌーンティー』から。 こちらは、フランスの老舗紅茶ブランド 「ニナス

花と暮らす効能

日本よりも手頃に花が買えるので、ベトナムで暮らし始めてから家に花を欠かすことがなくなった。近所の花市場に行き、隙あらば高値で売りつけてくる花屋のおばちゃんとがーがー交渉しながら花を選び買う。 ときどきあれもこれも欲しくなって、家にある花瓶では足りない量の花を買ってしまう。仕方がない、家にあるグラスに花をどんどん活けていく。そしてこの1週間ワイングラスで水を飲むことにする、色とりどりの花に囲まれながら。不便だけど、くすくすとこの不自由さを愛おしむ。 最近花市場だけではなく、

ありがとうございます!

少し遅くなりましたが…。 Blue Jamさん ありがとうございます! わたしのこちらのnoteに素敵なストーリを書いていただきました。 ありがとうございました。 こちらです。 また何か書いてみようかなって思ったり、この心の声が響く世界の続きをわたしも書いてみるか迷うけど。 それはまたの機会にしますが。 実はストック見てたら途中まで書いてるの見つけて…。 書けそうな時にわたしも書いちゃうかも…。 わたしも何か企画とかに参加したりしてみたいなーなんて思ったりし

愛に溢れたその花は、

友人に半ば押し付けられるようにしてもらった花。 花というか、花の苗。 こいつ、愛を囁くと咲くらしい。 逆に言うと、小っ恥ずかしい愛の言葉を囁かない限り咲きもしない、どころか枯れもしない、摩訶不思議な花。 友人の実家に眠っていたのを、面白いと掘り起こしたものの、いざ実演しようとして我に帰った友人がたまたま近くに住んでいたという理由で突風のごとく置いていった可哀想な花。 蕾を小さくつけたまま、咲きも枯れもしないまま、ぽつんと鉢に植った花は、正直言って少し不気味だ。10年以上は友

幸福の鐘

幸福の鐘は誰が鳴らす 幸福の鐘は私が鳴らす 私の鳴らす鐘の音は あなたに届くだろうか 幸福の鐘は誰が鳴らす 幸福の鐘はあなたが鳴らす あなたの鳴らす鐘の音は 私に届くだろうか 幸福の鐘は誰かが鳴らす 誰かが誰かのために 鳴らす鐘の音は いつまでも鳴り響いて 決して止むことは無い 幸福の鐘よ鳴り響け この世界中を揺るがす様に 幸福の鐘よ鳴り響け 私の想い あなたに届け