サイトスペシフィック

サイトスペシフィックな演劇へ

サイトスペシフィックな演劇へ

 演劇は、観る人のさまざまな状況に応じて多様なメッセージが伝わっていくと思います。ハッピーな時にハッピーな演劇を観たら、よりハッピーになるでしょうし、沈んでるときにハッピーな演劇を観たら、もしかしたら、さらにゲンナリするかも知れません。観ている作品は同じでも、劇場ごと体験する演劇は、映像作品に比べて人に対しての侵襲性が高いのだと思います。  実際、リアルで会議を行う場合と、オンラインで行う場合とでは、話の伝わり方が全く違いますし、ちょっとした話の機微で感情が振り回されるとい

最新「港のサーカスへようこそ!」創作にまつわる要素いろいろ。①

最新「港のサーカスへようこそ!」創作にまつわる要素いろいろ。①

(この記事は①〜③の3章構成です) 移住プロアーティストと、地元ミュージシャンたちのがっつり共演!2021年7月18日日曜日、「港のサーカスへようこそ!」というイベントを行いました。 規模としては、過去の瀬戸内サーカスファクトリーで実施してきた事業のなかではそれほど大規模というわけではなかったのですが、 (昨年秋以来、久しぶりの有料・有観客公演、そして、サーカスパレードと子どもサーカス体験という無料プログラムもおこなう複合イベントであり、それなりに周到な準備と、手間と気

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杉本博司#1             東西の交錯ー安土桃山とルネッサンスの夢の接続

杉本博司#1             東西の交錯ー安土桃山とルネッサンスの夢の接続

 杉本博司(1948年〜;以下杉本)は稀有な才能であり、人物である。 国際的に高く評価されている在命のアーティスト、写真を始点に、彫刻、インスタレーション、建築、執筆、料理、伝統芸能、と多岐に渡る才能だけではない。「人間とはどこから来たのか」、更には「生命」が誕生したその現場に立ち戻り、その起源を「意識」「気配」を切り口に、科学的な検証を基に時間と空間を串刺しにしながら「歴史と存在の物語」という壮大なテーマを提示し続けているからである。                   美

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ゲーム・チェンジャー|鈴木沓子

ゲーム・チェンジャー|鈴木沓子

文・鈴木沓子(ライター・翻訳者) ストリートアーティストなのに、ストリートに出られない――。 新型コロナウイルスの影響で多くの事業が深刻な打撃を受けているが、覆面アーティストのバンクシーも例外ではない。バスキアやキース・ヘリングのようにストリート発のアーティストは多いが、バンクシーは世界的に有名になった今も、美術館から距離を置き、ストリートで活動することを信条としてきたからだ。なぜストリートなのか。以前インタビューした時、その答えは明瞭だった。「ホームレスから金持ちまで誰

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コンサートホールだけで満足してる? サイトスペシフィックな音楽

コンサートホールだけで満足してる? サイトスペシフィックな音楽

美術の分野では、サイトスペシフィック・アートという言葉があるそうです。 サイトスペシフィック・アート 美術作品が“特定の場所に帰属する”性質を示す用語。といって、美術作品にとって“特権的な場所”であるはずの美術館の機能を補完するのではなく、逆に批判するために用いられることが多い。展示空間全体をひとつの作品に見立てる「インスタレーション」や、「ミニマリズム」の純粋形式に対する反発として登場した「プロセス・アート」、公共空間における美術作品の意味を問う「パブリック・アート」と

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