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【拝読ノート🔖】2023.8

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今月拝読したnoteの中で、ぜひとも共有したい「スキ」をまとめています。 表紙:お蕎麦屋さんで頼んだ日本酒の徳利におさめられた氷が涼しげだったので。
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記事一覧

「心理的安全性」をバリューに掲げたけど、ほぼ効果がなかった話

今回は、組織づくりについての話。 現在うちの会社は7期目で、メンバーは業務委託の方を含めると100人近くになりました。 おかげさまで退職率も低く「みんないい表情で働いてますね」と言っていただくことも増えました。心理的安全性も高く、「組織をよくするために自ら積極的に動く」というカルチャーが醸成されていると自負しています。 ただ、ずっと平和でいい感じだったのかというと、そんなことはありません。当初、組織づくりはめちゃくちゃ大変で、起業して最初の2〜3年はずっと組織のことで悩

涼味豊かな和菓子たち ~和菓子デザイナーの藤原夕貴さんが日本の夏の情景を小さな世界に閉じ込めました。

 寒天で作る錦玉羹(きんぎょくかん)は初夏から登場する和菓子です。見た目の透明感が涼やかな印象を与えるので、夏にふさわしい。暑い日にも食べやすいように喉越しがよくサラリとした食感や、さっぱりとした味わいに仕上げています。和菓子は、大体手のひらに収まるぐらいのサイズで、40~50グラムが一般的です。  夏の和菓子は、透明感があるものが多いので、光を透過させるようなガラスの器が相性がいいと思います。すりガラスは、光の当たる角度によってマットな質感にもなります。器によって和菓子の表

世界の郷土菓子めぐり 見たこともない、その土地で昔から愛されるお菓子を巡る !郷土菓子専門店を営む林周作さんのスイーツジャーニーです。

 子どもの頃からお菓子作りをしていたので、お菓子に対する好奇心はずっとありました。僕はちょっとひねくれた性格というのもあって(笑)、誰もやってないことをやりたいと思っていたときに「世界のお菓子」ってひらめいたんです。ネットで調べると全く知らないお菓子が世界にいっぱいあることが分かりました。  そこでまずはヨーロッパへ飛んだんです。イタリアのローマから入って、3カ月かけてスイス、フランス、スペイン、ポルトガル、オーストリア、ドイツを回りました。現地へ行くと、ネットで調べるだけじ

スタートアップの起業家/経営者で、メンタルを崩してしまった(崩してしまいそうな)あなたへ

このnoteは、スタートアップの起業家/経営者で、メンタルを崩してしまった(崩してしまいそうな)あなたに読んでいただきたくて書いています。 ひとりひとりの「メンタル不調」の背景には言葉にはし尽くせない「人生」そのものが存在するのであって、そう簡単に定式化できないことは重々わかっていますが、それでも、これまで数百人の起業家/経営者をサポートしてきた中で見えてきた共通点は、もしかしたらあなたにも役に立つかもしれないと思うので、少しでも参考になればと思っています。 長くなるので

#43 ドイツ留学、ふりだしから始めよう

8月も残り1週間を切り、9月になれば正式に、ダルムシュタット工科大学の研究員となり、勤務がスタートします。今日は後から振り返るためにも、勤務開始を目前にした気持ちをまとめておこうと思います。 迫力のワークショップ 先日、研究室全体のワークショップに出席しました。大規模研究室なので、対面で参加した約30人に加えて、オンラインでの参加者もいて、「活気がある」を超えて「迫力がある」会でした。 1992年に入学した大学での専攻は教育学、その後進んだ大学院では英語教育を専攻したの

インタビュー「25年の北京暮らしを経て〝桃源郷〟で自らを深める日々」和田廣幸(篆刻家・書家)

きっかけは級友の〝内職〟 ―― 和田さんが最初に「書道」と出合ったのはいつですか。 和田 中学1年生の時、授業の「書道」の時間です。当時は小学生の習い事で書道も盛んでしたが、そういうものには触れていませんでした。  私は横浜の生まれで都内の中高一貫の学校に通っておりました。書道教室での授業では出席番号順に着席するんですが、私は「和田」なので最後なんですね。すぐ後ろは壁なわけです。その壁に高校生の書道部員の作品なんかが飾ってあって、「上手いなあ。こんな字が書ければいいなあ

【取材後記】僧侶/アーティスト/LGBTQである西村宏堂氏の取材を通して感じたこと

僧侶でありLGBTQ当事者でもある西村宏堂氏をForbes Japanのオフィシャルコラムニストとして取材した。 ここでは西村宏堂氏の取材の中で発言されたものでForbes Japanに書ききれなかった思いを紹介していく。 私が取材中、衝撃を受けたのは西村宏堂氏の以下発言だ。 この「石を投げられた」ことを淡々と語る西村宏堂氏に、取材中、一瞬タイピングする手が止まった。自分の好きなファッションで表に出るだけで石を投げられるという恐怖。それがどれほどの心的インパクトを及ぼす

そのハンマーを握る手は:Sara Ahmedの反トランス差別エッセイを読む

コツ、コツ、コツ。 ハンマーで何かを叩く音がする。 ゴン、ゴン、ゴンッ。鈍い音もする。 そのハンマーを握る手は。 ハンマーの音は、ひとつではない。そこかしこから、音がする。 ハンマーが、共鳴する。 0.響き合うハンマー  こんばんは。夜のそらです。今日は、Sara Ahmedさんという方が書いた、トランス排除についてのエッセイ「響き合うハンマー(An Affinity of Hammers)」の紹介をしたいと思います。  Ahmedさんがこのエッセイで書いているのは、トラン

フードエッセイ『アイスクリームが溶けぬ前に』 #9 喫茶セブン(三軒茶屋)

カップルが一夜で急増したり、カップルの2人がそれぞれの時間を過ごすべくグラウンドから消えていく『後夜祭マジック』のように、若者が吸い込まれるように入っていく『純喫茶マジック』がある。 聞いたことないのに、どこか懐かしさを勝手に感じてしまう歌謡曲が流れる店内。レトロな照明、黒電話、オープンキッチンから漏れでるパスタの匂い、フラスコ式コーヒー、壁にかけられた統一感のない絵画たち。 そして、思わず覗きたくなってしまう外観。 今回の舞台『喫茶セブン』は、小説に出てくる喫茶店を

「言いたいことを我慢する」のはコミュニケーションが上手いのではなく、良い仕事をするつもりがないだけ

どんなプロジェクトでも、上手くいくチームはコミュニケーションが円滑にまわっている。仕事において必要なコミュニケーションとはなんだろうか? 仕事に必要なコミュニケーションとは何か?まず最初に断言しておくと、仕事に必要なコミュニケーションは友人関係のそれとはまったくちがう。 友人関係における「楽しければOK」「共感ファースト」は仕事の目的を阻害しうる。仕事の目的は何か? 当然ながら、プロジェクトの目的を達成することである。 "同じ方向に向かって、忌憚(きたん)のない意見を交

「カニたべたい」

一年前のちょうどいまごろ、息子が「カニたべたい」といいはじめた。 「カニはいいよね。美味しそうだし、カッコいいよね」と返事をした。 本当のことをいうとぼくはカニをたくさん食べるとお腹の調子が悪くなる体質だ。だけどそんなネガティブな情報は息子には必要ない。息子のカニ熱に水をさすの無粋だ。 なにかに影響を受けたのか、それから一ヶ月ぐらい毎日のように息子がカニ話をしてくる。かといってスーパーのちいさいカニをみても反応は薄い。 会話の終わりはいつも「カニたべたいなぁ」だ。あま

”自分”という人間の棚卸しほど、地獄の作業はない

この本を読んで一人の友達を思い出した。 その子は、真面目で明るくて責任感のある子だった。 私の仲の良い友達だった。 ただその子は、新卒で就職した会社でさまざまなストレスを抱えてしまい、パニック障害になってしまい、結局会社を辞めてしまった。 話を聞くと、結局は人間関係で苦しんでいた。 ストレスの大半が人間関係からくる。 社会に出て働けば、このことが痛いほど分かる。 無能な上司。理解のない上司。仲良くできない同僚に、手のかかる部下。 会社の外に出れば、自分のことを理解して受

まるで絵画のような風景… ”栃木の「モネの池」”への旅。

日本の「モネの池」といえば、岐阜県関市にある「名もなき池」(通称:モネの池)や、実際のモネの庭にある植物をベースに造園した直島の地中美術館にある「地中の庭」が有名ですね。 そんな中、栃木にも「モネの池」と呼ばれる池があるということで、”栃木のモネの池”こと「出流原弁天池(いずるはらべんてんいけ)」に行ってみました。 ▍「モネの池」か「オフィーリア」か… 水草の美しい「出流原弁天池」”栃木のモネの池”は、佐野駅から車で20分程度。車があれば比較的アクセスしやすい場所にありま