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ジャマイカの大地からウサインボルト

長いフライトの後、ジャマイカに辿り着き、たくさんの音楽に歓迎されて、「No Problem」とちょっとの「problem」を経験した1日目。
その後、たぶん気絶するように寝ていたと思うが、燦々とふりそそぐ太陽の中、2日目はサウンドクラッシュの世界大会「WORLD CLASH 」へと向かう。

その「WORLD CLASH 」へと向かう途中の
広大な自然の中、いろんな場所で子供たちが走り回っている姿をみてその速さに驚いたのを覚えている。まあ、たぶんおもいっきり全力で遊んでおもいっきり走っていた光景だったんだと思うが、
毎日、この自然の中で、この土の上でこんだけ遊んで入っていたら足も速くなるよな。
運動神経、みんな良さそうな体形やもんな〜なんてぼんやり感じていた。日本の体育の時間とか、走らないといけない時間とか、そういうのではなく、当たり前の日常。毎日、思いっきり遊び、走ることが日常であるような景色。

ドキュメンタリー映画「ペレ」を見た時も、ブラジルのその環境ならそりゃ、サッカーボールは友達やんな。、まるで、手で扱っているようなボールの足さばきもできるよなと妙に納得できた時の感覚と似ている。

だから、2008年北京オリンピックで100M 200Mともにウサイン・ボルトが世界新を打ち立てた時、鳥肌がたった。ああ!あのジャマイカの大地で、あの太陽の中で育った人が世界新記録を打ち立てた! と。

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しかも、あのしなやかな筋肉よ。無駄のない作りよ。後半に一気に伸びるスピード、そして踊るように軽やかに、浮くようにしなやかな最後の走り。圧倒的余裕。めちゃめちゃ美しい!!あんなにも短距離で飛躍的にスピードが増すことができるボルトの身体的能力のすごさと美しさ。

しかもその翌年のベルリン大会で自らの世界新を更新する100M 9.58秒を打ち立てた脅威の走り。
100Mをみて泣いたのは、初めてかもしれない。言葉にならない感動がやってくる。もちろん、カールルイスの世界新記録も本当にすごい。今までの陸上、特にショートスプリントは圧倒的にアメリカ勢が優勢だった。そんな中で、突如としてあらわれたウサイン・ボルト。

おっと、ちょっと、WORLD CLASH の途中に、急に気持ちが入ってしまって、今日はもうウサイン・ボルトだ。

まあ、中学の束の間、バレエをしながら陸上部で真っ黒に焼けながら走っていた私は、陸上競技をみるのが今でも好きでオリンピックの100m 200m 4×100Mなんざあ、必ず録画してみている。
そして、4×100Mなんて、もうこの世の誰もが注目して、楽しみにしている競技ではないのか?!なんて思っていたら、この前友達と話していて、全く興味のない人も多いということがわかりびっくりしたところだった。

だから今日は、そんな陸上に、そして、ウサイン・ボルトに気持ちを持っていかれたので、そのままボルトの話にしよう。完全に私が個人的に思っていることだけれどw。。

2008年を皮切りに、世界大会、オリンピックと毎回世界新記録を塗り替えるボルト。
100Mだけではなく200M、4×100Mの三冠なんて、この厳しい短距離勝負でだれが成し遂げていただろうか? といっても、もちろん、カールルイスは、100M、200M、400Mリレー、走りとびで金メダルを獲得してきたスーパースターで、間違いなく、小学生の時から憧れていた選手。

そんなあとに、この陸上競技でカールルイスのような人、いやそれをも超える世界新を次々に打ち立てるスーパースターが突如としてこんなに可憐に現れると誰が予測しただろう?(もちろん、詳しい人達は知っていただろうし、高校性のボルトの速さに注目していたと思うが、、私はそんなことは全くしらないw。TVでボルトを見たのが、初ボルトだ!)

しかも 2008年の世界新記録から始まり、2017年の引退するまで、100M、200M、4X100Mがすべて金メダルなんて、すごすぎる。前代未聞だ。(2008年北京の4×100M ではメンバーがドーピングでひっかかったので、のちにメダルは剥奪されているが)まさに超人という言葉がふさわしい。

もともとは200M、400Mなどの長距離選手。でも その練習がいやで短距離に変えたという部分も親しみがわく。
(私も、長距離の練習が嫌だったな~w しかも長距離がいやで練習をサボってたら、もともと短距離と走り幅跳びだったのに、長距離に種目をかえられた中学3年。それが嫌で、結局やめたというどうでもいい話も思い出した笑)

まさに、そこで種目を変えたことでボルトの才能が開花されていった。そして、日本にはない、ハングリー精神たる環境ももちろん後押しされていると思う。圧倒的なモチベーション。

だから、あの引退を決めていた2017年の世界選手権ロンドン大会での4×100Mのレースはあまりにも衝撃だった。  

もう、これが大きな大会で、大きな画面でみれる最後のボルトの走りかと、朝の早くからそわそわ起き出して、TV画面の前でかじりついてみていた。

そして、緊張に包まれるまま、歓声と静寂ではじまった4×100M。
もちろん、好スタートだった日本だが、私の視線の矛先はジャマイカチーム、ラスタカラーだ。
ジャマイカ、アメリカほぼ僅差で次々にバトンが渡され、第4層が飛び出していく。
ウサイン・ボルトが発信して、会場も私もボルテージは最高潮に達していた!

いけボルト! ラストラン! でろ、世界新! 私の気持ちはボルト一色。 

そのほんの数秒後、いきなり画面から消えるボルト。足がつって痙攣し、そのまま地面へと倒れていくボルト。一瞬なにが起こったかわからず、画面でボルトを探す。でもドンドンと先頭に合わせて切り替わる画面。しかも、日本のリポーターが「日本、早い早い、このままいくと3位、メダル圏内か~~!」」
なんて、叫んでいる。そしてそのすぐあと「やったー!日本、3位銅メダル~~~!!!!!」」
なんて実況がはいるが、私の心の中それどころではない。
「ボルト!ボルト!ボルト!!!!」

トラックに倒れ込むボルト。泣き崩れるボルト。最後の最後の4X100Mのあまりに衝撃的なラストラン。涙が止まらなかった。なかなか信じられなかった。時が止まったら良いのにと思った。

だけどその日のボルトのインスタには、メンバーとファンへの感謝の気持ちが綴られていた。

色んなことがあるけれど、全部受け入れられる強さ。最高にかっこいいスーパースター。

ウサインボルトたくさんの感動をありがとう。



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