小説(代価はマルタの鷹一羽 病院・マルタ騎士団物語)
プカプカと青い海の波間に浮かぶのは引きちぎられた人の手足であった
男の身体の残骸・・千切れた身体の内部から無数に黒い虫が出てきた‥
骨だけの片手、骨の手の爪、特に1本だけが異様な長さで伸びて
敵を引き裂いたシオン甲板にいた最後の敵の一人を斬り倒すと死体は海へと‥大きな水音と共に落ちる
シオンは剣を振るように
血に染まった異様な自分自身の骨の手、爪が伸びた片方の白骨の手を振る無表情で、海の死体、それを見るシオンの手はまた元通りの姿に戻っていた。
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