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「進化の歴史」(絵本)

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ヘイヨーさんの画力を上げるため、イラストつきの物語を始めます。 1作目は「進化の歴史」(完成!) 現在はスピンオフ作品の「2121 ~100年後の未来~」を連載中!
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2021年12月の記事一覧

100年後の未来(「2121 ~100年後の未来~」 第1話)

100年後の未来(「2121 ~100年後の未来~」 第1話)

時は2121年。現在からすると100年後の未来の世界。

科学技術はかなり進みましたが、それでも自由に宇宙旅行ができたり、タイムマシンが開発されたりはしていません。あくまで現代の技術の延長線上に過ぎないのです。

ただし、太陽光発電が格段に効率化され、世界中にパネルが建設されたおかげで、電気だけは使い放題の時代がやって来ています。それにより生まれた新発明や便利なサービスもたくさんあります。

我が

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桃香様と桃香おばあちゃん(「2121 ~100年後の未来~」 第2話)

桃香様と桃香おばあちゃん(「2121 ~100年後の未来~」 第2話)

これが2121年の桃香様。

「大モモ教」という宗教団体のトップに立っているので、お家は大金持ちです。貧富の格差が大きいこの時代において、いわば「勝ち組」に入っています。

でも、実はお屋敷には、もう1人の「桃香様」が住んでいます。

それが、こちら。

100年前…

ゾンビウイルスが世界を脅かした時代。機関銃を手に勇猛果敢に戦った少女。それが、もう1人の桃香様。今やおばあちゃんですけどね。

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政府の食料配給制度(「2121 ~100年後の未来~」 第3話)

政府の食料配給制度(「2121 ~100年後の未来~」 第3話)

2121年の日本では、政府による食糧配給が行われています。

「健康で文化的な最低限度の生活を営む権利」という憲法の条文に則って、「食べる物」と「住む所」だけは保障されているのです。

その代わり、ほんとに最低限度なので、もっとおいしい物が食べたかったり贅沢がしたいなら、働かなければなりません。

この時代、学校はまだ存在しています。

ただし、100年前に起きたゾンビウイルスによる世界的大流行に

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ベーシックインカムは失敗した(「2121 ~100年後の未来~」 第4話)

ベーシックインカムは失敗した(「2121 ~100年後の未来~」 第4話)

100年前…

2020年前後。世界中で貧富の差が拡大しつつあった時代。「ベーシックインカム」という考え方が広がっていました。

ベーシックインカムというのは、「最低限の収入を保障するため、国が一定の金額を国民全員に配る」というやり方です。

実際に世界中のいろいろな国で実験も行われました。数百人とか数千人という単位で、国民にお金を配って試してみたのです。

けれども、結局うまくはいきませんでした

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2121年の日本の人口(「2121 ~100年後の未来~」 第5話)

2121年の日本の人口(「2121 ~100年後の未来~」 第5話)

第2次世界大戦直後、非常に高い出生率を誇っていた日本ですが…

その後は徐々に下がっていき、2008年にはついに人口が減少し始めます。

もっとも、この頃の日本の人口は1億3000万人近くに達し、「利用できる国土が少ない割には人口が多過ぎた!」とも言われていました。

その後も出生率は改善せず、「別に結婚しなくてもいいよね」とか「わざわざ子供を作ることもないよね」という世間の風潮が広がっていったこ

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ヤジさんのノンビリ人生(「2121 ~100年後の未来~」 第6話)

ヤジさんのノンビリ人生(「2121 ~100年後の未来~」 第6話)

さて、ここで新キャラクターを紹介します。

名前はヤジさん。

100年後の世界で、ヤジさんがどのような生活を営んでいるのか見ていきましょう!

ヤジさんは田舎に住んでいます。

するコトがない日は、大体お昼寝をして過ごします。

ほら、今日も暖かい日差しの中、気持ちよさそうに寝てるでしょ?

お腹が空いたら、政府公認の食堂にご飯を食べに行きます。

結構おいしそうでしょ?これでも、工場で作られた

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自由に生きていける権利(「2121 ~100年後の未来~」 第7話)

自由に生きていける権利(「2121 ~100年後の未来~」 第7話)

レポーター「現場からは以上です!」

カエデとヤマンバがテレビを見ています。

ちなみに、これが未来のテレビ。下の機械があれば、上に立体映像が映し出されるのです。

カエデ「確かに100年前より貧富の差は広がったけれど、貧しいなら貧しいなりに幸せに生きている人もいるのよね」

ヤマンバ「そうじゃのう。贅沢したければ懸命に働けばよいし、時間にゆとりが欲しければ、無理して働くこともない。どちらの生き方

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料理人が高給取りの時代(「2121 ~100年後の未来~」 第8話)

料理人が高給取りの時代(「2121 ~100年後の未来~」 第8話)

ヤジさんが住んでいる村から、新鮮な食材が都会へと運ばれて…

大桃家へとやって来ました。

ここは、桃香様が家族と一緒に住んでいるお屋敷。

大桃家はお金持ちなので、毎日新鮮な野菜やお肉を食べることができるのです。

この時代、料理人は高給取り。

日本では、包丁は免許制になりました。なぜなら、中学生が通販で包丁を購入し、クラスメイトを刺し殺すという事件がよく起こっていたからです。

都会の大通り

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安部製菓のひとり息子(「2121 ~100年後の未来~」 第9話)

安部製菓のひとり息子(「2121 ~100年後の未来~」 第9話)

最低限の生活が保障されるこの世界において、「全く働こうとしない人」がいる一方で「懸命に働いて、ちょっとでも多くのお金を稼ごうとする人」もいます。

彼の名は安倍万兵衛。安部製菓のひとり息子。

安部製菓は、最初小さなおせんべい屋さんに過ぎませんでした。

150年くらい前までは、港町の商店街で手焼きのおせんべいを売っているだけの小さなお店だったのです。

それが、先祖の陰陽師をマスコットキャラにし

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学校給食のおじさん(「2121 ~100年後の未来~」 第10話)

学校給食のおじさん(「2121 ~100年後の未来~」 第10話)

ここは、桃香様の通う高校。

建物は何十年も前に建てられたものをリフォームして使っているので、外観は昔と変わりません。

この時代、中学を卒業するとすぐに働き始める子も多く、専門学校や高専に通ってスキルを身につけようとする子も増えていたので、普通科高校に通う生徒は100年前に比べて激減しています。

その上、少子化も進み、リモート学習で学ぶ子もいるので、なおさらです。中には、親方に弟子入りして工房

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安倍万兵衛、お菓子を学校に売り込む(「2121 ~100年後の未来~」 第11話)

安倍万兵衛、お菓子を学校に売り込む(「2121 ~100年後の未来~」 第11話)

安倍万兵衛は、自分のお菓子メーカーの販路を拡大しようと、学校へやって来ました。

校長先生「困るね。そういうのは政府を通してもらわないと…」

万兵衛「いえいえ。上の方には、すでにお話を通してあります。『だったら、試しにどこかの学校で扱ってもらえ』と言われて」

校長先生「なるほど。そういうコトですか。それにしてもねぇ…」

万兵衛「お願いします。1つ10円。いえ、5円でも構いません。試しに給食に

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100年後のカボチャ姫(「2121 ~100年後の未来~」 第12話)

100年後のカボチャ姫(「2121 ~100年後の未来~」 第12話)

100年前、ゾンビウイルスが世界を席巻していた頃…

科学力を持ってしてカボチャ教団を統治していたのが、カボチャ姫でした。

そして、これが現代のカボチャ姫。

初代のカボチャ姫から数えて、6代目にあたります。

6代目カボチャ姫は、桃香様と同じ学校に通っていて、子供の頃は結構仲がよかったんですよ。

最近では…
そうでもないのかな?

ちなみに、この学校に制服というものはありません。

桃香様が

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100年後のスイーカ嬢(「2121 ~100年後の未来~」 第13話)

100年後のスイーカ嬢(「2121 ~100年後の未来~」 第13話)

100年前のゾンビウイルスとの戦いで、日本では3つの組織が勢力を伸ばしました。

「大モモ教」「カボチャ教団」そして最後の1つは「スイカ学会」

「大モモ教」を桃香様が「カボチャ教団」をカボチャ姫が治めていたように、「スイカ学会」を牛耳っていたのはスイーカ嬢と呼ばれる女性。

スイーカ嬢には、カボチャ姫とは違っていて「本物の超能力」が備わっていました。

当時のスイーカ嬢は、こんな感じ。子供みたい

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桃香おばあちゃんの施設訪問(「2121 ~100年後の未来~」 第14話)

桃香おばあちゃんの施設訪問(「2121 ~100年後の未来~」 第14話)

桃香おばあちゃんには、親友がいました。大モモ教のトップであった頃、ずっと傍らにいて支え続けてくれた大事な人でした。

学校では共に学んだ友人であり、ゾンビウイルスに襲われた時には一緒に戦ってくれた戦友でもありました。

そんな友人も命が尽きようとしています。

友人「桃香様はいいわね。お金持ちの家に生まれて。私なんて貧乏な家庭に生まれたから、最後までこんなよ」

桃香おばあちゃん「だから、私の家に

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