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旅やスナップ写真の話。モーターサイクルや車など、ロードムービーの世界観が好きなミニマリ…

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旅やスナップ写真の話。モーターサイクルや車など、ロードムービーの世界観が好きなミニマリスト。

最近の記事

ポケットにカメラを忍ばせて #5

モンゴルの闇の中をサバイバルするエントラントたち 結局、リタイアしたその日のうちにキャンプ地に辿り着くことはなく、陽も昇り切った朝6時ごろになってようやくキャンプ地に戻ってくることができた。 これは、ボクを乗せてくれたスタッフ車両(ランクル)がラリー参加者の最後尾を捕捉し、物理的な援助はしないものの、しっかりとゴールに帰れるように見守るという役割があるためで、つまり朝8時に出発した何人かのライダーたちのゴールが翌朝5~6時だったということでもある。 CPを襲った巨大な雨

    • ポケットにカメラを忍ばせて #4

      突然のフィナーレと砂漠の嵐 レース2日目の午後。 激しく転倒。 些細なミスから、ボクの体はバイクから放り出された。パウダーのように細かくフカフカした砂地は、地面に叩きつけられた身体が土の上を滑ることも許さず、その強烈な衝突エネルギーを逃すことなく、全てボクの左肩にぶつけてきた。 視界を遮るほどの砂煙の中に倒れたボクは、左肩にシリアスな怪我を負ったことをすぐに悟った。後方から来たライダーに手伝ってもらってバイクを引き起こす。左手に力が入らない。アドレナリンが出て肩が動く

      • ポケットにカメラを忍ばせて #3

        モンゴル大草原には何があるのか? レース2日目。 昨日は初日ということもあって、スピードや現地の状況に慣れるため、撮影する余裕がほとんどなかった。 なので、今日は良い景色があったら積極的にバイクを停めて、撮影していくつもりである。カメラはリコーのGR。ヘルメットをつけたまま、このカメラをPモードにセットして、どんどんと風景を切り取っていく計画だ。 キャンプ地にはSonyのα7Rも置いてあるが、それはバイクに乗らない朝と夜限定になるので実質的にはほとんど使えない。三脚を

        • ポケットにカメラを忍ばせて #2

          モンゴルのツーリストキャンプはこんな感じなのです モンゴル内陸におけるツーリストキャンプとは基本的にゲル(移動式テント)を指す。遊牧民たちが使う白いテントを、写真やTVで見てご存知の方も多いと思う。 もちろん、ゲスト向け宿泊施設としてのゲルと自宅としてのゲルは全く別物だが、ゲスト用と言っても付帯設備は最低限のベッドと簡易冷蔵庫のみ。極めてシンプルな施設である。 それがどうしたことか、今回ボクの滞在したゲルにはなんとシャワーと水洗トイレまでついていて、周りからは随分と羨ま

        ポケットにカメラを忍ばせて #5

          ポケットにカメラを忍ばせて #1

          モンゴル撮影旅行のはなし この夏、モンゴルに行ってきた。 モンゴルの首都ウランバートルはいたるところに廃墟と建築中のビルが混在し、いかにもこれから大きく成長しようとする、発展途上な国の勢いを強く感じられる。その息吹をボクが感じ取ることができるのは、4年前にもこの街を訪れていたから、かもしれないけれど。 そう、4年前もボクはこの国に来ていた。バイクや車でモンゴルの草原を4000km以上駆け抜ける某レースイベントに参加したのだ。そしてボクは8日間走り続けるその競技を無事に

          ポケットにカメラを忍ばせて #1

          写真を始めてから半年経ちました

          何も知らないと言うことは、時に強みにでもあります。 写真を始めて、そろそろ半年。見よう見まねで写真をLightroomで現像し、(結構イケテルナ)的自己満足に浸り、写真に興味のない友人にも「どうこれ?俺が撮った写真」と頼まれてもないのに披露し、リアクションに困った顔を見ては(もっと褒めてよー)と内心で憤る、俗に言う迷惑系写真男に成り下がっています。 写真とはある種の自己表現なので、撮った写真を他人が良いとか悪いとかという言うのは違うんじゃないか、といった風潮があります。本

          写真を始めてから半年経ちました

          写真家、話題の牧野植物園に行ってみる

          旅先の高知では、現在放送されているNHKの連ドラによる影響で植物博士、牧野富太郎に由来する植物園が大人気だった。 市内からもさほど遠くない五台山という低山の中腹にあり、四国のお遍路道からも行けるというので、ホテルから散歩がてら歩いてみた。遍路道というのは、四国88箇所の寺を巡る道のことだ。31番目のお寺である「竹林寺」と牧野植物園が並んでいるため、良い具合に両方をみて回れるのだ。写真はその道中。途中までは良い散歩道だったのだが、やがて田圃を越えると、お墓だらけの山歩きに。暗

          写真家、話題の牧野植物園に行ってみる

          もっと写真を楽しむために、プリンターを購入した話

          皆さんは撮った写真をどのように楽しんでいますか? 経験の浅いボクは現像アプリにむきあったまま、ああでもないこうでもないといつまでも手を加えてしまって、かえってその写真を撮ったときのイメージみたいなものを見失ってしまうことも少なくありません。 句読点が一つも打たれていない読みづらい文章を読まされるような、やり場のない気持ちを抱えて日々モニターに向かい合っていました。 ところが、ある時にプリンターを導入したことで、写真家としてとても大きな正解の扉を開いたような気持ちになった

          もっと写真を楽しむために、プリンターを購入した話

          旅する写真家が幸せであるということについて

          写真が上手になるためには、どうすれば良いのか? この問いに対する方法はたくさんありますが、その中で最もシンプルな答えは(写真をたくさん撮る)だと思います。 ですので、最近のボクはいつもカメラと一緒です。だけど、それほどピンときていない景色に対してシャッターボタンを押し続けるのは、まるで回転寿司店で食べたくない寿司の皿に手を伸ばすように、(正直なところ)何か違うような気がしなくもないです。 このことについて良く考えてみると、実は目の前の風景から良いシーンを切り取れる(感性

          旅する写真家が幸せであるということについて

          ミニマリストな写真家への憧憬

          これまで何度か触れてきましたが、ボクは仕事を辞めて写真家を目指しています。 ということは、つまり当面はただの無職です。少なくとも現状は写真撮影で生計が立てられている訳ではありません。まぁ、無職であるというのも計画の範疇ではあるのですが、それでも収入が途絶えるというのは(頭では理解していたとしても)精神的にはかなりの焦りが生じます。 そこで、僅かでも収入につながればという気持ちから、メルカリで手元の不要なもの(これが結構たくさんある)を売ったりして、断捨離に励むようになりま

          ミニマリストな写真家への憧憬

          写真家はハワイでクジラの夢をみる

          3月のハワイは季節の変わり目ということで、雨季もいよいよ終わりといった頃になります。今回の滞在中はほとんど雨に降られず、幸運なことに素晴らしく晴れた日が多かったです。南の島特有のスコールも少なく、楽しみにしていた虹を見ることができなかったのが少しばかり残念ではありましたが。 そして、3月はクジラたちの移動の季節でもあるようです。餌場を求めてハワイからアラスカへ向かう直前なので、もしかしたら会えないのでないかという心配をしつつ、ホエールウォッチングに向かいました。そう、実は今

          写真家はハワイでクジラの夢をみる

          ハワイのビーチで思考した、白黒写真のおもしろさについて

          白黒写真は、その景色から色という要素を差し引いて現実の風景とのギャップを生じさせることから、「鑑賞者の想像力を掻き立てる」という面白さを強く感じます。また、写真における対象物のフォルムに対してのこだわりが、より強く反映されやすいとか。 実は、ボクは色覚異常の写真家でもあります。世間一般で言われる「色弱」ですね。 むかし、iPhoneで撮影した我が子の写真の色味を調整し、顔の色が緑色になったことに気付かなかったことがあったくらい(写真を見た子供に「なぜ、ボクの顔は緑色なの?

          ハワイのビーチで思考した、白黒写真のおもしろさについて

          写真家を目指すための、今年の旅の予定の話

          仕事を辞めて、写真家になることを誓ったものの、いったい何をさして「写真家になった」と胸を張って言えるのか。この問いかけに対して、未だ明確な答えを持ち合わせていません。写真集を出版できれば他人様に誇れるような気はします。個展が開かれれば(そして、幸運にも多くのお客様に足を運んでいただければ)、立派な写真家と言えそうです。 しかし21世紀の写真家として、それだけが正解なのかと問われると、何とも胸中にモヤモヤとした思いがよぎります。 どのように作品を発信(または発表)していくの

          写真家を目指すための、今年の旅の予定の話

          写真家になるために向かった、ある撮影場所のはなし

          その道のプロになるには、途方もない修練や経験を積み、あらゆる技法に長けていることが必須、そんなイメージを持っていませんか? ボクは、実はそんなイメージにいささか懐疑的な立ち位置にいます。と言うのも、過去のビジネスの現場で新規事業の立ち上げを数多く手掛けてきた経験から、世間で通用するプロというのは、「既に存在するA(ブランドだったり、会社だったり、サービスだったり)から微妙にズラした立ち位置を求めたビジネス」というのが、最も効率的かつ長期生存率が高い事業であることを知ってい

          写真家になるために向かった、ある撮影場所のはなし

          写真家を目指すなら、まずは現像を覚えようという話

          こんにちは、それとも、こんばんわ、はたまた、おはようございます。 軽率が服着て歩いていると世間に後指さされるへドンです。 ここまでの話の流れ(たった2つの記事だけですが)で、決して若くないおじさんが会社を辞めてから、突然神の啓示を受けて写真家を目指すという話はご理解いただけたかと思います(ごめんなさい、神の啓示は受けていませんでした)。 さて、写真家になるためには何をすれば良いのかということについて調べるうちに、デジタル写真の現像という言葉にぶち当たりました。はて?フィル

          写真家を目指すなら、まずは現像を覚えようという話

          写真家を目指すには、まずはカメラを買わなければならない、という話

          さてさて、会社を辞めて写真家となるべく、活動を始めました。 前回お伝えした通り、写真家を目指すにしても、手元にあったのはリコーGRという、手のひらに乗せられるような小さなコンデジだけでした。そこで、これからは写真家になるのだから(正確に言えば、目指す)もう少し本格的なカメラを探すことにしました。ここで自慢することではないですが、大体において世間で言うところの「形から入る男」である、自負があります。 カメラ購入にあたっては、まずどんな写真を撮りたいのか、写真家としてのコンセ

          写真家を目指すには、まずはカメラを買わなければならない、という話