層塔

京都府内の石造物㊷:来迎院五輪塔・層塔(伝・良忍の墓)

名称:来迎院五輪塔・層塔

伝承など:良忍の墓(層塔)

所在地:京都府京都市左京区大原来迎院町 来迎院

大原三千院の入り口から道を右に取り、十分程登った所にある来迎院は、平安時代初期に慈覚大師円仁によって開かれたと言う伝承のある古刹で、平安時代後期に良忍によって再興された際に、来迎院が上院、三千院北方の松林院が下院と定められた。

来迎院には国宝の「伝教大師度縁案並僧綱牒」(東京国立博物館寄託

もっとみる

東海・北陸地方の石造物㉕:永賞寺層塔(大谷吉継供養塔)

名称:永賞寺層塔

伝承など:大谷吉継供養塔

所在地:福井県敦賀市新栄町 永賞寺

敦賀駅から気比神宮方面に向かい、神宮を過ぎた先にある永賞寺には、敦賀城主であった大谷吉継の供養塔とされる層塔がある。

大谷刑部の通称で知られる吉継は、石田三成に味方して関ヶ原の戦いで戦死したが、後に彼を供養するために慶長十四年に層塔が造立されたと言う。

層塔は本堂の前にあり、福井県内の石塔によく見られる凝灰岩

もっとみる

京都府内の石造物㊳:引接寺層塔(伝・紫式部供養塔)

名称:引接寺層塔

伝承など:紫式部供養塔

所在地:京都府京都市上京区閻魔前町 引接寺

「千本ゑんま堂」の通称で知られる引接寺は、平安京の葬送地の一つである蓮台野(他には鳥辺野と化野)の入口に位置しており、「あの世」と「この世」の境にあることから閻魔信仰の寺になったと思われる。

本堂には巨大な閻魔大王像が安置されているが、これは応仁の乱で消失した後に長享年間に再建されたものであり、また同寺は

もっとみる

雑記:鎌倉の古寺・史跡、その一

鎌倉にある中世石塔についてあらかた紹介したので、鎌倉の史跡や寺院についても少し。

まず、JR鎌倉駅から鶴岡八幡宮方面に行き、鶴岡の東方、清泉小学校の奥には源頼朝の墓所がある。

その南方には最初に鎌倉幕府の政庁が置かれた大蔵幕府の跡地であり、現在の頼朝の墓のあたりは、元々は頼朝の廟所と頼朝の肖像画が納められた法華堂があった場所である。

頼朝の墓は、江戸時代後期に薩摩藩主の島津重豪が再建したもの

もっとみる

甲信越地方の石造物㉑:大福寺層塔・五輪塔(浅利与一一族の墓)

名称:大福寺層塔・五輪塔群

伝承など:浅利与一の墓(層塔)、浅利氏の墓所(五輪塔)

所在地:山梨県中央市大鳥居 大福寺

現在は合併して中央市の一部になっている山梨県の旧豊富村は、甲斐源氏の浅利氏の本貫地であった。

浅利氏は甲斐源氏の祖・源清光(新羅三郎義光の子)の子で、武田信義や安田義定らの弟に当たる浅利与一を祖とする氏族である。

浅利与一は名を義遠、一説には義成と言い、弓の名手で源平合

もっとみる

滋賀県内の石造物㉖:石塔寺三重塔(阿育王塔)

名称:石塔寺三重塔

伝承など:阿育王塔

所在地:滋賀県東近江市石塔町 石塔寺

東近江市の石塔寺は、その名の通り多くの石塔を有する寺院で、聖徳太子の開基と伝承される古刹である。

境内にある石造の三重塔は「阿育王塔」と通称され、インドのアショーカ王の仏舎利塔にちなむ伝承を持つが、実際には朝鮮半島の古代の石塔と類似し、蒲生野に移住させられた朝鮮系の渡来人によって造立されたと考えられる。

日本の

もっとみる

滋賀県内の石造物㉔:東門院宝塔、層塔、宝篋印塔

名称:東門院宝塔、層塔、宝篋印塔

伝承など:なし

所在地:滋賀県守山市守山 東門院

JR守山駅から北方へ十分ほど歩いた中山道の宿場町の面影を残す界隈に、比叡山延暦寺の子院として建てられた古刹・東門院がある。

東門院は、守山の地名の由来にもなった寺院で、江戸時代には朝鮮通信使の宿舎としても利用された。

境内には、鎌倉時代の石塔が三基並んでおり、宝塔、層塔、宝篋印塔ともに鎌倉時代後期の造立で

もっとみる

京都府内の石造物㉔:宝積寺層塔(伝・聖武天皇供養塔)

名称:宝積寺層塔

伝承など:聖武天皇供養塔

所在地:京都府乙訓郡大山崎町 宝積寺

「宝寺」の通称で知られる大山崎町の宝積寺は、山崎の合戦の勝敗を決したことで有名な要地・天王山の南山腹にあり、奈良時代に行基が開いたと伝わる古刹である。

仏像などの文化財も多く有している宝積寺であるが、本堂脇には聖武天皇供養塔と伝承される鎌倉時代の層塔もある。

後世の修復の手が入っているためにややバランスが悪

もっとみる

北関東の石造物⑳:光厳寺層塔、石幢

名称:光厳寺層塔、石幢

伝承など:なし

所在地:群馬県前橋市総社町 光厳寺

前橋市の総社町は、江戸時代初期に秋元氏が総社藩主一万石の領主として封ぜられた場所で、光厳寺は慶長年間に秋元氏の菩提寺として秋元長朝によって開かれた寺院である。

境内には江戸時代後期の文化年間に造られた秋元氏の霊廟(一枚目)があり、その傍らには室町時代の層塔が建っている(二枚目)。

この層塔は元々は東覚寺と言う寺院

もっとみる

京都府内の石造物㉓:笠置寺宝篋印塔

名称:笠置寺宝篋印塔

伝承など:なし

所在地:京都府相楽郡笠置町笠置山 笠置寺

京都府と奈良県の境の笠置山に建つ笠置寺は、天武天皇によって創建されたと伝わる古刹であるが、鎌倉時代末期の元弘の変の際に後醍醐天皇がここに立て籠もったことで六波羅探題の攻撃を受け、当初の建物はすべて焼失してしまった。

建造物こそなくなってしまったが、境内には多くの古い石造物が残されており、このうち鎌倉時代後期の元

もっとみる