「黄泉比良坂にて」 #50
「いや、そうじゃなくて、秋川に乗っ取られた、身体の持ち主の、魂だよ」
「秋川が、身体を乗っ取ったときに同化するとかなんとか、言ってたな。本当かどうかはわからないけど」
「魂と魂が同化するってことなのかな?」
「知らん。魂が合体してひとつになるところなんか、想像できないけどな」
「もし、秋川が、十人以上に渡って人間の身体を乗っ取り続けていたんだとしたら……」工藤はおれのほうを振り向いた。「もとの秋川の身体から、一人ずつ順番に、魂が乗り換えていった、というわけだ」
「うん」
「で