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【仕事】サービス(業務)設計のきほん ~12か条~

私はグループ全体で社員数千人が在籍している社内情シス部門に勤めています。名前のとおりへっぽこなんですが。(笑

5年間、社内基盤を見つつ、新しいサービスの立ち上げや既存サービスの抜本的見直しを行ってきました。

せっかくの自分のnoteなので、仕事に関する記事は、自分の中の指針としていることを色々と紹介していきたいなと思います。
ゆる~く、徒然なるままに。有料記事じゃないしね、蛇足と誤字はお許しください。

ということで、本記事のタイトル「サービス設計12か条」について紹介していきますね。

「サービス設計12か条」の掲載文書について

いきなり何ですかコレ…と思いでしょうが、これはデジタル庁が令和3年のクリスマスイブに国、地方公共団体、準公共部門等の情報システムの整備・管理の基本的な方針(整備方針)を策定したものなんですね。
(すごいクリスマスプレゼントでさぁ~!)

いわゆる「(地方公共団体)役人向けの(国)役人文書

文字が多くて読みにくい!(読む気しない!文字アレルギーがぁあああ)

とまあ、文書全体には色々と思うところもあるのですが、「サービス設計12か条」は、前述のリンク内に掲載されている文書のうち「情報システムの整備及び管理の基本的な方針」に記載されています。

私が国の文書をチェックする理由

私は民間企業の人間ではありますが、国のこのようなガイドラインや指針には一応目を通しています。

理由としては、国が出すガイドラインや指針は、その分野において日本国の「標準」的な考えになるからです。

医療にも「標準治療」という表現(言葉)がありますよね?

私たち民間の情シスは、国の標準に合わせる必要は当然ありません。

しかしながら、国が各都道府県、市区町村に対して、これが標準的(基本的)な考え方であり、これを参考にシステムやサービスを実装しろという内容は、同じ業務分野にいる人間として押さえておいて損はありません。

しかも、お役人様は、このような対外的な文書において防御力が凄まじいです。レベル100。
どこから突っ込まれても恥ずかしくない(=言い訳できる)内容で作成します。

つまり、サービスやシステムの指針を示す文書であれば、その設計において王道(基本)の考え方を書いた文書と捉えてもよいわけです。
いわば「教科書」といっても過言ではありません。(民間向けではありませんし、それはときに民間ではレガシー扱いされるものもありますが。)

今回紹介するのは、日本国が考える、サービス設計における基本の12か条となるわけですね。

私たちが利用する行政サービスは、この基本に則ってこれから設計・構築・提供されるワケですから、楽しみです。

サービス設計12か条

で、実際にその12か条の中身ですが、僕個人としては凄く良いモノだと思っています。
新しいサービスを想像するとき、既存サービスを見直すとき、もはやビジネス全般において、意識しなければならないエッセンスが詰まっていると考えます。
私が別部門の事業サービスの見直しを担当するときは、まずこれを見返し、これを意識させるように現場の人間に働きかけるようにしています。

あっ、働きかけるときは、このnoteみたいに12か条を紹介したり読ませても無駄ですよ。
本当の意味で理解されないから。(笑

こんなものは私たち情シスの人間のような舞台の裏方の人間が押さえておけばよいのです。

サービス設計のヒアリングや打ち合わせの中で、自然とこれらを意識させたり、「こんな観点(考え方)ではどうでしょうか?」と意見をしつこくしつこく投げ込んでうまく誘導させなきゃ、真の意味で現場で理解・採用されません。

…すみません、脱線しましたね。(白目)

さて、お待ちかねの12か条です。
原文ママだとすごーく長いので、私なりにさらに抜粋して紹介します。
(私用の備忘メモにもなるし。笑)

<サービス設計12か条(抜粋引用)>
第1条 利用者のニーズから出発する
提供者の視点ではなく、利用者の視点に立って、何が必要なのかを考える。

第2条 事実を詳細に把握する
思い込みや仮説に基づいてサービスを設計するのではなく、現場では何が起きているのか、事実に基づいて実態を把握する。

第3条 エンドツーエンドで考える
個々のサービスを切り取って検討するのではなく、サービスを受ける必要が生じたときからサービスの提供後まで、エンドツーエンドで利用者全体の行動を考える。

第4条 全ての関係者に気を配る
利用者だけでなく、全ての関係者についてどのような影響が発生するかを分析し、Win-Win を目指す。

第5条 サービスはシンプルにする
利用者が容易に理解でき、かつ、容易に利用できるようにシンプルに設計する。

第6条 デジタル技術を活用し、サービスの価値を高める
業務の見直しによるデジタルへの移行の可能性を検討し、サービスの改善を図る。

第7条 利用者の日常体験に溶け込む
利用者が日常的に多くの接点を持つサービスやプラットフォームとともにサービスが提供されるような設計を心掛ける。

第8条 自分で作りすぎない
サービスを一から自分で作るのではなく、既存の情報システムの再利用やそこで得られたノウハウの活用、クラウドサービス等の利用を検討する。

第9条 オープンにサービスを作る
サービスの質を向上させるために、サービス設計時には利用者や関係者を検討に巻き込み、意見を取り入れる。

第10条 何度も繰り返す
試行的にサービスの提供や業務を実施し、利用者や関係者からの意見を踏まえてサービスの見直しを行うなど、何度も確認と改善のプロセスを繰り返しながら品質を向上させる。

第11条 一遍にやらず、一貫してやる
困難なプロジェクトであればあるほど、全てを一度に実施しようとしてはならない。まずビジョンを明確にした上で、優先順位や実現可能性を考えて段階的に実施する。成功や失敗、それによる軌道修正を積み重ねながら一貫性をもって取り組む。

第12条 情報システムではなくサービスを作る
サービスによって利用者が得る便益を第一に考え、実現手段である情報システム化に固執しない。全てを情報システムで実現するのではなく、必要に応じて人手によるサービス等を組み合わせることによって、最良のサービスを利用者に提供することが目的
である。

https://cio.go.jp/sites/default/files/uploads/documents/digital/20211224_development_management_02.pdf

いや~…沁みるねぇ。
俺には刺さりますよ。
何か普段意識してるつもりなんだけど、こうやって改めてNoteに書き出したら、至らないところありまくりで、自分に響いちゃった。笑

全部大事っすよ。
「大事 manブラザーズバンド」の「 それが大事」に乗せて歌いたいよ。笑

自分の仕事に当てはめる

ご紹介した「サービス設計12か条」は、行政と市民(民間)を想定した書き方で、一見私たち民間企業には使えないのではないかと思われるかもしれませんが、私はそんなことは無いと考えています。

この12か条はどんな仕事にも適用・活用できると思うのです。

例えば、自分の仕事の成果(アウトプット)で恩恵を受ける人が社内の人であって、それが「サービス」という表現がバシッと当てはまらなくても…
無理やり自分の仕事を「サービス提供者」、恩恵を受ける社内の人が「サービス利用者」で一旦当てはめちゃえばいいんです!
そのうえで、サービス設計12か条の視点で、自分の仕事を見直してみてください。
きっと色々な気づきが生まれて、業務見直しのきっかけや発見につながると思います。

ルーチンワークをただこなすだけでは、それは「作業」です。「仕事」として価値を創出するには、あらゆる業務を日々見直し(チューニング)していかなければなりません。
そんなときに「サービス設計12か条」は、有効な一つの道具になると思います。一緒に、業務フローも書いて、複数人で協議してみるとよりベターです!

仕事って謀殺されているときほど、視野が狭くなって、視座が低くなるものです。
そんなときは、「サービス設計12か条」のような、視野が広くなるツールをうまく活用できるようになりたいものですね。

ヘッポコからの脱却を目指す戒めとして、メモメモ!


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