ヨコハマメリー

メリーさんの姿が伊勢佐木町から消えて、入れ替わりにゆずが登場した

メリーさんの姿が伊勢佐木町から消えて、街が様変わりした。

そんな風に書く人は多い。
では具体的にどんな風に変わったのだろうか?

先日あるブログに「メリーさんが消えた時期と、フォークデュオのゆずが伊勢佐木町の路上で注目されるようになった時期は重なっている」という記述を見かけた。

ゆずの結成は1996年3月。
同年、伊勢佐木町で歌い始めたという。

僕の調査では、メリーさんが帰郷したのは1996

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それを新しい名で呼ぶならば(ヨコハマメリー=アウトサイダーアーチスト説再考)

●それを、新しい名で呼ぶならば

拙著『白い孤影 ヨコハマメリー』のなかで、「ヨコハマメリー=アウトサイダー・アーチスト説」という持論を提示した。

この見解に対して、アウトサイダーアートの研究者である甲南大学の服部正教授にコメントをお願いしている。

このコメント原稿だが、先生ご自身の手直しを経て学術媒体に掲載される流れとなった。

 「メリーさんはアウトサイダー・アートか」(『心の危機と臨床の

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【読書】中村高寛「ヨコハマメリー:かつて白化粧の老娼婦がいた」

「ヨコハマメリー:かつて白化粧の老娼婦がいた」という本を読んだ。タイトルにもある通り、ヨコハマメリーというのは白化粧の年老いた娼婦で横浜の路上にいたらしい。そういう見た目の人間は珍しいので横浜のアイコン的な存在であった一方、直接彼女と関わった人は少なくいくつもの噂が飛び交うだけで一体彼女が何者であるかは分からない。本書はヨコハマメリーの関わった人物への取材を通して、彼らが彼女とどのような関係性であ

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作家・北方謙三から見たヨコハマメリー

「有名人の目撃談が入ると、横浜の人たちとの心理的距離感が出来てしまう」という編集者の意向により、拙著『白い孤影』から削除された記述がある。
小説家の北方謙三のヨコハマメリー目撃談だ。
著名作家が語る、ヨコハマメリーのイメージとは?

●金魚みたいな服を着たお姉さん

 北方謙三は、1992(平成4)年1月10日に東京の紀伊國屋ホールで講演会を行った。その際、こんなエピソードを披露している。

<僕

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谷崎潤一郎とメリーさんの関係性について記事化した意図

拙記事「ヨコハマメリーと文豪・谷崎潤一郎の点と線」ですが、ほとんど反応らしい反応がありません。
わずかに返ってきたそれは「根拠が薄い」というものです。

ここでなぜ僕がこの話を書いたのか、その意図をご説明します。

拙著『白い孤影』でやりたかったのは

1. メリーさんの物語を「横浜の物語」という縛りから解き放つ
2. メリー伝説の話の筋はそのままにして、意味を変える

の二つでした。

「ヨコハ

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det[,a]il #3 ~春モノ電気服、後編

少しだらだらとした箇条書きになってもた。お経ほどありがたいもんやないけど、あくびとイイ感じでちちくり合いながら読み切ってもらえたら、「,a」の聴こえ方がまた違ってくるんやないかと思います。どうぞヨロシク。

M4「DANCE HOLE」
初めて裕也と一緒に作った曲。2018年6月に大阪で卓郎くんと飲む機会があって、そこで「裕也、合うと思う。」ってことで間取り持ってくれる話。しかしながらなんやかんや

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2020年8月大阪で『白い孤影 ヨコハマメリー』公演

2018年12月に発売された拙著『白い孤影 ヨコハマメリー』を原作とした朗読劇が、2020年3月に大阪で再演されます。今回で3度目の上演となります。
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コロナウイルスの関係で2020年8月12日(水)に延期になりました。

2020/8/12(水)
開演:20:00~(19:00開場)
会場:Loft PlusOne West(大阪市中央区宗右衛門町2-3 美松ビル3F)
観覧チケット:¥

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横浜で謎の「ホームレス歌人」を追った本と引き比べてみる

『白い孤影』を書く際に、念頭に置いた本が2冊ある。

ひとつはあとがきに書いた塩野七生さんの『サロメの乳母の話』。

もうひとつは新潮ドキュメント賞の候補作にもなった、三山喬さんの『ホームレス歌人のいた冬』である。

『ホームレス歌人のいた冬』は、横浜の寿町を舞台にしたノンフィクション作品だ。素性も正体も知れないホームレス歌人・公田耕一を追う物語である。

読者は著者が公田の謎を解いてくれるものと

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語られずにいるキーパーソン、元次郎さんのほかにいたもう一人の友人

映画「ヨコハマメリー」の主役は、メリーさんではなくシャンソン歌手の元次郎さん。
実際に映画を目にした人の多くは、こう感じたにちがいない。
そのせいだろう。メリーさんを語る際、元次郎さんに絡めて語るブロガーは少なくない。

人によっては、彼女が化粧品を買っていた「柳屋」やクリーニング店「白新舎」、馬車道の老舗レストラン「相生本店」、「ルナ美容室」などに触れるケースもある。いずれも彼女を見守っていた優

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考えるきっかけを手渡す本と娯楽のための読書のギャップ

世の中には2種類の本がある

世の中には2種類の本があると思う。あるいは本を書く動機は、大きく二つに分けられると言い換えても良い。

1.読者を楽しませるための本
2.著者の考えを広めるための本

厳密に考えれば、教科書や参考書、それからハウツー本のように「学ぶための本」も存在するだろう。しかしここでは、こうした本もあえて「2」に分類してしまおう。
なぜなら「2」は、書き手が持っている知識をシェア

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