【短編小説 ルチアーノ -白い尾のオナガ- 8】Wimpy Monster 弱虫モンスター
8 Wimpy Monster 弱虫モンスター
仲間のいる森が見えてきた。
嗅ぎ慣れた空気を目一杯吸い込んで、ルチアーノは翼に力を入れ直した。するとまたカワセミにもらった羽が落ちて、ふわふわと宙を舞い、風に巻かれて遠退いていった。
ルチアーノは仲間の前に降り立つと、得意げに尾羽を見せた。
「随分と珍妙な尾羽だな。その青は濃すぎるし、長さも足りない。黄色は余計だ」
ティランノの乾いた品評が、辺りをしんとさせた。
青い羽はそのうち自分のものになるんだというルチアーノに、お前は