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選書もセンス?

こんにちは、ハシモト トショカンです。
本日も数ある記事の中からこの記事を閲覧していただき、ありがとうございます!

いやー、気付けばもう、12月なんですねー!

あと1ヵ月足らずで2025年がやって来るなんて、本当に信じられません(;^^)

そして、今年の2月に始めたこのnoteが年末まで続いているなんて、この私の性格を考えたら、輪をかけて信じられません(まあ、途中から更新頻度は大幅に下がりましたが…笑)。

それもこれも、記事を読んでくださっている皆さんのお陰です。本当にいつもありがとうございますm(__)m

…ところで、ちょっと前(だと思っていたら10月の記事だった)に「図書館司書になってしまった⑪修理はセンス」という記事を書いた所、

「センス必要です」


というコメントいただいて(コメントありがとうございました!嬉しい!)、「やっぱりそうですよね~」って思ったんですけど、そう言えばもう一つ、修理作業以外にも、研修の時に「センスが必要」と言われた業務があったのを思い出しました。

それは…

選書


です。

…この「選書」という業務ですが、まあ、読んで字のごとくなんですけど(笑)、図書館にどんな本を入れるかを選ぶ業務のことで、見計らいで選んで買う館もあれば、図書館員御用達、TRCが発行している『週刊新刊全点案内』という新刊案内のカタログのようなものを見て発注する、という館もあり、私自身が選書の作業に携わった館では、大学も公共も『全点案内』から選んでいました。

ちなみに、図書館をよく利用される方はご存じかと思いますけど、図書館の本は日本十進分類法(NDC)に基づいて「0」から「9」に分類されていて(「3」が社会科学で「9」が文学など)、これを一人のスタッフで全部網羅して選書するというのは、なかなか大変なので、大体どこの図書館でも分類ごとに担当スタッフを決めて、選書を行っています。

あ、あと、利用者さんから寄贈された資料の中から所蔵するものを選ぶというのも選書ですね(そう言えば、寄贈も結構色々と、トラブルあるんだよなー…よし、今度書こう笑)!(^^♪

で、この選書、大学図書館では、基本的に学部構成に沿った資料を選べば良く、あとはその大学で継続購入しているシリーズもの(たまに続巻が出たら自動的に送られてくるから手動で選ばなくてもいいという本もありますが)や所蔵資料の増補改訂版などを漏れなくピックアップしておけば、職員さんの方で発注をかけてくれるので、スタッフレベルでは、そこまで難しいことはありません(あくまで私がいた館は、ですが)。

しかしながら、本当に苦戦するのが公共図書館

利用者が幅広く、地域の特性や自治体の方針を考慮しながら、利用の見込まれる資料を選ぶというのは、私にとっては難しい作業だなと感じました。

…ちなみに、公共図書館で初めて選書をした時、私が担当したのが分類記号「4」(「4門」とか「4類」とかって言ったりします)の、「自然科学」だったんですけど、自然科学に分類されるのは、数学、物理学、化学、天文学、医学など…

って、いやいや、私、自慢じゃないけど超絶文系!!!(゚д゚)!

まごうことなき純度100%のキラキラ文系!!!(´゚д゚`)

こちとら理科の成績で「1」取ったことがあるってんだいバーロー、チクショー!!!(゚∀゚)


…という事でですね、

「いや、私、めちゃくちゃ文系なので、4門の本、何がいいかとか、分からないんですけど、大丈夫ですかね???」

と、選書の研修を担当してくれる責任者さんに伺ったところ、

「あー、大丈夫ですよ。だいたい、この図書館のスタッフなんてほとんどみんな文系だし、やっていく内に慣れますよ。まあ、あと、一番大きいのは

センス


ですから、その点、ハシモトさんなら大丈夫でしょ!」

なーんだ、そうか、それなら大丈夫…

な訳あるか!!!( ゚Д゚)

なんだよセンスって!!!(゚д゚)!

具体的に教えてくれ!!!(゚д゚)!

そもそも「ハシモトさんなら大丈夫」??

あなたが私の何を知ってるって言うのさ!!!(゚д゚)!

ふん、もう、知らないんだからね!!!(*´з`)


…という態度はおくびにも出さず(ちょっと出たかもしれないけど)、具体的にどうしたらいいのかを丁寧に伺うと、

・まずは書架の構成を見て、この館にどういう資料が多いかを把握すること
・逆に、「この分野が少ない」というものも把握して選ぶこと
・地域や利用者の特性を把握すること
・話題の本や流行に敏感になること
・面白そうで需要のありそうなものを選ぶこと
・年間で分類ごとの予算があるから、そこも気にすること
・その上であとはセンス

…とかって言われたのですが、図書館に多く所蔵されているものと、あまりされていないものを入れるようにって、「それもう全部じゃん」とか思いつつ(笑)、なんとか言われた通りにやってみて、その数週間後、

「私が発注した本が来る日だー!\(^o^)/」


って、新刊を楽しみに待ち受けて、でっかい段ボールからブックトラックに新刊を、移せども、移せども、あれ?私が選んだ本が…無い?!

え、これはどういうこと?と、責任者の方に尋ねると、

「あー、ハシモトさんが選んでくれた本なんだけど、あのぉ、これ、ハシモトさんが悪い訳じゃないんだけど、すごくいい本を選んでくれたから、同じ自治体の別の館も何館か欲しいって言ってて、最終的に中央図書館の裁量で、今回はうちの館じゃなくて、別の館で買うってことになっちゃったんだ…」

何それ?!( ゚Д゚)


「え、でも今回、5冊くらい選びましたけど、全部他の館で買うから、うちの館には入れない、ってなったんですか?」

「あー、そう…みたいね~(;^^)」

そんなことある?!(゚д゚)!

てか「みたい」って何だよ!!!( ゚Д゚)

悩みに悩みぬいて、書架を這いずり回って、ネットでもとことん調べて、そうやって選びに選び抜いた本なのに、選書の時間返せよ!!!( ゚Д゚)

わーん!!!(ノД`)・゜・。


…そんなこんなで、各図書館で悪戦苦闘し鎬を削って選んで所蔵した新刊は、その多くが予約で回ってしまうため(特に話題の本などは、受け入れした時点で予約が3桁を越えていたりします)、「新刊コーナー」に並ぶこともなく、予約者の手に渡るのですが、そうすると、

「ここの図書館はいつ来ても新刊も話題の本も置いてないねえ。ちゃんと新刊も買ってよ~。私たちの税金でやってるんだから、こんなスカスカの新刊コーナー、あなたこれ見て、利用者に失礼だと思わないの?はっきり言って職務怠慢よ!恥ずかしいと思いなさい!」(実際に言われました笑)

なんてクレー…いや、貴重なご意見をいただくことも多々あり、私たちはただ頭を下げる日々なのです(説明しようとしても、こういう方は言いたいことを言ったらさっさと行ってしまうので、ちゃんとお伝え出来ないことが多い)…

ということで、長くなってしまいましたが、研修では「選書はセンス」と言われましたけど、私としては、センスの一言では片づけられないんじゃないかなぁと思った、という話でした(こんなに長い文章になってしまうとは…計画性も無く書き始めるからいけないんだな笑)(;^^)

それでは、本日も長文にお付き合いいただき、ありがとうございました!


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