おまけ① 託された想い
託された想い男は慣れないコンパスと地図を手に森へと続く道を歩いていた。
目当ての森にはついたものの入口が分からない。入口には杭があるからすぐに分かると聞いたが一向に見つからない。森に入る前に既に足が棒になっていた。あとどれ程歩くことになるのかと男は考えたくもなかった。
「時間がない」
目ぼしいあたりを何度か往復したのち、男は諦めて半ば強引にヤブに分け入った。やぶ蚊と羽虫を驚かせはしたが、少し進むと獣道らしき道に出た。
森は静かだった。
動物の気配が全くなかった。しかしなぜかず